‘カフェばか紀行’ カテゴリーのアーカイブ

5/19福島で畑ワークショップ <天候不良のため延期

2018 年 5 月 6 日 日曜日


!!こちらの企画は5月19日20日両日ともに雨の予報になってしまい、
夏に延期となりました。
詳細まとまり次第お伝えしますので、あらためてのご参加よろしくお願いいたします。

福島市でとても美味しいオーガニックな食堂を営んでいる「食堂ヒトト」のワルダクミ!
震災から7年、ボクに出来ることを探し続け、友を得て、ボクらしい企画が生まれました。
泥まみれ絵の具まみれになって、心も体も免疫力高めましょう!

大江ファーム×小池アミイゴ
こどもと畑のワークショップ

畑仕事で一汗かいて、とれたての野菜ランチを味わい、みんな絵を描くワークショップ。
親子で畑を楽しみ味わう、ヒトト念願の日帰り企画です。豊かな畑の景色の中へ親子でぜひ!

*5/19(土) ~雨天延期の場合5/20(日)
*大江ファーム
福島県喜多方市山都町三津合字上小阪5882-42
https://goo.gl/maps/arQAKXsZjhH2

*集合時間:9:00
*定員親子:10組
*参加費
親子(親御さん1人お子さま1人)5000円
追加の場合はお一人につき、大人3000円 お子さま2000円
*持ち物長靴、帽子、汚れてもいいおしゃれ

*お問い合わせ・お申し込み:食堂ヒトト
024-573-0245‬
‭hitoto.fukushima@gmail.co‬m

*現地集合になります。
行き方が心配な方はお気軽にご相談ください。
到着次第、駐車スペースにご案内します。


大江さんは力強い生命力あるおいしい野菜をいつもお店に届けてくれます。
そんな福島の誇れる農家さんがいることを知ってもらいたい。
子供たちにこそ本物の野菜の味を知ってほしい。
そんな思いでこの企画ははじまりました。

今回大江ファームとコラボして下さるのはフリーのイラストレーターの小池アミイゴさん!
以前アミイゴさんの子どものワークショップに参加したとき、のびのび絵を描く子どもたちの見る世界は、
自由で、美しくて、とても感動したのを覚えています。
単に絵を描くことにとどまらない大事なことを、子どもたちやアミイゴさんから教えてもらった気がしました。
いつか、福島の風土を感じながら、畑を舞台に子どもたちとアミイゴさんのワークショップが出来たらいいなと思っていて、
それが今回実現できることになりました。

野菜の種を蒔いてから実るまで、春夏秋の全3回を予定しています。
大江さんの畑仕事に触れながら、福島の豊かな自然を感じて、一つの物語を一緒に紡いでいきましょう。

☆お昼はとれたてのお野菜を使ったごはんをご用意します。

[スケジュール]
9:00-10:30 畑仕事(最初に大江さんアミイゴさん紹介)
10:30-11:00 休憩(お茶タイム)
11:00-12:00 畑仕事
12:00-13:30 お昼
13:30-15:00 誰でも絵が描けるワークショップ

【大江一男さんプロフィール】

福島県喜多方市山都町生まれ。
有機農業を始め37年。60種類もの有機野菜を育て、土を守り続ける。
自家製の発酵肥料を使い、微生物の力を借りて循環型農業に取り組んでいます。
イベントを地域の人、若い人と共に畑で企画するのが大好き。
3人の子供を育て上げ、今は奥様の久子さんと猫2匹(ウニとマロン)と一緒に暮らしています。

【小池アミイゴさんプロフィール】

群馬県生まれ。長澤節主催のセツモードセミナーで絵と生き方を学ぶ。
1988年よりフリーのイラストレーターとして活動。
2000年以降日本各地を巡り、地方発信のムーブメントをサポート。
震災をきっかけに、東北へも足を運びその土地に根ざした暮らしや風景を描いている。
より小さな場所で唄を手渡すようなLIVEイベントや絵のワークショップを重ねる。

今年の4月からアミイゴさんと小山薫堂さんのアートプロジェクト「旅する日本語」が羽田空港にて開催しています。
その中に、昨年冬に大江ファームを訪れたときの絵も飾っていただいてます。

知床にて

2017 年 11 月 28 日 火曜日


1ヶ月ほど前、10月末、秋の終わりの季節の知床、斜里町を巡ってまいりました。

初めての知床。
「アミイゴさんが知床に行ったらなにで出会い、なにに気がつくか楽しみ」と言ってくださった方の導きより、
地域ブランディングに奔走されている方々にお会いし言葉を交わし、人の肩越しに見えてくる風景に出会ってきた。
そんな感じです。


初日の移動は台風の風雨と共に、

次の日からは地元方が「この季節にしては出来過ぎ」と語った気持ちの良い天気のもと、

美しい泉に出会い、

大自然とのキワで生きた人の息吹を感じ、

この土地で生きる必然とそのダイナミズムに驚愕し、

ささやかな花の美しさに心奪われ、

「はるか国後」を

意外や身近に感じ、

そんなこんなをすべて人の暮らしと大自然の交わるあたりで感じることが出来た時間でした。

思いっきり語り、思いっきり描きたい、そんな知床ですが、
以下出会った方のお話から。


大型の農業機具の製作販売をされている方。

もともと鍛冶屋を生業にされていたお父様の代からの起業とのこと。

「わたしはこの辺りで一番貧乏でした」
「昔はこの辺に多くの鍛冶屋がいましたが、その中でも父は鍛治の腕が良くなかった」
「時代の変化の中で、鍛冶屋がどんどん廃業して行く中、父は腕が悪かった分、早くから大型の農業機具の製造のほうにシフトしていったので、生き残ることが出来た」

そんな話。

人が大自然に挑んできた土地を生き抜いた方の大河ドラマ、
ズシンと心に響きました。

また、これは今の時代でも置き換えられることはありますね。


知床自然センターで出会ったお話はこんな。

クマが人里に降りてくる目的は、食べること、生きること。
なので、クマは人に出会ったとしても、無闇に襲うことはしない。

それは、襲ってしまうことで自分が怪我を負ってしまえば、自然の中で生きてゆける確率が一気に下がってしまい、
本来の目的と外れてしまうからだ。

もし人がクマに出会ったら、刺激することなく、静かに後ろに下がればよい。

そう聞いて触らせてもらったクマの牙も爪も先が丸く滑らかで、
人を引き裂くようには出来ていないものだと知りました。

知床で出会ったエコロジーは「人は動物として自然との距離間を思い出せ!」ということであり、
それは普段の街の中での生き方にも、
国と国の関係なんてものも生かして行かねば、
クマに笑われてしまうことなのだと思いました。

そしてあらためて、知床で出会った美しいビーチにて。

美しいビーチは人の暮らしと自然との領域を曖昧にし魅せてくれる。
だから美しく感じ、しかし描くのがとても難しい。

人の暮らしの「キワ」を一本の線としてどこに引くべきなのか?

そんなギリギリの命題を描く絵の上で永遠と悩み続けなければならず、
それでも上手く描けたと思う瞬間を得るも、次の瞬間にはもう「これは違う」と。

仕方なくその線を潰して上書きするのか、またべつにで絵を描くのか、
そんなことを繰り返すばかりで正解になんか至らないんだ。

震災以降ボクが描き続けてきた波打ち際の風景がなんであるのか、
知床で出会った美しいビーチは、
ボクが描こうとしているものが「人の暮らし」であることを逆説的に教えてくれたように思っている。

この穏やかに美しいビーチの風景に出会う2日前、
ボクは同じ場所が台風の風雨で荒れ狂っているのを見た。

それは人が立ち入ってはならぬボーダーを明確に知らしめてくれるもの。

そして嵐の去った後、その言わば生死のキワから数十メートル先の波打ち際を歩けたこと。
そのささやかさ。

日々を生きる上での喜びは「立ち入ってなならぬ生死のボーダー」の先に広がるささやかな余白にあるんだと実感した。

知床は、ある季節から先、人の日々は生死のキワに置かれる。
厳しい寒さの冬にそのへんでフラフラしていたら、人は死んでしまうのだ。

そんな想像の中、これまで歩いた西表島、竹富島、石垣島、沖縄、天草、津奈木、水俣、百道浜、唐津、尾道、淡路、湘南、塩釜、富山湾、新潟港、大原港、銚子、鹿島、石巻、気仙沼、唐桑、宮古、東京などの水際の風景を差し替えては、人の暮らしというものを考えている。

ビーチに押し寄せる波のカタチに1つとして同じものは無く、
ビーチを訪れる人の時もまた一瞬でその表情を変えてゆく。

ただ人は一々そんなことを考えることもせず、「
寄せては返す波」という定型文のリズムの中に我が身を置くことで、
毎日を生き抜く術を得ているんだ。

80ヶ月め

2017 年 11 月 11 日 土曜日

今日は2011年3月11日から2,437日め
6年8ヶ月
80回目の11日です。

昨日から福島県の会津に来ています。
奥会津の柳津という山間の町の子どもたちと絵を描くセッション。

晩秋の美しい山里を歩きながら、
これからの時代を生きる力なんてものを見つけられたらいいなと思っています。

先日は日曜と月曜とで宮城の塩釜、福島市、群馬と巡ってきました。

福島市で1年の奮闘を経過した食堂「ヒトト」のパーティーへのお誘いを受け、
ならば塩釜まで行ってしまおうと。

震災後にお付き合いが始まった養殖漁を営む共栄丸さんの東塩釜の直売所へ。

東塩釜駅から塩釜港の港湾部の海べりを辿って
共栄丸さんのある千賀の浦市場まで歩いて行くってことやってみました。

気持ちの良い陽気の秋の日の午後、べた凪の港は穏やかで、
多くの釣り人がそれぞれの時間をのどかに過ごしているのが印象的でした。

中央市場のような施設も立派に再建され、
地域の新たなランドマークとして輝いて見えました。

東京で暮らし東北の太平洋沿岸部のことを思うと、
「被災」から「復興」という言葉ですべてを考えてしまいがちですし、
首都圏に向けたメディアの報道もそれに特化しているイメージです。

のどかに釣り糸を垂れている人たちの姿をわざわざ伝えるメディアは無い。

もちろん、今でも助けを必要としている人がいることは事実で、
ボクたちはそんな方々への想像力を失わず日々を生きて行かねばなりません。

が、そろそろ「復興」とは別の言葉を使って
ボクたちが必要とする未来の姿を語ることも始められたらいいなと思いました。

歩いてみて感じる塩釜港周辺の豊かさ。
「松島」という景勝地と分母を同じにする塩釜ですが、
漁業や養殖漁、水産加工業や観光業、寿司屋の密度日本一と言われる飲食業、
銘酒を醸す造り酒屋、古い神社やキュレーションの立派な美術館やギャラリーなど、
これまでの「観光」のあり方とちょっと違う、より文化的な発見の出来る町だなと。

共栄丸さんはきっとその辺のこともマルッと内包させ、
「松島」でも「塩釜港」でもなく万葉の昔から使われた「千賀の浦」という地名を、
あらたなアイデンティとして塩釜の湾岸エリアをブランディングしたいんだろうね。

そんなお考えに沿うデザインやイラストレーションを
この地域に使ってもらえることを考えています。

今回共栄丸さんに行ってみようと思ったもうひとつの理由は、
今年の春に出来たという防潮堤がどんな景観を生んでいるのかを確かめること。

意外やボクの身長よりも低かった防潮堤。

港湾部をここまで歩いてきて、
こんな防潮堤が造られていた漁港もあれば、建設中の場所もあり、
今後どうなってゆくのか分かりかねぬ場所もあって、
このエリアの未来の海の景観に想像出来なかったです。

こうしたことが「復興」という言葉で語るのであれば、
ボクたちはやはり新鮮な言語をもって、
「復興」に拮抗させる形で地域の美しさを育ててゆけばいいんだと思いました。

防潮堤を越えると、やはり美しいです、千賀の浦!

市場を訪れた人が、もっと自然とこの景観に触れられるような動線の構築とか、
デザインやイラストレーションの仕事の現場はいくらでも見つけられそうなのが、
今の東北太平洋沿岸部。

共栄丸さんでは相変わらず美味しい思いをさせてもらっちゃって、
ワカメや牡蠣やホタテの美味しさに、ちょっと飲みすぎ。

酩酊の隙間から覗く働くみなさんの明るく元気な姿。

いろいろ大変はあるだろうけど、明るく元気。

そうそう、2012年の冬にこの姿に出会って、
東京で暮らす自分に足りていないもの、
未来を生きてゆく上で失っちゃいならないものなんてのに気づいたんだ。

この姿、家族にも見せたいと思って、新幹線に乗って来たりもした。

あの日から80ヶ月たった今も、
みなさんはボクなんかよりちょっと先の未来を生きている。

次はまた家族と一緒に、
息子にいろんなもの見せながら来たいと思いました。

日曜の夕暮れ近くの港に沸き立つしなやかに力強い群像を背に福島へ。

開店から1年の奮闘の先で
やはり沸き立つしなやかに力強い群像を見せてくれた食堂「ヒトト」

福島の人に請われて開店にいたったオーガニックベースの小さな食堂にたくさんのお客様が、
福島市に限らず、日本の各地から集まってきたパーティー。

ひとつの店を1年の奮闘だけで語ってはいけないし、
「未来」などという言葉で分かった顔して語る気もなく、

明日が無事であること、
出来れば今日よりちょっとマシなものであるように願うことの先に、
この店をしっかりと視野の中に入れてゆきたいと思いました。

そう出来るために、
やはりボクたちは今まで使ってこなかった新鮮な言葉を見つけ、共有し、
語り合うことを続けてゆきたいな。

うん、2年目、3年目がさらに楽しみ!
個人的に福島県に関わる仕事が続くので、これからもよろしくお願いしますね〜!

そんな旅の帰り道で寄った生まれ育った群馬の地。

あらためて多くのものが失われていることに、さすがに寂しくなった。

変わらずそこにあってくれる赤城山を見て、
少なからず気持ちを落ち着け、あらためて、
自分の足元はどうなっているのか考えました。

つなぎグルメ

2017 年 5 月 25 日 木曜日


7月17日まで熊本の津奈木町のつなぎ美術館で開催の展覧会
東日本から熊本へ 3月11日から始めたこと 小池アミイゴ展
http://www.yakuin-records.com/amigos/?p=13059

ボクは6月11日のワークショップ開催でつなぎ美術館に向かいますので、
みなさんお時間合えば足を運ばれてみてくださいね〜

で、さて、
津奈木町、そして宿泊していた水俣、そして熊本、
食べ物がともかくうまい!

と言いつつ、ゆっくり食事する時間がとれないのですが、
それでもやっぱ記憶に残る美味しさばかり。


つなぎ美術館から歩いてちょっとの食堂「末広屋」で食べた太刀魚の天ぷら、
産地ならではホロホロの美味しさでした。
で、ボリュームと値段の感動の反比例!


おばちゃんひとりでやってる(?)チャンポン屋の「みよし」
なんちゃーない店構えの店こそ美味しいチャンポン。
1日にそんなたくさん作れないという幸せチャンポンでした。


水俣での晩飯はいつもひとりで、
適当なお店に飛び込んでみると、やはり全部おいしい。
街の中華屋さん「天宝閣」の焼きチャンポン。
ひとりビールの侘しさに贅沢すぎる美味しさでした。

その他なんだかんだ食べてますが、
ほんとお金かからない土地だなあ〜


津奈木からの帰りに熊本に一泊。
展覧会でお世話になった長崎次郎書店のスタッフさんのご好意で、
ビストロ「クラシック」で晩餐。

超人気店でこの日も満席でしたが、
お客様が帰られた後の時間にわがままを聞いていただきました。

で、
人気店の意味、食べて飲んで実感。

そして若い店主さんの心意気メシ!
テーブルを囲んだ1人ひとりの美味しさとともに、
良い時間だったな〜〜

などと、珍しくグルメ日記になってしまいましたが、
わざわざ熊本県葦北郡津奈木町まで足をのばされるのであれば、
ぜひその土地ごと、人ごと楽しんでもらいたいのです。

東日本から熊本へ 3月11日から始めたこと 小池アミイゴ展
2017年4月29日(土・祝) – 7月17日(月・祝)水曜日休館日
熊本県津奈木町“つなぎ美術館”
入場料:一般300円、高・大生200円、小・中生100円
開館時間:10:00 ~ 17:00 (入館は16時30分まで)
http://www.yakuin-records.com/amigos/?p=13059

「セツブレンド」

2017 年 4 月 23 日 日曜日


15年くらい前になにかの雑誌に寄稿した「セツブレンド」というカフェを巡るエッセイ。
細部を手直しして掲載してみます。
写真は2015年11月10日。
「めぐみめぐる」という展覧会初日の朝、ランニングでタンバリンギャラリーに向かう途中で撮影。

『セツブレンド』

午前11時
「ガガガガ ガ ガー」とミルの働く音が聞える

午前11時15分 
鳴らされる鐘の音
3階のアトリエまで登ってきたコーヒーのにおい

季節は5月にしておく

ボクらは痩せっぽちのモデルから視線を外し
親指と人差し指と中指の間で火照った鉛筆を置く

2階のロビーへ

人とすれ違うのがやっとの階段は建物の西側にあり
窓に中庭の大きなポプラの樹が演出する木漏れ日が差すのは
午後1時を過ぎたころから

セツモードセミナーはまだ春の名残の朝の冷ややかさの中にある

階段は最後の4歩で右にカーブ
その先にコーヒーに並ぶ人の姿が見える

デッサンの合間に置かれた30分のコーヒーブレイク

コーヒー  100円
カフェオレ 100円

その隣りには
『下品な缶コーヒーはセツに持ち込まないでください』
と書かれた張り紙が見える

セツモードセミナーの通称『セツブレンド』

長沢節が「コレ」と指定したブレンド
長沢節が「コレ」と指定した深めの焙煎

両手の平で包んで余るくらいの大振りなミル
30センチの背丈のホーローのポットに移されたお湯
手鍋イッパイに温められたミルク

白髪のH先生の淹れた一杯がボクのお気に入り

バイトちゃんの落としたヤツはマズくて飲めたもんじゃない

コーヒーは人なんだと知る

ロビーは吹き抜けのギャラリーになっていて
大きくL字にとられた2階フロアの手すりはヒザほどの高さしかなく
『そこに座って足を投げ出すのがセクシー』とは長沢節の目論み

ボクらはそんなワルダクミとは関係無く
ひとりとひとりの心地よい距離を保ちながらコーヒーを口にする

ボクはロビーから外へ

中庭にはザクッと植えられた草花が野草のような顔をして
どこかから降ってくる初夏の風に煽られ揺れている

その影だか光だかがセツモードセミナーの壁の白さに揺らめいて
ボクらの揺らめく孤独と共鳴したり相反したりを繰り返す

そんな曖昧たる輝きに目を細め
珈琲をまたひと口

揺らめくボクら1人ひとりの孤独は珈琲の苦さと甘さに支えられ
確かな像を結び、かける。

ボクらは孤独であることを好ましいものとして受け入れ始めている

孤独でなければ気づくことのできぬ自分以外の孤独があることを
一杯の珈琲が教えてくれている

30分は30分のまま
再び鳴らされた鐘の音にかき消され
ボクらは30分前よりきっちり孤独になって
痩せっぽちなモデルの前に立ち
再びその痩せっぽちな線を追った

「弱いから好き」

1999年6月
長沢節はボクらにそんな言葉を残して逝く

ボクらはそんな言葉と引き替えに
100円のセツブレンドを失った