‘SOUL’ カテゴリーのアーカイブ

82ヶ月め

2018 年 1 月 11 日 木曜日


今日は2011年3月11日から2,498日め
6年10ヶ月
82回目の11日です。

1月19日に福島市でオーガニックベースの食堂を営む「ヒトト」と
オトナに向けたワークショップを開催したり、花の絵の展示でご一緒させてもらいます。

ヒトト×小池アミイゴ 「春待ち人と」

ヒトトの大橋さんより、大江ファームでの子どもワークショップのアイデアを頂きました。
その前に福島のみなさんにボクを知っていただき、子どもと一緒に絵を描くことの意義を
共有しておけたらいいなと、今回のヒトトでの企画を考えてみました。

「だれでも絵が描けるワークショップ」
1月19日(金) 18:30受付開始 / 19:00スタート

表現の最初の一歩の幸せな記憶が楽しく蘇る絵の時間。
「わたし絵が描けないから」という人こそウエルカムです。

参加費:1000円/1drink付き
画材等こちらで用意いたします。
汚れても良いオシャレでご参加ください。

小池アミイゴの花の絵とヒトトの出会い
1月19日(金)-29日(月)11:30-17:00

これまで描きためた花の絵とヒトトの空間とのコラボレーション。
立春を前にした季節に、ヒトトのごはんと共に楽しんでいただけたらです。

アミイゴさんの絵は明かりがポッと灯ったように、あたたかく、繊細で力強い。
今回、念願叶ってアミイゴさんが福島市の土を踏む。
アミイゴさんと楽しく絵を描いて、ごはんを食べ語らいましょう!お待ちしております。
ヒトト 大橋祐香

食堂 ヒトト
福島県福島市大町9-21ニューヤブウチビル3F
アクセス/JR福島駅より徒歩13分
tel.024-573-0245
11:30~17:00(火定休)
http://www.organic-base.com/cafe/

小池アミイゴ作画の絵本「とうだい」や「peaceてぬぐい」などの販売も行います。

今回の発案者、ヒトトの店長の大橋さんから頂いたうれしくもくすぐったい言葉。

「ヒトト×小池アミイゴ 春待ち人と」が1月19日(金)からはじまります。
オープニングの19日はヒトトの夜営業に合わせて、
小池アミイゴさんの誰でも絵が描けるワークショップを隣のoomachigalleryで行います。
絶対楽しい夜になること間違いなしです!


もう10年近く前になるのかな、以前勤めていた服屋でアミイゴさんがTシャツを買ってくれたときのこと。
ラッピングを頼まれ、まだ勤めて間も無いわたしは慣れない手つきで服をたたみ、緊張しながらも一生懸命ラッピングをした。
アミイゴさんの視線がラッピングしているわたしの手元にあったことも、緊張感をより高めていたのかもしれない。
ラッピングをし、手渡したそれは不器用で決してきれいと言えるものではなかったかもしれない。
でも、それをアミイゴさんはとても喜んでくれ、どこでも買えるそのTシャツをここで買うことに決めていると、
人づてに聞いたのは少したってからのこと。

不器用でも丁寧な仕事でひとを喜ばせることができることをアミイゴさんが教えてくれたんだと、その時気付いた。

この出来事が、生きていく上でわたしの大切な基準となった。
そのTシャツを6年たってボロボロになっても、着てくれているのを知ったのも後々のこと。

そんな1枚のTシャツのご縁から、ヒトトが福島へ移転してからも福島へ思いを寄せてくれ、
お店に何度も足を運んでくださいます。

お店がはじまる頃からのふたつの夢。

ひとつは、アミイゴさんと福島でワークショップをしたいという事。
アミイゴさんの描く絵は力強くてあたたかい。心に寄り添うようにそっとある、そんな絵だと思います。
それはアミイゴさんが愛に溢れた人だからで、人柄が滲み出ている。
誰でも絵が描けるワークショップと、アミイゴさんの描く花の絵がたくさんの人に届きますように。

もうひとつは、福島のこどもたちと畑をつなげるイベントがしたいという事。
福島の誇れる美味しい野菜の力強い生命力を、それを育てるまじめな農家さんがいることを知ってもらいたい。
福島の風土を肌で感じれるような畑とこどものワークショップをあたたかい季節にと、
喜多方の大江ファームの大江さんとアミイゴさんと企んでいます。

ふたつの夢が一緒に実現できる運びとなり、
まずはアミイゴさんの花の絵をヒトトの空間で楽しんでいただけたらと思います。

誰でも絵が描けるワークショップは、こどもから大人まで気軽に参加できます。
アミイゴさんと楽しく絵を描きましょう。きっと新しい発見があるはず!

いや、テレますね。
熱烈なラブレターをもらってしまって、
これは頑張るしかありません。

でも、ボクが3月11日の震災後にやってきたことを象徴することだなと。

3月11日の悲劇を目の前にし、自分の無力を確認し、
しかし、その中でもひとりで出来あろうことを見つけ、
10年、20年と続ける先で、それを必要とする人に出会ってゆく。

ボクは政治家でも大会社の経営者でも有名なスポーツ選手や芸能人では無く、
そういった方々がスーパーマンのようにしてやれることが出来るはずはなく、
ただ、やはり同じ立場であろう日本の1億人以上の人の1人ひとりが、
ひとりでも継続してやってゆくことで出来ることをやって見されれたらいいなと思い、
今に至っているはずです。

岩手や宮城では震災後の割と早い段階で、
現地の必要に答えることをやってこれましたが、
福島県は震災被害に加え原発事故があったこともあり、
ボク個人ではどうにもならないことが多く、
フィールドワークを重ね絵を描くようなことは継続しながらも、
注意深くボクの出来ることを本当に必要とする人との出会いを待っていました。

世の中にはどんどん進めちゃっても良いこともありますが、
じっくり待たなければ掴めないものもあります。

地味だけどそんな姿を見せてゆくのも、
2011年3月11日以降に必要とされるマインドであるはず。

そして、そう出来るためには、
震災前に出会った自分にとって豊かだなと思えたものの中から、
自分にとって本当に必要だと思う価値観(美しさ)を削りだし、
ポケットに突っ込んでおき、いつでも触れるようにしておく必要もありました。

そんな価値観のひとつが、
以前栃木県の那須黒磯のSHOZO COFFEE のアパレルの店で働いていた
『大橋さんという人の丁寧な仕事っぷりの記憶』であったということです。

*最近知ったけど、当時の大橋さんは働き始めのハタチそこそこ娘さんだったんだ、、
 いまだに綺麗に働く人全てがお兄さんお姉さんに見えてしまう俺っす、、

震災後にその店を退職された大橋さんですが、
彼女との再会には、やはりボクが大切に思っている価値観や美しさに彩られた人の存在があり、
そんな方々の顔を思い浮かべられるということは、
ボクのものづくりの大きな力になってくれています。

そんなわけで、ボクは今回ひとりで福島に向かいますが、
しかし、ボク1人だけのなにかでは無く、
これまで出会ってきた多くの方のマインドも背負って行くのだということです。

そんな意味において、
ボクには「東京でなにか素敵なことをやっている人」なんていう肩書きは必要なく、
今回の企画においては大橋さんの相談の上、特別広い余白をとったものとして準備し、
さらに現場でのコミュニケーションのもと、今必要とされているものを作ろうと思っています。

うん、答えはボクの中には無くて、
福島に暮らす人の中から見つけたいです。

そんな今回の試みは小さなものでしか無いはずです。

ただ、ボクの歩んだ小道が、後に続く人にとって気持ちの良いものであればなと。
多少の険しさはあっても心地よい。
目を転ずる余裕があれば、道端に咲く名も無き花くらいには出会える、
これから10年20年と歩いてみたいようなものであればと願っています。

そして1月20日と21日は福島の奥会津の柳津の子どもたちと
去年の11月に続いてのワークショップセッション@斎藤清美術館 シーズン2!!

11月のシーズン1は思いっきりぶっ飛んびドシンとした質感のセッションだったけど、
http://www.yakuin-records.com/amigos/?p=13426
今回はどうだろかね。

11月に浮上した幾人かのタレントちゃんたちと、
ガッツリ絵でコミュニケートするようなこともしたいなあ。

さらに、今一番大切に感じていること。

子ども達が本来持っている力をオトナが目撃し、
表現する子どもとのコミュニケーションを手にする。

そんなことが出来たらいいな。

しかし、そんなことは本当に必要とされているのだろうか?

こういうことも1つ1つ現場で確認しながら進めてゆくつもり。

たとえば19日の「ヒトト」でのワークショップも、
春に子どもたちとワークショップを開催する以前で、
関わるみんなでなぜそういうことが必要なのか、
そして、そういう現場ではどんなコミュニケーションが必要なのか、
そんなことを事前に確認しあう現場を持つという裏テーマもあるわけです。

こちら、参加も見学もウエルカム。
雪の深い時期で大変かもだけど、ここはひとつエイっと柳津まで足を運んでみてくださいね〜

いや、雪深いからこそ出会える日本の原風景なんてものも魅力です、柳津。

*斎藤清美術館
https://www.town.yanaizu.fukushima.jp/bijutsu/

*斎藤清美術館のイベントページ(11月の情報ですんません、、)
https://www.town.yanaizu.fukushima.jp/bijutsu/even……/workshop/

2018

2018 年 1 月 1 日 月曜日

わん Love! わん Heart!
Let’s get together and feel all right♪

みなさまの毎日がラブリーなものでありますように〜
今年もよろしくおねがいたします。

アミイゴ
2018
PEACE!!

2017 to 2018

2017 年 12 月 31 日 日曜日

死、死、死、死、
そうマジックぺんで書いては真っ黒に塗りつぶし続けた小3女子が、
最後に仕上げたワイルドに美しい色面。

2017年12月17日
群馬の高崎のpeace tree というセレクトショップに
200名からのお客様が集まったライブイベントで開催した
子どもワークショップで生まれた絵の一部です。

キャンプやフェスが日常の風景であるであろう
意識の高い人たちの集うオシャレセレクトショップのパーティーで開催した子どもワークショップ。

が、子どもたちみんなシャイ。

なるほど、お父さんお母さん、ちゃんとした人ばかり。
ちゃんと子どもに自由を与え、
ちゃんと子どもにモラルを与えているのがわかる、
みんないい子ばかりなんだよね〜!

「死」を恐れる小3女子が描いては真っ黒に塗りつぶす、
そんな姿に一瞬ひるんだボクだけど、
どうやら学校で「死」という漢字を習ったばかりで、
それとともに「死」について考え込んでしまっているよう。

お父さんお母さんがどんな方かを確認し、
これまでの経験の引き出し開けまくって判断して、
親子の間でコミニケーションは失われておらず、これは大丈夫!って、

小3女子の書く「死」という文字に対して「死、だね〜」
それを黒く塗りつぶす姿に「うん、その黒かっこいい!」ってね。

なんったって、ボクも小3の時死の意味が受け止められず毎日泣いていた子どもだったんだ。

そんなコミュニケートの先で、ここぞというタイミングを見つけ着彩へシフト。

繊細に野蛮にコミュニケートしまくったら、
ぐいぐいクリエイティビティを加速させ、ものすごい色使いで腕を振り切る。

その一瞬一瞬に驚き感動するボクは、
その気持ちを自分の言葉で注ぎ続ける。

彼女の手が一瞬止まる。
次の瞬間黒の絵の具を掴んだと思うと、両手でドバっと。

その画面への置き所が見事で、
遠目で見ていたオトナたちからも「おお〜〜!」と歓声。

次の瞬間ハイタッチ!

ボクの右の手のひらも一瞬で絵の具まみれの快感。

小3女子、にゃっと笑うと、
クルッと背を向けお母さんのとこに走っていった。

こんな感じで子どもたちと絵を描いてきた中で思うのは、
自由は子どもに与えてるものではなく、
子どもが自分から獲得することに意味がある。
そのチャンスの現場を作るのが親の仕事なんだということ。

そのためには、
ある種野蛮なコミニケーションってものが必要なんだということ。

下品ではなくて、野蛮。


この冬は東京で最も新しい街のひとつ、
天王洲で子どもワークショップを重ねてたのだけど、

新しい街のマンションに暮らす若いカップルのお子さんが、
やはりとてもシャイで、

これはどういうことだと、
子ども以上にお父さんお母さんとのコミュニケーションを慎重に重ねてみたら、

これはボクの想像でしかないのだけど、
みなさん新しい街でとても慎重に、周りに迷惑をかけぬよう生活されいるんだなと。

その慎重さが子どもたちの資質にもなっている。

で、そんな子どもたちとじっくりコミュニケートし、
「絵を描きたい」気持ちを引き出してみると、
これがスゲーんだ!!

ものすごくセンスの良い子どもばかり。

お父さんお母さん方、慎重に生活されているけど、
しかし、お子さんにはとても豊かなものを与えている。

シャイだけど1つトビラを開くと、
メチャクチャ高いクリエイティビティを発揮する子どもたち。

ボクはその最初のトビラを開く作業を
ワークショップとし称してやってんだなって。

実社会では丁寧で慎重に暮らし、
ネットに触れた際は言葉の暴風雨から身を守るような生き方が強いられる今。

今ボクと絵を描くような子どもたちのほとんどは、
その生きてきた時間を東日本大震災発生後の世界で生きている。
絆や思いやりを持てることが、人としての資質の上位に置かれる世界。

しかし、
子どたちにはあと一歩も二歩も踏み出して良いことを伝えてあげたい。
紙の上ならどこまでも突っ走って大丈夫!

そんなことで誰彼を傷つけるようなことは無いよって。
ただ、その勢いが暴力に変わる瞬間を見極め、
暴力より美しい表現の方がカッコいいことを伝えてやるのがオトナの仕事。

子どもが思いっきり絵を描いているから、
オトナの心も開き、より豊かなコミュニケーションが生まれる。

そんな中から、オトナも創造と暴力の際を見極める能力を獲得してゆくことの必要。

ボクがワークショップを通して見せていること、
今を生きるオトナの1人ひとりが、
そしていつか子どもたち1人ひとりが出来るようになればいいな!

高崎の peace tree
素晴らしい発見の現場をありがとう!

アミイゴ
2017
 to
2018
PECAE!!

成城学園前 小池花店 閉店御礼

2017 年 12 月 31 日 日曜日

春の始まる日の朝に思いついたのだ。

「そうだ、その辺に咲いている花を摘んで花屋を始めよう」

そうしてボクは花屋になった。

道ばたに木の箱をいくつか置き、
いくつかの花瓶を並べた店だ

1日のお客は多くて2人。
1人も来ないなんて日もざらである。

そもそもその1人2人のお客だって、
花を買ったりしないのだ。

町のみんなはボクを「愚か者」と呼んだ。

もっとも花屋を始めなくても、
みんなはボクは「愚か者」と呼んだだろう。

そう呼ばれることでボクのなにかが変わることは無く、
大切なのはただ花に出会うことなのだ。

春、夏、秋、と季節は巡り、冬が来た。

「そうか、冬か」

ボクはそう思い、花の絵を描くことにした。

花屋は春になったらまた始めればいい。

+++

小池アミイゴ花の絵の展覧会「成城学園前 小池花店」
沢山のお運びありがとうございました。

皆さまの2018が花咲くものでありますよう、
引き続き土を耕し種を蒔き、水を汲み、与え、
共に日の光をあびて行こうと思います。

アミイゴ
2017
peace!!

81ヶ月め

2017 年 12 月 11 日 月曜日


今日は2011年3月11日から2,467日め
6年9ヶ月
81回目の11日です。

ボクは先ほどまで台湾にいました。

台北で開催された第二回Culture & Art Book Fair in Taipeiに参加。
東日本大震災発生後、国を挙げて義援の気持ちを届けてくださった台湾、
この国の方々の他者を思いやる心がどんなものなのか、
限られた条件の中ではありましたが、ちょっと触れられたように思います。

「とうだい」という絵本を通して多くの方と語り合い、
ワークショップでは「だれでも出来る」シンプルな表現の中で出会った台湾の若い人たち。

彼らは自分の内側で ”HAPPY” を創造する力がすごい!

極論で語ってしまうと、
日本人の ”HAPPY” とは「経験」や「関係」の中から手にするイメージなんだけど、
台湾の若い人たちは、「カルチャー」や「アート」という言葉の元に集っても、
そんな「なにか素敵なもの」をただコンプリートしてゆくだけじゃ無い、
自分から率先し動き楽しさを見つけ出し、自分ならではのHAPPYに変えてゆく、
そんな自家発電能力がとても高いように感じました。

その辺、あらためて言葉にしてゆこうと思いますが、
まずは台湾、LOVEです!ありがとう。

11月10~15日のスケジュールで、
福島県の奥会津、柳津という山間の美しい町に滞在し、
“ジャンプやないず”という柳津小学校に付随する学童保育を利用する子どもたち、
1年生から4先生まで38名と、街を歩いたり、只見線に乗ったり、絵を描いたり、
3日間に渡るセッションとして格闘してまいりました。

福島藝術化計画』の一貫として、福島県の事業で、福島県立博物館の学芸員の主導で開催。

こうやって書くと漢字ばかりの並ぶ難しいことみたく思われてしまいますが、
会津、中通り、浜通りと、ひとつの県であっても、生活習慣や文化の違う福島で、
なにも分かっちゃいないボクが突然現れて偉そうなこと言えるはずは無く、

『柳津で生まれ育った子どもたちから柳津の魅力を教えてもらおう!』
そんなコンセプトの元、子どもたちと向き合いました。


現場は斎藤清美術館

柳津を愛し描き続けた世界的な版画家の美意識の側で、
2011年3月11日前後に生まれたであろう子どもたちの価値観に触れる。

彼らは学校や学童保育の現場で顔馴染みであるグループです。

ボクにスキがあればすぐにナマイキ爆弾を投げてよこします。

学年が上がれば上がるほど、
コミュニティの中での自分をキャラ設定してしまい、
本来の個性とは異なる自分を演出して生きてしまうのは、
大量の情報にまみれて生きて行かねばならない日本中どこでも一緒の現象。

もしくは、
挨拶のひと言めからして「え〜、わたし絵かきたくな〜い、」
だもんね、、

でも、そういったある意味「馴れ合い」も含めて彼らの今。

それを決して否定すること無くマルッと受け止めた上で、
1人ひとりそれぞれの個性に出会って行かなきゃならないと、
これはボクの経験からそう思うことです。

学校での生活に近い現場に集う子どもたちには、
日々それなりに厳格なルールのもと生活をしなくちゃならないです。

子どもたちの紹介されるボクも、まず「先生」と呼ばれてしまいますし、
日頃彼らをケアされている方々からは「絵を描く上での注意」が語られもします。

でも、ボクも含めたオトナがどれだけアートを語れるのか?

そもそも藝術って何?
アートって面白いの?

ボクと子どもたちの間でなにも共有できていないのに、
ルールを先に作るわけにはいかないので、

まず、彼らと電車に乗って地域を見て回り、
街を歩いて彼らの自慢話しを聞きまくって、
「もういい加減にしろ!」ってくらいの元気さを浴びた上で、
ワイルドに手を動かし絵を描く時間を設けました。

そうしたら、
四季によって豊かな色彩に溢れる柳津で生まれ育った子どもたち、
とても豊かな色彩を持っていました。

「図工」や「美術」で「描いちゃダメ!」と言われるキャラクターも、
実に生き生きとした色彩を放っています。

今まで色んな場所でこんなワークショップを開催してきましたが、
この山間の小さな町で今れ育った彼らの色が一番カラフルかもしれない。

こんな美しさが生まれる過程では、
普段生活を共にしている同士だからこそのコミュニケーションの事故みたいな現象が
キャンバスの各地で発生するのです。

ただ、事故も含めてコミュニケーション。

彼らは思いっきり絵を描きながらも、
お互いちょっとづつ気を配りながらコミュニケートしています。

その中で事故が起きても、それが暴力でない限り「表現の喜び」を優先させる。

彼らの表現の喜びをとことん守り、
ただ、暴力だけは見極める。

そんなオトナの仕事ということをこの現場で確信的に発見出来たように思います。

柳津の子どもたちの絵を描く姿を思い返しながらタイプしている、
台湾から戻ったばかりのボクは、

台湾の自己発電能力に優れた若い人たちと、
柳津で美しさを発揮しまくった子どもたちがガチッと結びついて感じられています。

柳津の子どもたちが、今の感性をそのままに、
自分から”HAPPY”を創造出来るオトナになった時、
柳津は、会津は、福島県は、日本は、どんな国になっているだろうか?

アートとか芸術を難しく考えることより以前に、
ボクはそんな想像が楽しくて仕方ないのです。

実際には、少なからずの子どもがオトナになる過程で、
この町から出てゆくんだと思います。

それでも、ある日変なおじさんと思いっきり絵を描いた記憶、
その楽しさが身体のどこかに残っていてくれたら、
それがこの土地の次の時代の宝を生んでくれるんじゃないか。
ぜひ、そうあってくれー!と願うのです。

彼らとのセッションは来年1月にあと2回。
次はぜひ彼らの素晴らしさを、
彼らの親御さんにも知ってもらえるようなやり方でやってみます。

まってろ!柳津っこ。

こんな試みを見にわざわざ尋ねてくれた人が、
福島市でもなにかやりたいと申し出てくれたり、

ワークショップに先駆け展示していた、
ボクが描いた福島県いわきの豊間の海岸の絵を見てくださった方が、
ご自身の、まさに現地での被災のお話を、まるで昨日のことのように語ってくださり、
あらためてそんなお話をうかがいうゆく約束をさせていただいたり、

宿の女将さんが、原発事故から避難してきた人たちをケアした話を、
やはり昨日か一昨日のことのように真摯に語ってくれたり。

あの日から7年なんて声が聞こえてくる手前で、
ボクの福島へのアプローチは、やっと始まったなあと。

それは、2011年3月11日に出会ったことに対して、
時間をかけてやってゆかねばならないことがあると思ったこと、
その時想像した時間の流れと一致するものだという実感でいます。

ともかく確かに一歩一歩。