‘イラストレーション’ カテゴリーのアーカイブ

156ヶ月め

2024 年 3 月 10 日 日曜日


今日は2011年3月11日から4,749日
678週と3日
13年め
156回めの11日です。

先日、渋谷区うちの近所のパン屋のカフェに居合わせた仙台在住の方と話し込むことがありました。

震災直後から東北に行くようになったこと。
そんな中で、まだ小さかった息子に初めて寿司を食わせたのが仙台だったこと。
その際、お店の常連さんにとても良くしてもらったことなどなど。

共通の知人の名前も数名上がり、話は絵本「うーこのてがみ」について。

この絵本は、アートプロジェクト「鮫ヶ浦 水曜日郵便局」と連携し創作したこと。

プロジェクトの舞台は津波被害の大きかった宮城県東松島市の宮戸島であり、
絵本を制作する際に取材に行ったこと。

うーこのモデルは、宮戸島と松島湾の挟んだ対岸の塩釜で、
わかめの生産をされているご家族の長女であること。

彼女とは震災から1年10ヶ月後の塩釜港の復興市場で出会ったこと。
その際に白詰草を描いたポストカードを手渡したこと。

家に帰って間もなく、彼女から手紙が届いたんだけど、
そこには彼女の白詰草にまつわるパーソナルな思い出と、
震災直後ご主人の仕事場である松島湾の海から見上げた空に、
カモメが何事も無いよう飛んでいる姿に希望を感じた話が書かれていて、
自分はそこで「被災」と「復興」の意味を自分なりに言語化出来たこと。

自分はすぐに塩釜に行き、彼女に会って、
「ご主人さんの仕事場見てくるね!」と松島湾へ。
そこで見たカモメの姿を描いた絵がきっかけで、

「とうだい」という絵本の作画担当が決まり、
熊本でのアートプロジェクト「赤崎水曜日郵便局」の書籍の表紙を担当し、
そのプロジェクトの母体である「つなぎ美術館」での展覧会、
さらには「鮫ヶ浦水曜日郵便局」に紐ついた「うーこのてがみ」の制作に繋がったこと。

「うーこのてがみ」はうーこが友人との手紙のやりとりを重ねることで、
今自分が生きている場所の魅力に気がつくというファンタジー。
ボクは彼女から手渡され『人ひとりが生きるに必要な大切なこと』を
リアリズムを持ってこの物語にこめています。

さらに、同じ絵柄で塩釜の市場の壁画も作成したこと。

しかし、その壁画も「うーこのてがみ」も、彼女には見てもらえなかったこと。

震災直後から家族の力になろうと奮闘してきた彼女は、
ボクに家族が営む海産物のブランディングの仕事を投げてくれたり、
塩釜でのボクの展覧会も計画してくれていたんだけど、

頑張りすぎたんだろう、
2018年夏に急逝されてしまった。

こんなお話を初めて会った人に夢中になって語っているのは、
2024年3月11日の自分は、昨夏能登で出会った人たちと会う約束をしているからだろう。

2011年3月11日以降に出会ったことは、
自分に多くのことを与えてくれた。

それをどのようの形で次に手渡してゆくのか。

あらためて見つめ直す、
あれから13年の11日です。

155ヶ月め

2024 年 2 月 11 日 日曜日


今日は2011年3月11日から4,720日
674週2日
12年11ヶ月
155回目の11日です。

2024年2月11日は大分県別府の鉄輪で壁画制作を行っています。

そんなわけで、このブログは後日書いているのですが、
11日から14日までの作業で、知人が新たにオープンするお店の壁に菜の花を描きました。


ボクよりちょっと先輩の和田さんは、
東日本大震災をきっかけに職を失うも、
その人柄が引き寄せる「出来る」仲間たちの助言を受け、
築地で「おかみ丼々 和田」というお店を始めました。
2012年、和田さんが60歳の時です。

うどん屋での修行で身につけた自慢のお出汁で作るどんぶりメシの店は、
お客様のニーズに応え、良い酒と美味いおばんざいの楽しめる店へと成長。
熱烈なファンを獲得することになります。

しかし、コロナによるパンデミックで足踏み。
やはり多くのお客様の力で持ち堪えるも、
ご自身の人生を考え、2年前に鉄輪へ移住。

この2年間に彼女を慕い鉄輪を訪れる方が急増。
地域の方にも慕われ、協力も得て、
72歳になった今、この地域の新たな拠点として店を、
古い建物をリノベーションし作ることになりました。

築地時代はボクの展覧会によく足を運んでくださり、絵を購入してくれたり、
ボクの友人で、東北での被災から再建した生産者さんと繋がってくれたり。

そんなご縁に対して「店が出来たら絵を描きに行きますよ!」と約束。

さらに、大分に移住した作家で大工仕事もする友人を紹介。

ざっとこんな理由でボクは鉄輪で菜の花の絵を描いているのです。

大国入った友人とは、
東京で大分で、ライブイベントや展覧会などなど、
自分たちが本当に美しいと思える場所作りをしてきました。

東日本大震災の余震で街がグラついていた2011年4月には、
まさに花の絵の展覧会を一緒に作っていたなあ〜。

そんな彼との久々のコラボは、とても嬉しくとても緊張感のあるものです。

また、ボクは和田さんに請われてここに来たのですが、
だからって自分勝手な絵を描くわけにはいかず、
ともかく、関わるみんなとコミュニケーションをとって、
関わるみんなのベストとなるものを作らねばです。

そのために、鉄輪の街を歩き回って、ここがどんな場所なのか、
ここに足を運ぶ人が求めるものがなんであるのかをキャッチ。

そしてまた関わるみんなとの会話。
そこから感じる熱を頼りに答えらしき方に向かって筆を動かしてゆきました。

この作業の背景には「今後能登をどう描けばいいのか?」というエクスキューズが、
渦巻いていたはずです。

2011年3月11日から続けてきたことは、ひたすら考え続けるってことなんだろうか。
いつも同じところをグルグル回っているだけで、
しかし、その時々で出会う人や空の色、道端に咲いてる花なんてものが、
まだまだ考え続けないといけないぜ!と語ってくれて、
そうだね、しょうがねえ、まだまだグルグル考え続けるしかねえな。
と。

和田さんが新たに生きる場所で、
自分のこれからをグルグルと考えることの出来た創作の美しき時間。
ありがとうございました。

店が出来るの、楽しみ!

 

154ヶ月め_能登へ

2024 年 1 月 11 日 木曜日


今日は2011年3月11日から4,689日
12年10ヶ月
154回目の11日です。

1月1日に発生した能登半島地震。
今日11日の段階で、213名の方が犠牲になり、
まだ安否がわからない方も多数おられるとのこと。

これ以上被害が広がらないことを願うばかりであります。

能登は昨年7月にご縁をいただき、
その際にお世話になった方が現地から情報発信して下さっています。

ただただ厳しい現地の状況に触れ、
災害救助の能力を持たぬ自分の無力を知るばかり。

ほんとみなさん、どうかご無事であってください。

自分で出来ることとして、
東日本大震災の時のアクションを踏襲し、
能登で地震のあった夜、義援活動に使えるデザインの配布を始めています。
https://yakuin-records.com/amigos/?p=15978
↑リンク先の画像やこちら↓の画像は自由にお使いください。


また、
この画像を使ったポストカードを印刷し、
SNSで募った希望者に配布しました。

現在在庫が少なくなってしまっていますが、
もしご希望あれば増刷し送りますので、ご遠慮なくお申し付けくださいませ。
(これらの活動はすべて無償で行っております。)

元旦の16時台に発生した地震なので、
日本の多くの家庭で、普段テレビを見ない人がこの悲劇を目の当たりにしたのが、
東日本大震災以来の状況ではないかと想像します。

仕事で日本各地を巡って気がつくのは、
日本で暮らすほとんどの方は心優しき人であること。

そんな方の想像力を揺すぶらせてしまうのも、
自然災害の恐ろしさと考えます。

東日本を振り返れば、
当時は1年で3万人を超える人が自殺していた時代でした。

日本に暮らす多くの方が生きづらさを感じていたところに、
多くの人命が失われてしまう事態が起きた。
さらには、生活が破壊される事故が起きた。

自分は被災されその瞬間困難に直面されている人と共に、
この瞬間こころを痛めた被災と対岸にある人のことも想像しました。

多くの人が悲惨な映像に接し心をフリーズさせていることは想像出来ます。
そんな1人が小さなアクションを起こすことで、心を1mでも動かすことの重要さを直感し、
誰でも使える日本列島の絵を描いて、3月11日の夜にネットでシェアしました。


今回も同様のアクションを行ってみると、
やはり東日本の時と同じくらいのリアクションを頂き、
能登半島地震に多くの方が心痛めておられることが実感出来ました。

自分のこれまでの経験では、
被災に対して人ひとりが役に立てるフェーズは必ずやってきます。

それが何年後になろうとも、
今困難な状況に置かれている人に対する想像力を失わない限り、
力を必要とされる場面は訪れます。

メディアから伝わる義援活動は、個人の能力を遥かに超えた数字で伝えられたりします。
「〇〇さんが数千万円の寄付を行った」みたいなことですね。

それは素晴らしいことですが、善良な1人がそうした情報に潰される必要は無く、
1人の人間として想像力が途切れぬ分母の小さな働きを考えることも、
困難な状況にある方を助ける力になると信じてもらえたらいいな〜

日本に暮らす心優しき誰か1人が、
今困難に直面している誰か1人の笑顔を作れたら、
それはものすごく大きな力に育ちます。

今は復興では無く、救助と復旧の段階ですが、
いつか復興の段階に入った時、
1人に生まれた笑顔が、そのまわりの人を助ける力になる。

そんな想像を被災の対岸で育てることは、
たとえば、今多くの場所で起きている義援活動の現場に、
風通しの良い会話が生まれることで確かなものになるはずです。

1月2日には近所の仲間のコーヒー屋リトルナップコーヒースタンドが、
正月休みを返上した募金活動を、ボクの絵使って始めました。

自分も駆けつけてみると、
ちょっと驚くくらいのお金が集まっている。
のだが、
それ以上に後から後から駆けつける人たちが無言で募金し、
しかし、その後はみなさん語り合っている。

この意語り合っている風景こそ力だなと。

募金の送り先は北陸出身の店主に安心してお任せ出来ます。
そして、もしこの街で災害が起きた際は、
そこに助け合って生きようとする仲間を想像することが出来るのが、
このような活動の意義のひとつです。

自分の活動を振り返れば、
今から31年前の3月に実家を焼失したところから始まっています。

東京から群馬の実家に駆けつけると、
近所の名もなき人々が余計なことを口にせずただ家族を助けてくれている。

義援とは人が生きるに必要な空気や水を無言で分け合うようなことだ。

その時の実感が、阪神淡路の無力感、
初めてボランティアに参加した中越地震、
実際に自分も被災した福岡東方沖地震、
自分に守るべき子供が出来た直後の東日本を経験し、
自分の当たり前に育ってきて、今があります。

残念ながらXのようなSNS上では、言葉の殴り合いが始まってしまっているのは、
東日本の直後と似ています。

ただ、当時Twitterで語られたことは、
被災エリアで苦しんでいる人が見ることは無く、
(そもそもじーちゃんばーちゃんまだスマホ持っていなかった)
なんとういうか、持論に対する承認欲求が渦巻いていただけのように思えました。

今回の地震では、能登の方が情報に対しての予防線を張っている印象です。

被災の対岸にあると認識されている方におかれましても、
情報の接し方に気をつけて、大切なことは信頼おける人と確認し合い、
心の平穏と被災者への想像力を維持されることが、
災害との戦い方のひとつのように思うのです。


あらためて、
昨年の夏の始まりに歩いた能登の里山の美しさを思うと、
心締め付けられるばかりの今です。

失われたものは取り返しようが無く、
またこれからも多くのものが失われてしまうはずです。

それでもそこに救いを見出すのが人であることは、
東日本でボクが学んできたことです。

災害救助に従事されておられる方のご健闘と、
困難に向き合う皆様の安全を心よりお祈り申し上げます。

 

 

 

 

能登半島地震

2024 年 1 月 1 日 月曜日


余震と津波、ともかく身を守って。
落ち着いた行動をされてください。
ニセ情報に振り回されぬよう、
正しい情報を見極め役立ててください。
自分として何が出来るか考え続けます。

画像はご自由にお使いください。


昨晩より被災の状況が見えてきたので、
絵に添えるテキストを更新しました。

昨晩から今日にかけて「絵を使わせてください」の問い合わせが増えてますが、
これに関しては自分への確認は必要ありませんので、ご自由にお使いくださいませ。

「上毛芸術線」の作品について。

2023 年 10 月 20 日 金曜日

こんにちは、小池アミイゴです。

これは2023年10月21日~11月12で開催の「上毛芸術線」への出品作品の解説ページです。

ボクは10月21日と23日に設営をしながら情報をアップしてゆきますので、
何度も訪れてみてくださいね。

とりあえず2009年に描いた赤城山の絵については、
こちら↓のリンクをご覧くださいませ。
http://amigos.yakuin-records.com/?eid=779950


2023年10月21日10時30分
粕川駅での設営が終わりました。

ここでのコンセプトは
『公共の場所に無造作に貼られたチラシやポスターとの愛に溢れたコラボレーション』

設営に入る前はこんな状況でした。

「困ったな」と思うも、
『誰かが貼った』ということを尊重して考えてみると、
一枚一枚のポスターやチラシも愛しく思えました。

設営を見守って下さった担当の方が、
「不思議ねぇ〜、絵も浮き出て見えるんだけど、チラシが真っ直ぐ綺麗に見える」
なんて言ってくれましたが、心の中で大きくガッツポーズ。

そう語るアナタこそ、絵の前で美しく見える。

そんな場所であればいいなと考えています。

しかし、粕川駅。
駅前の家が根こそぎ失われているなあ〜。

今回展示した花の絵のうちオクラと茄子は、
9月にここを下見した際に、駅からの道の脇の畑で咲いていたもの。

2018年春に亡くなった父が遺した家を2021年に売ってしまい、
父方の実家も母方の実家も失われている今、
こうして道端に咲く花の姿に、
たとえば自分によくしてくれた婆ちゃんの面影を見たりします。

この赤城山を望む風景の絵は、
今年の9月半ばに粕川駅を下見する際、上毛電鉄の樋越駅手前の車窓からの風景。

見る場所によって姿を変えて見せる赤城山ですが、
粕川の新屋駅近くで育ったボクにとっては、この形の赤城山が1番愛しいもの。

ボクが風景や花の絵を描く理由のひとつは、
子供の頃に身の回りにあった美しき風景が、
ある時を境に急激に失われていったことへの憐憫の情からだと思っています。

高度経済成長の波はボクが子供だった頃の赤城山南麓にも押し寄せ、
いつも遊んでいた川がある日に濁り、魚の死骸が浮かび腐臭を立てて、、
養蚕業と米作で潤うっていた土地のデザインが、なんだかスクエアのものに変わって行き、
ある日大地を覆っていた桑の木が根こそぎ引き抜かれ。

そうしたことは仕方ないことなんだと思いながらも、
子供心は傷ついていたんだってことを、
子供の頃のの春の日から何十年かが経った3月11日に思い知ったのです。

それでも、子供の頃に身体にと心に染み込ませた「美しきもの」は、
変わってしまった風景の中から美しき何かを見つける力になり、
2023年9月の車窓の向こうに見える雲の多い空と赤城山と実り始めた田んぼに、
息を呑むほどの美しさを感じたボクです。

*その他の作品に関しても後ほど語ってみます。

そして中央前橋駅。

2023年10月21日14時ではこんな展示。

これに、22日の前橋の街中で開際される「前橋コーヒーフェスティバル」での、
“誰でも絵が描けるワークショップ”3セットで生まれた参加者の作品を、
23日の昼前にレイアウトして完成させます。

自分の作品と前橋の方々とのコラボは、
誰でもアーティストであるばいいなと願う、ボクの理想の展示になるはずです。

展示終了後のレポートは後ほど。

というわけで、
設営が終わりました!


ああ、なんかとても誇らしいです。

「普段絵を描いていない」
もしくは、
「わたし、絵が描けないから〜」
なんて語る人とのワークショップで生まれた、
「一本の線で表現する楽しかった前橋の思い出」という作品群。

そのとびきり新鮮な表現と自分の作品、
なんなら「寄贈」されていた何方か様の切り絵の作品群とのコラボ。

子供の頃、夢の街だったキラキラした前橋。

しかし、今回前橋市上最もキラキラした場所を創れたんじゃないか?

ギラギラでは無くキラキラ。

それは、1人ひとりが表現することを恐れることなく、
1人ひとりのサイズでいられる街。

ボクが理想とする美しき街の姿を、
ボクのワークショップでみんな気持ちよく手を振り切った絵で表現。

ああ、ほんと、全部愛しい。

そして、子供たちの持っている力がストレートに表現された7メートルの絵。

泥沼のような制作現場で生まれたものを、
上毛電鉄のフォームにレイアウトしてみたら、

うわ、かっこいい!!

すごくワイルドで、すごくセクシー。

これは前橋で初めての試みとなる
「前橋コーヒーマーケット」という新鮮な現場だからこそ生まれたものだと、
俺は思うぜ。


自分はこんな風景を求めて、20年くらいこんなことを重ねてきて、
やっとひとつの風景に出会えた。

それは、随分と泥沼に沈み込んだように見えてしまっていた前橋の街を、
「ちょっとでも良いもの変えて行こう」という意思が集まり始めたこの数年の、
ひとつのチャレンジの場所「前橋コーヒーマーケット」で、
「ちょっとでも前橋を良いもに変えたい」人々に見守られた子どもたちと自分が生んだ、
きっとオトナたちの合わせ鏡のような絵。

中央前橋に展開する作品群は、
決してボクの力だけで生まれたものでは無く、
前橋を愛する人たちのマインドがドリップされたようなものだと信じ、
ぜひ誇らしく思っちゃってくださいね〜!

うん、前橋かなりサイコー!

個々の作品に関する解説は、
しばらくちゃんと眠れてないので、また後ほど〜

「前橋コーヒーマーケット」と「上毛芸術線」参加

2023 年 10 月 19 日 木曜日

10月21日から11月12日まで開催の、
群馬県の前橋と桐生を結ぶ鉄道”上毛電鉄”を舞台とする芸術祭
「上毛芸術線」
企画詳細 >https://jogei.jp
ご縁をいただき中央前橋駅と粕川駅の駅舎やホームに作品を展示します。
ボクのコンセプトは

「公共施設に美意識無く無造作に貼られているポスターやフライヤーにボクの絵を混ぜ込んで再レイアウトし、美しく愛に溢れたものにする作戦」

 

粕川駅は自分の地元ってこともあり、風景と花の絵を投下。
(掲載した風景画は、上毛電鉄の樋越駅近くから望んだ赤城山)

中央前橋駅では、
22日に前橋で開催される”前橋コーヒーマーケット2023″で開催のワークショップで生まれた絵と自分の絵を混ぜこぜにして投下してみます。
まずは21日に基本となる自分の作品を設営に向かいますので、

自分の作品完成は22日のWS後、23日のお昼頃になりますが、みなさんぜひ途中下車&HAPPYをよろしくです。

そして「前橋コーヒーマーケット」


初開催となるイベントのキービジュアルを担当。
絵を描くワークショップも開催します。

~ where good coffee grow ~
前橋コーヒーマーケット
⽇時:2023年10⽉22⽇(⽇) 10:00-16:00 ⼊場無料
場所:前橋中央イベント広場
住所:群馬県前橋市千代田町2-8-21

詳細は 前橋コーヒーマーケットのインスタ で〜

小池アミイゴの誰でも絵が描けるワークショップ

【オトナ向け】11時~12時「一本の線を引けたら、今日からイラストレーター編」¥800

【子ども向け】13時~15時「まえばしの、ちょっといいとこ教えて編」¥800


【オトナ向け】15時~ゆるゆる「絵の具遊びフリースタイル編」¥800

参加申し込みは以下のリンクの↓フォームよりお願いします。

*汚れてもOKなおしゃれで参加ください。
*ワークショップで生まれた作品は上記の「上毛芸術線」中央前橋駅会場に展示します。

151ヶ月め「ハルカストリングス」

2023 年 10 月 11 日 水曜日


今日は2011年3月11日から4,597日
656週5日
12年7ヶ月
151回目の11日です。

この日にハルカストリングのアルバム「風の中の夢」が発表されました。

2017年、突然「アルバムのジャケットを描いてください」とメッセージをくれたシンガーのエリ・リャオさん。

アルバムに収録された数曲を聞いて、すぐに「描くよ!」と返信。

台湾でタイヤル人として生まれ、
幼少期に日本に移り住み、
アメリカでジャズを歌い、
日本に戻ってからは自身のルーツを探るようにEri Liao を唄う。

彼女の歌と並走するギーターのファルコンが創り上げるサウンドがまた新鮮で、
この音楽に並走させる絵を考えるのは、楽しかったな〜。

一般にはまだ無名の彼らは、自分の中では日本のトップランナーのひと組みである以上に、
世界への扉を開けてくれたような存在なんです。

そんな彼らが、震災後数年に渡り表現の場を共にしたヴァイオリニストの金子飛鳥さん(当時の表記で、今は”マレー飛鳥”)の、
飛鳥ストリングスと組んで「Songs&Strings」名義でライブをやり始めたのは、自分にとって大きな事件でした。

そして今回「このメンバーでアルバムを作ったので、またアルバムジャケット作ってください」と、
今度はファルコンからのオファー。

もちろんやるぜ!と。

ただ、
「Songs&Strings」というユニット名とサウンドが合ってないんじゃないか?
とか、
ファルコンから投げてもらったアルバムのビジュアルイメージの「青い空や海」はなんか違うぞ、、
とか、
アーティス写真の立ち位置変だぞ!
とか、

↑ の写真は自分の意見が反映されたもの。
「Songs&Strings」はファルコンと何度もアイデア投げ合って「ハルカストリングス」を絞り出した。

ともかくめんどくせえことを伝えながら、
ビジュアルのコアなイメージを探ってゆきました。

ファルコンからは長文のメールで、曲が生まれた背景が語られた文章をもらって、
そこには、コロナ前、コロナ中、ウクライナ戦争に思うことなどが綴られていて、
これは益々「青い空や海が見えなくなったなあ」と。

その頃同時に進めていた福島県飯舘村取材の際、
震災と原発事故で人の姿が失われた状態から回復の途上にある村で、
丘の上に友人に立ってもらって描いた絵をベースに、
サウンドのイメージとなるデジタルパターンを載せることを思いつきました。

10月のアルバム発表前にデジタルシングル2曲をリリースするということで、
同じ絵をベースに、2種類のパターンを載せて発表することを提案。

ここでもうギャラは使い果たしているのだけど、
ともかくこの音楽をこれを必要とする人に美しく手渡したい!
そんな気持ちのみで、この夏はずっとハルカストリングスに向き合っていました。

劇的なストリングスアレンジの上に大らかな歌が流れるこの曲には、
テクノ的なエッジとミニマル感をケミカルな色彩で表現。
大切にしたい風景の儚さを演出しました。


ミニマルなストリングのリズムで始まる「夏の雨」は、
ある夏の日と地続きである春や秋、冬の記憶を、引いた視線で表現しました。

そしてアルバムは、

希望のイメージの白い鳥と、不穏な時代を象徴する戦闘機の姿を掛け合わせたパターンを、
向かい風の画面に飛ばしてみました。

ほんと色んなパターンを考えた今回、
こんな不穏な提案もしてみました。

もしくは、アジア的な祝祭感を演出してみたり。

多言語シンガーであるエリ・リャオさんの魅力を前面に出すアイデアとか。

回り道は大変だったけど、
彼らの音楽を目で見えるものとして表現することは楽しいことであり、
また、震災後続けてきたことの、よりシェアしやすいビジュアル化という側面もあり、
この仕事をやることに確かな必然を感じられたことに、大きな喜びを感じています。

なのでみなさん、
ぜひ聞いてください。

2011年3月のあの日から12年7ヶ月、
このアルバムと夏に福島市で展覧会を開際したとこは、
ボクの創作を次の10年に押し出すための力になってくれるはずであり、
そんな自分が周りを見渡した時、この音楽と共に並走する人の姿が見えたら、
それは勇気であります。

ハルカストリングス1st album”風の中の夢”
本日10/11リリース!

サブスク配信
CD通販
Disk Union
10/20金 CD発売ライブ青山『月見ル君想フ』

 

展覧会「ハルカラ」会津巡回

2023 年 9 月 2 日 土曜日


福島市の飯舘電力のギャラリーオフグリッドでの展覧会「ハルカラ」は、
昨日無事に会期を終えました。

暑い中お運び下さった皆様、ありがとうございました。
そして展覧会は会津へ!
オフグリッドの作品と食堂ヒトトで展示の絵本の原画を3箇所、
福島会津の良心と呼びたい場所にに分けて展示します。
「ハルカラ_」小池アミイゴ 展覧会
飯舘・喜多方、春から秋へと巡った絵による記録。
at“カフェ天空回廊”
・9/8(金)〜10/23(月)
・10:00〜15:00
*定休日_火・水・木
*臨時休業:9/16(土)
〒966-0861 福島県喜多方市字寺町4761
大和川酒蔵北方風土館 天空回廊2階 カフェ天空回廊
昨年9月の飯舘村~喜多方の取材旅から春、夏と描いてきた福島の風景や花の絵を展示します。

「ハルカラ」小池アミイゴ 花の絵展  at“紺と種”
・食堂 9/14(木)〜10/23(月)
・蔵gallery 9/14(木)〜17(日)
・11:00〜17:00
*定休日_火・水
〒965-0042 福島県会津若松市大町1丁目3−19
TEL 0242-93-5820
日常なにげなくめにする花に思いを寄せた絵を展示すます。
作品にちなんだ期間限定のスイーツや、ワークショップの開催も予定しています。

「ハルカラ」絵本の原画展
“食堂つきとおひさま”
・9/7(木)〜10/23(月)_(休_火・水)
・11:00〜18:00
*定休日_火・水
※10/9(月祝)は都合によりお休み
〒966-0871 福島県喜多方市字寺町南5006番地
TEL 0241-23-5188
Mail info@tukitoohisama.com
福島の風景にインスパイアされた絵本「はるのひ」の原画を中心に、花の絵なども添えて展示します。
期間限定で作品にちなんだごはんとおやつが登場。ワークショップも開際予定です。
アップした絵は喜多方の秋の景色。
大和川酒造の佐藤彌右衛門さんにご案内いただいた「豊かな会津」に圧倒され、車からぼ〜っ眺めた琴平山。
自分の絵のメンターである長沢節出身の会津は光が綺麗で、自分の筆がまったく追いつかず、、
2枚めは只見の花の絵。
自分の会津は2016年の奥会津取材から始まりました。
山深い町只見の光が強烈に美しくて、なんでも無い路肩の花も特別なものに見えました。3枚めは絵本「はるのひ」から。
自分の生まれ故郷の群馬の風景をベースに、大分や台湾での経験を生きた絵の世界ですが、
子どもワークショップを続けた奥会津エリアの柳津町や昭和村の、ローカルなスケール感や、
季節ごとの色彩や光からも大きな影響を得ています。

特に喜多方の大江ファームでワークショップをさせて頂いた時の経験は、
「はるのひ」のいくつかの重要な場面に反映されています。

ご縁をいただいてまだ7年ほどの福島の会津ですが、
ボクの人生をとても豊かな色で塗り直してくれた場所へ、
今回ちょっとだけお礼を伝えるチャンスを頂きました。

149ヶ月め

2023 年 8 月 10 日 木曜日


今日は2011年3月11日から4,536日
648週
12年5ヶ月後
149回目の11日です。

10日に東京から福島市に移動し、
11日の今日は現在会開催中展覧会「ハルカラ_」でワークショップとトークショーです。

ギャラリー・オフグリッドでの展覧会や企画の詳細はこちらでご確認くださいませ。
> http://www.iipower.jp/index.html

2011年3月11日の夜、
「これは10年、20年とかかることだ」と直感し、
震災は原発事故で困難な立場に置かれた人たちに対して、
先回りした発言や行動はせず、ただただ気持ちを寄り添わそうしたら、
「あの日から」12年5ヶ月めの日に、
福島市の再生可能エネルギーの電力会社のギャラリーで、
ただただ描いてきた東北の風景や花の絵の展覧会会場にいる自分です。

そんな極個人的な物語が東京のような場所ではまったく「ウケなく」なっている、
「今」というものを認めざるを得ない、あれから12年5ヶ月でもあります。

あらためて「興味無くなったんだ」と寂しく思うも、
でも、ほんと、まだまだやれること、出来てないことばかりなので、
やるしか無いんよね。。

東北や福島に限らず、
生きている限り良き出会いから受け取る美しきものはただただ儚く、
その一瞬の輝きに触れることは、ただただ豊かなことなんだよ。

が、それを表現しようとすると、
言葉でも絵でも難しい、

しょうがねえ、やっぱ続けるしかないか〜。。

冒頭にアップした絵は、
この展覧会を作るに当たって、去年9月に初めて飯舘村に行った帰り、
喜多方に移動する道で見た夕空。

飯舘の美しさを見つけようとして、しかし、その道中の風景に心を奪われる。

そうした揺れや誤差の中に、人というものを考え始めている12年と5ヶ月後の自分です。


今回も生き物のような展示空間にしたギャラリー・オフグリッドですが、
7月25日の設営の際に忘れてきたり間に合わなかった作品を持ってきました。


これは初日から展示している飯舘村比曽の田神社3月の風景。

展覧会に足を運んで下さった飯舘村の農家さんが、
絵を見ながら飯舘での農業や生活、どんな花が咲くとかどんな祭りがあるなんて話をしてくれました。

なんちゃーなくとも「描きたい」という気持ちの込められた絵の前で、
人はこれだけ穏やかに、豊かに語ってくれるんだな〜。

2011年3月11日以前の東日本を知らぬ自分は、
そうしたお話の中から、これから生きるのに必要なことを見つけ、
出来れば美しい絵を描きたいと思っています。

震災後、東京などで繰り返し出会って来た1枚の絵の前での語らい。
12ねん5ヶ月後の福島でやっと一歩です。

で、今回描いたのは同じく飯舘村比曽の田神社7月の風景。

飯舘電力のソーラーパネルが、自然や人の生活と美しく調和して設置されている村も、
福島第一原子力発電所の事故被害から、なんとか次のフェーズに移る、そんなタイミングに見えます。

が、そんな村の植物の勢いに負け、絵が甘くなっているなあ〜、俺。
どうしたらこの緑の力強さを表現出来るのだろう。

2023年8月11日のワークショップやトークショー、
自分にとっても次に向かう力にしたいです。

 

 

 

148ヶ月め_福島市で展覧会開催

2023 年 7 月 11 日 火曜日


今日は2011年3月11日から4,505日
643週4日
12年4ヶ月
148回めの11日です。

福島市にあるギャラリー “GOG” で展覧会を開催します。

「ハルカラ」 小池アミイゴ個展
飯舘、福島、東日本 ただただ描いた展覧会
at GOG
2023年7月26日(水) – 9月1日(金) _休/土日祝日
open 10:00 – 17:00
GOG (ギャラリーオフグリッド)
〒906-8042 福島市荒町4-7 県庁南再エネビル3F
Googleマップ> https://goo.gl/maps/KxoN5vmqU5A7vgFo6

展覧会特設ページ> 展覧会詳細

震災後に興された再生可能エネルギーの電力会社 “飯舘電力” が有するギャラリー、
ギャラリー・オフグリッド での個展です。

ボクを5年連続で奥会津エリアの子どもたちとのアートセッションに導いてくれた、
福島県立博物館のワルダクミキュレーターチームが繋いでくれた企画。

昨年より飯舘村の取材を重ね、
同村の震災と原発事故の被害から復興を目指す姿を知ると共に、
飯舘電力の取り組みの理解を深めてまいりました。

しかし、知れば知るほど無力感を感じるのは、
震災直後から始めた東北のフィールドワークを通しての実感。

それでも自分は絵を描く仕事をしていて、
その経験から出会える「美しきもの」を
ただただ描くだけだろうなと。

実はこれまでで一番頭を悩ませたかもしれませんが、
ある瞬間から悩んでる自分そのままを描いてみようと思えたことで、
なんとか展覧会を実現させられそうです。

他愛も無い絵の展覧会ですが、
1枚の絵があるからこそ生まれる会話というものを信じ、
美しい空間を整えお待ちしております。

が!!!
ギャラリーが開いてるのが月~金の10時~17時だって!?

ですよね〜

夏休みと言えどそりゃ無いぜ!

ということで、
*8月12日(土)と13日(日)は特別オープンしアミイゴ在廊予定です。
普段仕事で来られない方はこのチャンスにぜひ。

以下今決まっている企画。

【イラストレーター小池アミイゴの夏休みびじゅつクラブ】
・7月26日(水)〜7月28日(金)13:00〜17:00
※7月27日(木)15:00〜16:00はお休み
・参加費・予約_不要
ギャラリーが「夏休みの居場所」になればいいな企画です。

【小池アミイゴの誰でも絵が描けるワークショップ】
福島の飯舘村のデカい段ボールジオラマをシアワセ色に塗っちゃいましょうセッション。
◎日 時:8月11日(金)13:30〜15:00
◎対 象:小さなお子さんからじーちゃんばーちゃんまで。
◎申込不要・参加費無料 汚れてもOKなオシャレでご参加ください。

【トークセッション】酒とメシとサスティナ・ブルー
◎日 時:8月11日(金)17:00〜18:00
◎申込不要・参加費無料
◎お話する人
・小池アミイゴさん(イラストレーター)
・佐藤彌右衛門さん(会津電力顧問・大和川酒造9代目)
・会津若松で食の仕事をされている夢実さんも参加してくれます。

企画は詳細ページにさらに詳しく書かれています。
展覧会詳細

そしてやはり7月26日から食堂ヒトト
絵本「はるのひ」の原画展を開催。

自著「はるのひ」で描いた風景は、福島で見た田園の風景も引用しています。

冒頭にアップした絵は、福島県南相馬郡飯舘村の”飯舘復興三千本桜“の風景。

震災前より、地元のご夫婦が植え始めた桜が、
今やこの村の、てか福島の復興のシンボルのようにして春に咲き乱れます。

人の力、すげー!

自分の絵は、さてどうなんだろう?
これからも悩み続け、しかし描き続けたいです。