86ヶ月め


今日は2011年3月11日から2,618日
374週5日
7年2ヶ月
86回めの11日です。

2011年の震災直後より始めた「本・つながる・未来」
http://www.yakuin-records.com/amigos/?p=6095

ヴァイオリニストの金子飛鳥さんとHADEN BOOKSの林下英二さんとボクとが発起人となり、
震災後の夜の暗さの中でも表現することを続けようという目的とともに、
そこで集まったお金を本に変え、それを必要とするであろう場所へ送ろうという目的のもと、
青山のrainyday cafe で、そしてHADEN BOOKSへと場所を変えて続けてきました。

そして7年後の今、
はじめてその目的をひとつの形にしました。

長野県茅野市の今井書店の店主、高村志歩さんに絵本のセレクトをお願いし、
宮城県気仙沼市唐桑で小山さんご一家が営むカフェ Printempsに
「あすか文庫」と名付けて送っていただきました。

まずはその選書一覧(コメントは高村さんのもの、写真は小山さん撮影)

「くだもの」平山和子:作
日常、子供が食べる果物を鮮やかに描いた言葉の優しさも響く食べ物絵本。

「おかあさんといっしょ」薮内正幸:作
どうぶつと言ったら、薮内さんの絵本!生き物絵本。

「かんかんかん」のむらさやか文・川本幸:制作・塩田正幸:写真
かんかんかんのリズムと不思議な踏切。なぜか、子ども達の心をわし掴み。

「きゅうりさんあぶないよ」スズキコージ:作
ナンセンス!読みどころいっぱいです。何度読んでも飽きません。

「しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん」高野文子:作・絵
ぐっすり眠れますようにとのお願いに頼もしく答えるしきぶとんさん達。

「いしゃがよい」さくらせかい:作
 時の経つって言う事は。パンダのファンファンとエンさんの心に染みるいしゃがよい。

「あーといってよあー」小野寺悦子:文・堀川理万子:絵
声、出してみましょう!あなたの一番素敵な声、聴かせて!

「すずめくんどこでごはんたべるの」たしろちさと:文・絵
あなたのそばにもきっとすずめがいてくれる。同じ空の下、今日もご飯食べようね。

「かさもっておむかえ」征矢清:作・長新太:絵
私が傘持っておとうさんをお迎えに行くの。

「くもすおやぶんとりものちょう」秋山あゆ子:作
虫の時代劇絵本!書き込みが楽しすぎて、1人でも絵を読んで楽しめます。

「とんことり」林明子:絵  
とんことり、あなたも誰かにとんことり。待っているかもしれないいい音。

「とべ ちいさいプロペラき」小風さち:作・山本忠敬:絵
小さくたって空を飛べるよ。胸を張ってどこまでも大空へ。

「こんなおみせしってる」藤原マキ:作
あなたの周りにはどんなお店があるかな?探検したくなっちゃいます。

「てぶくろ」E・M・ラチョフ:絵・内田莉莎子:訳
てぶくろを大きく大きくして、誰と入ろうか?

「はらぺこあおむし」E・カール:作・ポプラ社
たくさん食べておおきくなったあおむし。さあ、美しい羽を広げて舞い上がれ!

「つきのぼうや」オルセン:作・絵・山内清子:訳
子どもの時、この本を梯子みたいに長い本だと思いました。小さい時のこの形を、ぜひ

「かいじゅうたちのいるところ」センダック:作・じんぐうてるお:訳・冨山房
ハラハラドキドキ、ちょっと怖くて、でもお家に帰れるってやっぱりうれしい事!

「ちびごりらのちびちび」ボーンスタイン:訳・いわたみみ:訳・ほるぷ出版
みんなに愛されているちびちび。子どもって本当に愛される存在です。

「こねこのぴっち」フィッシャー:作・岩波書店
とにかくかわいいぴっち。やっぱりお家が一番なんです。

「ラチとらいおん」マークベロニカ:文・絵 徳永康元:訳
子どもにはらいおんがいて欲しい。大人もらいおんが恋しかったりしますから。

「子うさぎましろのお話」佐々木たづ:文・三好碩也:絵・ポプラ社
ましろのおろかさとかわいさを全国にお届けしたいのです。

「からすのパンやさん」かこさとし:作
かこさとしの最高傑作です。パン屋さんは楽しいんです。

「いやいやえん」中川李枝子:作・大村百合子:絵
日本の子ども達にはいやいやえんはどうしても読んでもらって欲しいのです。

「かえるのエルタ」中川李枝子:作・大村百合子:絵
幼年ファンタジーのNO.1は実はカエルのエルタだと思っています。

「ピーターラビット第一集」(全3)ポター:作・石井桃子:訳
物語は実はなかなか読まれないピーター。このサイズがお家で読むにはほっこりなんです。

=追加=

「おつきさまこんばんは」林明子:作・福音館 

「パンどうぞ」彦坂有紀・もりといずみ:作・講談社 

高村さんの人生が反映されたような絵本のタイトルたち。
これを眺めただけでも、なんだか心が温かくなる思いでいます。

絵本の購入もネットで行えてしまう時代です。

その購入の判断が「間違いのないロングセラー」もしくは
「レビューや星の数」に左右されてしまっています。

ただ、ボクの個人的な考えだけど、
絵本ってそれだけじゃ選べないんだよなあ〜〜〜!です。

ちいさなお子さんに絵本を買い与えるのは親です。

子どもがつい手を伸ばしてしまう思いがけない絵本

お母さんの人生に添い続けてきた1冊

家族の歴史の代弁者となってくれるであろう1冊

そういったものとレビューの星の数って必ずしも一致するものでは無く、
高村さんのような目利きの方との信頼関係、
人と人、1対1の呼吸の中から手にできるものは、
やはり親子の間に確かな物語を生んでくれるって思うのです。

街の本屋さんがさらに失われてゆく中、
たとえばショッピングモールに併設された大手書店の本棚を見ると、
ネットの星の数が反映されたものになっているのに出会います。

それはそれで良いでしょう。

でも、やっぱそれだけじゃダメなんだよな〜〜〜
絵本。

こんな企画がちょっとでも心ある街の本屋さんの力になればいいなと。
震災なんていう事態から歩いてきた中で思い当たったのです。


絵本を送った先プランタンは、震災後に友人に紹介され、
これまで何度かワークショップを開催したりし、
ささやかだけど信頼関係を築いてこれたと思っています。

なにより、ここでの食事が美味しくて楽しくて、
そういったことこそこの店のボクへの信頼だったりします。

そんなプランタンは昨年メンバーに赤ちゃんが加わりました。

その成長と共に、
地域での子育て世代の心の拠り所になるであろうイメージのある場所でもあります。

被災地と呼ばれ過疎化も進む土地で、
豊かな表現の絵本があるからこそのささやかな親子の時間があること、
そこにボクは豊かな未来を想像しています。

ただ、こういったことが「ほどこし」で終わってはいけないなと。

ボクもこの文庫をプランタンと共に育てるつもりでいるし、
これからも唐桑のみなさんの友人でいられるよう、
ボクはボクの表現を真摯に重ねてゆかねばです。

そういった意味で「あすか文庫」はチャリティーではなく、
クリエイティブなアクションだと考えているのです。


プランタンの小山さんご一家は、
今回の文庫を恐縮されながらも喜んで受け取ってくださいました。

それをどうやってお客様に提供してゆくのか、
しっかり準備をした上で始めてゆくとのこと。

公開がきまりましたら、あらためてボクからもお伝えますね!

その前に行けたらいいな、唐桑のプランタン。

そしてなにより、ボクも高村さんに選んでいただける絵本を作るなくちゃだ!

天草市役所職員の名刺


天草市役所職員の名刺の裏に天草を巡って描いた絵100種類を添えました。

市役所職員からひとり2000円の賛同者を募りボクの天草の絵の入った名刺を作るという企画は、
天草出身の小山薫堂さんと天草市役所若手職員による小山薫堂ゼミN32のメンバーによるもの。

作画のための天草取材は2017年8月。
天草に触れ、その魅力を伝えるために、下書き無しのフリーハンドのドローイングを選び、
250枚を超えるスケッチを描き、市役所職員の投票で選ばれた100点が名刺になりました。

描いた絵は名刺というメディアに限らず、天草のみなさんの必要に答える可能性を探ってゆくとともに、
イラストレーションの新しい仕事あり方を考えるきっかけにもいしてゆきたいです。

以下、このプロジェクトについて小山薫堂さんのFBを引用しておきます。

市役所職員の名刺は基本的に自腹なんです!・・・と天草市役所の若手たちに聞き、一つの企画が閃きました。
職員それぞれが自主制作してしまうとデザインがバラバラで統一感に欠け、市のイメージもうまく伝わりません。
名刺は大切なブランディングツールです。 そこで天草市役所の若手有志の皆さんとチームを結成し、
市役所内で「みんなで一緒に名刺を作りましょう!」と呼びかけました。

もちろん支払いは自腹ですが、大量発注することで個々でお願いするよりもコストが抑えられます。
ただし初回のみ、一人あたり「印刷実費+2千円」をお支払いくださいとお願いしました。

名刺の裏側には、天草の風景画を入れます。
イラストレーターの小池アミイゴさんの素朴な鉛筆スケッチが、天草に流れる飾らない時間に似合うと思いました。
職員が追加で支払う2千円がアミイゴさんへの謝礼です。
50人の職員が賛同してくれればアミイゴさんに10万円の謝礼を支払えることになります。
「東京から天草までの往復交通費と宿泊費は僕がおごりますので、この仕組みで引き受けてくれませんか?」とアミイゴさんに頼んだところ、「たとえ賛同者が一人でもやりますよ!」という答え。
小池アミイゴ、男ばい!

アミイゴさんは数日間天草を巡り、天草のなんでもない普通の風景をおよそ250枚もスケッチしました。
そして天草市役所の賛同者は・・・予想を遥かに上回る240名!
全員の投票によって250作品を100作品に絞り込み、天草百景が描かれた名刺が完成しました。
小池アミイゴさんの天草への愛と、天草市役所職員の情熱によって完成した自腹の名刺は、コレクションしたいくらいに素敵な雰囲気に仕上がっています。
ぜひ、天草市役所の人に会ったら「名刺ちょうだい!」と言ってみてください。

そしてさらに、アミイゴさんのスケッチがあまりにも素敵だったので、簡単なスライドショーにして天草のPVを作ってみました。音楽は押尾コータローさんにご協力して頂きました。税金を一銭も使わずに制作した天草市のPR映像・・・良かったらご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=w_gargQwAB0

今回描いた絵のうち50点ほどを以下のリンクで紹介しています。
https://tis-home.com/amigos-koike/works/12561

5/29旅の絵はがき教室


旅の絵はがき教室 −線1本からストーリーを表現できるということ−

5月29日(火)小山薫堂さんのオフィスに併設されるカフェ、
ORANGE BRAINERYでオトナワークショップ開催です。
https://orangebrainery.com/contents/79

●日時:2018年5月29日(火)19:30〜21:30
●登壇:小池アミイゴ(イラストレーター)
●定員:20名
●会費:3,000円(税込)※画材費を含みます
●申込受付: https://postcard.peatix.com
●服装:汚れてもよいオシャレでご参加ください。

ORANGE BRAINERY
東京都港区麻布台1-11-10日総第22ビル1F
03-3560-3727

“アイデアのまちあわせ場所”と訳される場所で、
いつもの粗野なボクのワークショップも「旅の絵葉書を描く」と素敵に訳されています。

天草のひとり2000円名刺プロジェクトや、羽田空港での「旅する日本語」プロジェクトで
ご縁といただいている小山薫堂さんとそのスタッフ。
今の時代に絵をイラストレーションをどう語り売ってゆくのか、毎回とても良い刺激を受けています。

まあ、ボクのやることはいつもと変わらず、
絵を通して1人ひとりと気持ちの良くコミュニケートしてゆくだけっす。

「わたし、絵が描けないから〜、、」なんて方こそウエルカム。
五月病治療くらいの気持ちで参加されても良いかもですよ〜

ORANGE BRAINERYには安西水丸さん直筆の巨大4コマ漫画が2点展示されてますしね〜

楽しくやりましょ〜!!

5/19福島で畑ワークショップ <天候不良のため延期


!!こちらの企画は5月19日20日両日ともに雨の予報になってしまい、
夏に延期となりました。
詳細まとまり次第お伝えしますので、あらためてのご参加よろしくお願いいたします。

福島市でとても美味しいオーガニックな食堂を営んでいる「食堂ヒトト」のワルダクミ!
震災から7年、ボクに出来ることを探し続け、友を得て、ボクらしい企画が生まれました。
泥まみれ絵の具まみれになって、心も体も免疫力高めましょう!

大江ファーム×小池アミイゴ
こどもと畑のワークショップ

畑仕事で一汗かいて、とれたての野菜ランチを味わい、みんな絵を描くワークショップ。
親子で畑を楽しみ味わう、ヒトト念願の日帰り企画です。豊かな畑の景色の中へ親子でぜひ!

*5/19(土) ~雨天延期の場合5/20(日)
*大江ファーム
福島県喜多方市山都町三津合字上小阪5882-42
https://goo.gl/maps/arQAKXsZjhH2

*集合時間:9:00
*定員親子:10組
*参加費
親子(親御さん1人お子さま1人)5000円
追加の場合はお一人につき、大人3000円 お子さま2000円
*持ち物長靴、帽子、汚れてもいいおしゃれ

*お問い合わせ・お申し込み:食堂ヒトト
024-573-0245‬
‭hitoto.fukushima@gmail.co‬m

*現地集合になります。
行き方が心配な方はお気軽にご相談ください。
到着次第、駐車スペースにご案内します。


大江さんは力強い生命力あるおいしい野菜をいつもお店に届けてくれます。
そんな福島の誇れる農家さんがいることを知ってもらいたい。
子供たちにこそ本物の野菜の味を知ってほしい。
そんな思いでこの企画ははじまりました。

今回大江ファームとコラボして下さるのはフリーのイラストレーターの小池アミイゴさん!
以前アミイゴさんの子どものワークショップに参加したとき、のびのび絵を描く子どもたちの見る世界は、
自由で、美しくて、とても感動したのを覚えています。
単に絵を描くことにとどまらない大事なことを、子どもたちやアミイゴさんから教えてもらった気がしました。
いつか、福島の風土を感じながら、畑を舞台に子どもたちとアミイゴさんのワークショップが出来たらいいなと思っていて、
それが今回実現できることになりました。

野菜の種を蒔いてから実るまで、春夏秋の全3回を予定しています。
大江さんの畑仕事に触れながら、福島の豊かな自然を感じて、一つの物語を一緒に紡いでいきましょう。

☆お昼はとれたてのお野菜を使ったごはんをご用意します。

[スケジュール]
9:00-10:30 畑仕事(最初に大江さんアミイゴさん紹介)
10:30-11:00 休憩(お茶タイム)
11:00-12:00 畑仕事
12:00-13:30 お昼
13:30-15:00 誰でも絵が描けるワークショップ

【大江一男さんプロフィール】

福島県喜多方市山都町生まれ。
有機農業を始め37年。60種類もの有機野菜を育て、土を守り続ける。
自家製の発酵肥料を使い、微生物の力を借りて循環型農業に取り組んでいます。
イベントを地域の人、若い人と共に畑で企画するのが大好き。
3人の子供を育て上げ、今は奥様の久子さんと猫2匹(ウニとマロン)と一緒に暮らしています。

【小池アミイゴさんプロフィール】

群馬県生まれ。長澤節主催のセツモードセミナーで絵と生き方を学ぶ。
1988年よりフリーのイラストレーターとして活動。
2000年以降日本各地を巡り、地方発信のムーブメントをサポート。
震災をきっかけに、東北へも足を運びその土地に根ざした暮らしや風景を描いている。
より小さな場所で唄を手渡すようなLIVEイベントや絵のワークショップを重ねる。

今年の4月からアミイゴさんと小山薫堂さんのアートプロジェクト「旅する日本語」が羽田空港にて開催しています。
その中に、昨年冬に大江ファームを訪れたときの絵も飾っていただいてます。

85ヶ月め


今日は2011年3月11日から2,588日
369週5日
7年1ヶ月
85回めの11日です。

ちょっと報告が遅くなってしまいましたが、
peaceてぬぐい7刷りめが動いています。
https://www.facebook.com/peacetenugui/

これまで東日本大震災や熊本の震災の以降の現場をつないできたてぬぐい。

あれから7年の春の7刷りめでは、さらに一歩踏み込んだ発想を盛り込んでみました。

ひとつは、
震災以降懇意にさせてもらってきた塩釜で養殖漁を営む共栄丸水産さんの願い、
塩釜港から松島湾に至る海を万葉の歌人にも詠われた名前「千賀の浦」で呼ぶこと、
そのロマンチックな発想を後押ししたいと思いました。

やることはとてもシンプル。

てぬぐいに付けたポストカードに個人的な「海にまつわる幸せな思い出」を綴り、
共栄丸様付け”千賀の浦さん”宛に送ること。

peaceてぬぐいを管理運営してくださっているのは、
長崎県諫早市のオレンジスパイス

諫早湾の干拓事業で広範囲な海を失った町と、
東日本大震災の被害を受けた千賀の浦という海。

この2つの場所を一本のてぬぐいで結び、
それを頼りに1人ひとりの海の記憶が千賀の浦に注がれる。

この手紙を書くことには一切の見返りはありません。

ただ、このてぬぐいを手にし手紙を書く方の
人や海に対する想像力が働き続けてくれたらいいなと思います。

peaceてぬぐいに添えたポストカードの絵は、
1年間羽田空港でも見ることが出来ます。
http://www.yakuin-records.com/amigos/?p=13538

空の旅の直前で「あの絵は宮城県塩釜の”千賀の浦”って名前の美しい海だよ」
そんな会話が生まれたうれしいですし、
この絵がどんどん一人歩きし、千賀の浦にまつわる仕事をしてくれたら面白いなと、
これまでのイラストレーションのあり方を超えた発想を働かせてみるつもりです。

今回のpeaceてぬぐいにはもうひとつのストーリーを添えています。

気仙沼唐桑でプランタンという喫茶を営む一家に加わった
小さな仲間をめぐるささやかな日常の描写です。

「被災地」「被災者」というワードで語らなければならない事態は、
現在もどうしようもなく存在することです。

それでも「なんでも無い日々」を語ることは、
明日を確かに迎えるための力になるはず。

もしこれから「被災地」と呼ばれる土地に行かれる方がありましたら、
その視線の何割かは、
奇跡的にそこにある「なんでも無い日々」に注いでもらえたらいいなと思います。

プランタンさんには、
震災以降青山のHADEN BOOKS の林下さんとヴァイオリニストの金子飛鳥さんとボクとで続けてきた、
「本・つながる・未来」というプロジェクトの7年めの最初の一歩として、
絵本をお届けすることを進めています。

詳細はあらためてお伝えしますが、
小さな命の生まれた場所が、地域の子育て中の家族の拠点と育ってゆくことを想像し、
子どもたちが未来を生きてゆくための心の免疫力を高められるような、
豊かな物語を届けたいと思っています。

父が亡くなった後、いろいろやらなくちゃならないことがあって、
時間を見つけては群馬に行っています。

先日は父の入院していた病院へ医療費を払いに、
駅から伊勢崎市を流れる粕川に沿って歩いてゆきました。

季節が2歩3歩と進んだ土手にあがると、
菜の花の咲く粕川の風景に「おお」と声が漏れました。

全国的に有名な場所では無く、観光案内で語られることも無い、
なんでもない河原の風景がこれほど美しいものかと。

父をケアし、わずかだったけど共に過ごした時は、
ボクにこんな風景を見せてくれたんだと思いました。


粕川の河原では、関東地方では目にすることのなかった
白い花のタンポポに出会いました。

西日本に自生してきた日本の固有種のタンポポ。
気候の変化でこちらでも咲くようになんたんだろうか?

ただ、この花に気づくことが出来たのは、
去年の春に熊本で生まれて初めてこの白い花に出会えていたからこそ。

一昨年の熊本の震災発生以降、熊本での人との確かな出会いがあり、
その経験はボクの視線を熊本城にも、街を歩く足元にも届くものにしてくれました。

粕川を遡ってゆくと、父の生まれ育った、ボクも生まれ育った旧粕川村、
現在の前橋市粕川町にいたります。

粕川に沿って赤城山に向かい細長くなだらかに連なる町です。
春の暖かさに包まれた田舎の風景の中、
父の気配を感じられるであろう場所を走って回ってみました。

この季節のタンポポは、地面にへばりつくようにして花を咲かせているんだ。
そんな発見。

冷たく強い風の吹く冬の群馬で、
地面いっぱいに葉を広げて陽の光をなるべくたくさん浴びようとするタンポポ。

花の咲く季節もまだ頭を低くして風をやり過ごし、
しかし、周りに背の高い草が伸び始めると、
タンポポも花の茎を虫たちを呼び寄せるのに必要なだけ伸ばす。

そうしてその環境の必然に合わせてその立ち姿を変え、
しかし、綿毛を遠くに飛ばすその時が来たら、
一気にその茎を伸ばし綿毛を風の中に突き出す。

こんなことに心を奪われるのは、
3月11日以降の東北の各地を歩き出会った人から、
身をもって感じさせていただいたものがあるから。


そして今、
父の不在が見せてくれた故郷の風景は、
たとえば、あまりにも当たり前のはずの「田んぼの風景」は、
実は放っておいたら失われてしまう「棚田の風景」であったことに気づき、


2018年4月はもう2度と出会うことが無いんだってことに気づく。

美しい風景との出会いは、
人との出会いと別れがあってこそのボクです。

父の喪失を経験し、
あらためて2011年3月11日のこと、
12日のこと、
13日のこと、
14日のこと、
15日のこと、

そこを生きた1人ひとりのことを想像するも、
いまだに想像力が追いついていないことに気がつく、
あれから7年めの春のボクです。

ただ、今なにが必要とされているのか、
ボクであればなにを描けば良いのか、
7年の出会いと喪失の分だけ明快になっているボクでもあります。

自分が出来ることを、
それを必要とする顔の見える1人へ。

そんな基本をもって生きて行こうと、
あらためて心に念じた2018年春。

もっと絵を描きてー!!

です。