‘毎月11日の備忘録’ カテゴリーのアーカイブ

90ヶ月め

2018 年 9 月 11 日 火曜日


今日は2011年3月11日から2,741日め。
391週4日
7年6ヶ月
90回めの11日です。

8月のある日、
塩釜にゆきました。

東日本の悲劇ののち、
一番の友人になってくれた水間さわ子さんとのお別れの式に参列。

こんなことをここに記すのはとても嫌なことだし、悲しいことだし、
しかし、こうやって毎月の11日にブログを書き続けていたことは、
こんな時、東日本の方と悲しみを共にするためなんだよなと、、

大規模な自然災害に対して無力な存在でしかないボクに、
水間さんはその51年の人生をかけて教えてくれたようです。

ボクは遺されたご家族の悲しみの大きさを語ることの出来る言葉を待たず、
ただ自分のことを無責任に語るに終始するばかりですが、

ボクが好きになる方は、
頑張り屋で働き者で、自分のことより人のことに夢中になるような人ばかりだと。

そんな人柄がその人生を縮めてしまうこともあるんだろう。

が、今はボクこそ頑張って、その喪失をこれからの人生の隣に置きながらも、
そんなひとりが生きていた時間を受け継ぎ、前へ進んでゆこうと、
なんとかそう出来るよう目の前の一個一個をやってゆこうと思います。

宮城県東塩釜の水間さんご一家の共栄丸水産さん、
並びに、東北の太平洋沿岸部で養殖漁を営まれるみなさん、
水間さわ子さんという方が、ボクという1人に与えてくださった「海に生きること」
そこから得られる想像力を絶やすことなく、
みなさんが丹精込めて作られるワカメや昆布や牡蠣を食いにゆきますね!


こうしてブログを書いている間にも、
猛暑や水害、大きな地震と続いたこの夏の日本です。

命の喪失の前に、やはりただ自分の無力を知るばかり。

被災された方やその周辺に暮らす方々に対して、
絵なんてものが力になれるようなことはずっと先となるはずです。

ただそれでも、
もし小さなお子さんをお持ちの方で、
1日の中でちょっとでも余裕を見つけることが出来ましたら、
お子さんと絵本を読むようなことをされてみてください。

きれいな絵と言葉で優しい物語が綴られた1冊。

それがたとえば被災の現場ではなく、ごく当たり前の日常の中でも、
どうしても生活に追われてしまう中、
お子さんに対する言葉もきついものを並べてしまいがちになる。

そんなことはほとんどのご家族の当たり前であり、
そうした生活のリアリズムに対して一々目くじら立てるようなことやっていたら、
日々はとても息苦しいものになってしまうはずで、
ボクの立場でそういったことを否定するつもりはありません。

ただ、そんな中でもお子さんとの間に心を寄せ合える絵本という形であったら、
ちょっとだけ深呼吸し、
そこに綴られた物語をお子さんと会話するようにして読んでくれたらいいなと。

これは長野県茅野市の今井書店の高村さんの受け売りなんすけどね、、

美しい絵本に綴られた美しい言葉をお子さんと共有するちょっとの時間。

絵があることでお子さんが何かを語る。
それを説明する必要もなく物語を語ることだけで、
お子さんとの間に豊かなコミュニケーションが生まれるのが絵本だと思うのです。

教訓や教養を得るなんて立派な目的である必要は無く、
「読み」「聞かせる」のではなく「見て」「語りあう」

人の命が奪われてゆく事態の中に置かれても、
すぐれた絵本の中には普遍的な物語が流れています。

それをお子さんと語り合うようにして楽しむことで、
物語は生きたものに、そして親子の物語へと育ってゆくはずです。


厳しい現実を前に何を呑気な、
そんなお考えの方もあると思います。

ただ、厳しい現実を前に頑張る親に対して、
子どもたちもまた、親に迷惑かけまい、ワガママ言うまいと頑張りすぎている場合があります。

そんな時に心優しい物語を親と子で訳あうことが出来たらなあ〜
そんなちょっとの瞬間に豊かな笑顔や涙を共有することで、
救われることはたくさんあるんだってこと、
これまでの東日本や熊本などなどでの経験から実感しています。

そんなことを考えながら先日は九州へ。 

「うちはここまで水に浸かったよ」
なんて会話をあちこちで聞きながら、
絵本を読んだりみんなと絵を描きました。

子どもたちとの小さな会話を積み重ねていった先で、
とても勢いのある綺麗な絵に出会えた旅。

必要とされる現場があれば飛んでゆきますよ〜!

89ヶ月め

2018 年 8 月 11 日 土曜日


今日は2011年3月11日から2,710日め。
387週1日
7年5ヶ月
89回めの11日です。

一昨日の夜に訃報がとどきました。

ボクに東北太平洋沿岸部の穏やかな海の上を飛ぶカモメを見せてくれた人。

2011年3月11日から1年10ヶ月ほど経った冬の日、
ボクは何度めかの東北への旅に出て、
その旅の最後でその方に出会いました。
http://www.yakuin-records.com/amigos/?p=8965

それまで「被災」というものを漠然と見るばかりであったボクが、
初めてなにを見るべきかのフォーカスを得て、
見たものを自分の中に沈め、肉体化することが出来るようになったのは、
彼女と出会いがあったからです。

震災後よく言われた「逆に被災者から元気をもらっちゃいました」

この言葉に違和感を感じ続けていたボクが、
彼女と出会ったら、もらっちゃったんだよな、、元気を。

港の復興市場のご家族で営む海産物の直販所で働いていた彼女から
美味しい海の幸をご馳走になり、海に働く素敵なご主人を紹介され、
そんなこんなのお礼にシロツメクサを描いたポストカードと、
鉛筆で描いたカモメの絵のポストカードを手渡しました。

東京にもどると彼女から手紙が届きました。

便箋2枚に丁寧な文字で綴られた彼女の物語。

二十歳の時に保育園に勤めることになり、
その出勤初日、送迎バスに不安な気持ちとともに乗り込む。

バスが走り出す時、窓の外にシロツメクサが咲いているのが見えて、
不安な気持ちが少し和らぎ、大丈夫だと思えたこと。

震災直後、津波被害に遭ったご家族で営む養殖場までゆくも、
被害の甚大さにただ途方にくれていると、
頭の上を、震災前と変わらずカモメがあっけらかんと飛んでるのが見えて、
やはり不安な気持ちが少し和らぎ、大丈夫だと思えたこと。

そして、
ご主人をとても信頼し愛していること。

そんなこんながとても気持ちの良いリズムの文体で綴られていて、
震災のなんたるかを知ろうと東北を巡っていたボクは、
思いがけず「ひとり」に出会い、

ボクが描いてゆくべきものも、この手紙に綴られているような、
日常のなんでもない風景であるべきなんだと、
それまで続けてきたことに確信を与えてくれた出来事となりました。

そして、ボクは彼女が見上げたカモメを見なくちゃって、
3ヶ月半後にまた彼女や彼女のご家族の働く海まで行って、カモメを見て、
彼女の手紙の行間から感じた色彩や光を反映させたカモメの絵を描きました。

このカモメの絵は、ボクの展覧会に多くのお客様を呼んでくれ、
遠い東北の海から海産物ひと箱を抱えた彼女も呼んでくれ、
「とうだい」という絵本の仕事も呼び寄せてくれました。

ボクはボクの家族を彼女の家族と会わせたいと願い、
その年の秋にまた彼女の働く海に向かいました。

特別なことがあるでは無く、
息子が港で知らないおじさんにソフトクリームをご馳走になったり、
街を歩いて落ち葉を踏むことに家族3人で盛り上がったり、
そんな静かな旅がうれしかった。

そうしてボクは彼女の友人になりました。

ボクが絵を描いた本の中に、彼女が投稿した「水曜日の出来ごと」が載っていたり、

彼女のご家族が育てているワカメのパッケージを請け負ったり、

そのお礼にってすごいもの送りつけてきたり。

peaceてぬぐいの活動にも、美しい文章を添えてくれてました。
http://www.yakuin-records.com/amigos/?p=13549

彼女は気っ風の良さと茶目っ気を併せ持つとともに、
人を惹きつける文才やマーケティングのセンスがあり、
ご家族が奮闘する地域のブランド力を高めるアイデアをいくつか持っていて、

ボクはそんな彼女の夢の実現をイラストレーションや絵で応援してゆくことを、
個人的復興の姿と考え、いくつかのことを進め始めたところでした。

また、彼女が見せて描かせてくれたカモメの絵の2代目が、
現在羽田空港に飾られていることをとてもとても喜んでくれて、
いつかそれを見ることを夢のようにして語ってくれていました。

絵を描いて仕事になって、
それがこんなにも喜んでもらえるものになるんだって!!

彼女との出会いがボクのイラストレーションの進む方を教えてくれたし、
ある意味彼女こそが「とうだい」のようでもあり、
ボクは東北への用事がある度に、電車を乗り換え、遠回りして、彼女の家族の働く場所を目指し、
さて、今の自分はちゃんとものが見えているのかを確認していたはずです。

あの日から7年5ヶ月の手前で若くして急逝されてしまった。

その後の2,708日の日々。

こうして書き出してみたら、
書ききれぬものも含め、思ってた以上に色々あったんだと驚いている。

そして、
その少なからずのものがバトンとしてボクに手渡されている実感はある。

が、

今は、、

2018
0809
2020
R.I.P Sさん

2018
0811
PEACE

88ヶ月め

2018 年 7 月 11 日 水曜日


今日は2011年3月11日から2,679日
382週5日
7年4ヶ月
88回めの11日です

こうやって毎月日数をカウントしてきて、
しかし、
大阪北部地震に遭われた方は、
2018年6月18日からの3週間ちょっとを、
振り返る余裕もなく今を奮闘されているであろうこと。

西日本豪雨に遭われた方は、
ここ数日なにかを考える余裕も無く、
恐怖と不安の時を過ごされていること。
もしくは、
2018年の七夕の夜が「恐怖と不安」で語られるであろうこと。

ボクはボクの想像力が追いつかないでいることにイラつきながらも、
今この瞬間困難に置かれている1人ひとりを想像し、
ボクのようなものでも誰かの力になれる瞬間があることを信じ、
いつもと変わらぬ毎日を大切にして過ごしておきます。

その前に、東日本に思いを寄せた絵を描いておきました。
なにか役に立つようなことがあればご自由にお使いください。

大きなデーターで必要な方はメッセージいただけたらです。

こんな絵を思いついた背景には、
関西で暮らす友人がボクのFBのポストに寄せてくれたコメントがあります。

お蔭で雨あがりました。
青空が、夕焼けが、俯いていた人々の顔をこんなにも上げさせるって知らなかった。

東日本大震災発生直後の宮城県塩釜の生産者さんは、
時が来て漁を再開した際、見上げた空を以前と変わらずカモメが飛んでいる姿に、
自身のなんたるかを確認したようなことを、ボクに教えてくださいました。

雨もあがり、見回せば自身の無力に押しつぶされてしまいそうな現実が、
洪水の水以上に押し寄せてくるのではないかと、
やはり足りぬ想像力を働かせてそう思います。

ただ、1日のどこか、わずかな時間でも空を見上げる余裕が生まれたらいいなと。

そんな簡単に思えるようなことでも、1人でいては叶わぬ場合もあります。

もしわずかでも心に余裕を見つけることの出来た方があれば、
身近の方へのちょっとした声掛けを大事に、
一緒にちょっと空を見上げてみる、そんな時間が生まれますよう、
こんな絵がそんなちょっとしたことに役立ってくれたらいいなと願っております。

大変暑い季節です。
被災された方も、それを助ける方々も、どうぞご自愛のほど。
ボクもやれることやってゆこうと思います。

先日は去年に続き「よよぎえほん」
渋谷区の”かぞくのアトリエ”主催で長野県茅野市の今井書店の高村志歩さんの講演、
『絵本でのびる子どもの力』がありました。

親が子どもと絵本を介し交わすコミュニケーションの「甘やかな記憶」
そうすることで子どもが手にすることが出来る想像力と言葉の力。

自然災害に遭ったお子さんが受けた恐怖を、
一気に晴らすことは難しいことなんだと承知しています。

ただ、生活の中のちょっとした時間で、
名作と言われる絵本を親子で共有することが出来たら、
お子さんの心はその時間分救われるんだと思います。

それがどんな「ためになる本か」なんてことはどうでもよく、
しかし、美しい絵と言葉の綴られた、
親と子の間で豊かな会話が生まれるものであったらいいなと。

高村さんの講演を聴きながら思いました。

高村さんはさらにこう続けました。

「母なる者の手を持った大人たち、子ども達に深い物語を届けましょう!」

子育てというものがお母さんひとりの力では叶わない時代にあって、
子どもに関わる大人がどんなマインドを持ち、子どもになにを与えたらいいのか、
端的に語っていると思います。

これは自分の仕事にも関わっていること。
今この瞬間なにが必要されているのか、
たえず耳をすませ、自分の中に落とし込んでゆこうと思います。

以下身近な場所の出来事をちょっと。

ボクが暮らす街にある20メートル×4メートルの壁面2面を、
息子の通う小学校の生徒全員とボクとで描くことになり、
先日は、小学校のオヤジグループで掃除を下地塗りを行いました。

息子の小学校のPTA会長sさんの発案で、
後々は学校カリキュラムの中でも時間をとっていただき、
このエリアの町会のみなさんや、
壁面に関わる電鉄や渋谷区や東京都、
画材総合卸しのバニーコルアートさんなどのご協力のもと、
それがみな並列に置かれるような関係性で、
渋谷区のある街に子どもたちの故郷を創るイメージ。

素晴らしい壁画を生まれることと共に、
それがどんなコミュニケーションのもと生まれたのか、
壁画完成の後、そんなコミュニケーションのあり方を「とみがやモデル」と名付け、
それを必要とされる地域にシェアしてゆくことまでも目標にしています。

壁画は2019年末あたりを目指して、ゆっくり姿を変えながら描かれてゆきます。

代々木八幡駅、山手通り高架下の20メートルの壁2枚、
その前を通り過ぎるみなさんに楽しんでいただけたら幸いです。

もしくは、
今の白い壁の前で写真をパチリ。

ハッシュタグ
#八幡白壁 #とみがやモデル
インスタにポストしてみてください〜


そんなこんなで、ここ数ヶ月地域の先輩方とコミュニケートすることが多く。
地域のお祭りで「提灯絵付けワークショップ」なるものまでやっております。

以前は、代々木八幡の例大祭になると、
街中にズラ〜〜っと提灯が並んだのですが、
徐々に、徐々によ減ってゆき、今はほとんど提灯が並びません。

ならば、地域の子どもたちが絵をつけた提灯が並んだら、
それは子どもと地域の先輩方を結びつけるとともに、
やはり、楽しいよね〜〜!って。

とりあえず実験的に始めています。

こんなアイデアがうまくいったら、
東北や西日本の小さな街とかにも持ってゆけたらいいな。

そう出来るようにも、
まずは自分の足元から。

88ヶ月めの自分。
足場がしっかり見えてきました。

87ヶ月め

2018 年 6 月 12 日 火曜日

今日は2011年3月11日から2,649日
378週3日
7年3ヶ月
87回めの11日です。

千葉県袖ケ浦市のブランディングを市の若手職員のチームと行っています。

去年にお話をいただき、今年の5月から夏にかけて彼らとセッションを繰り返し、
袖ケ浦市をどう見てもらうのか、どこを伸ばしてゆくのかを導き出し、
3枚のポスターを製作し世に問う作業です。


東京湾アクアラインが出来たことで、「対岸」の東京とのアクセスが俄然よくなった袖ケ浦市。
人口は6万ちょっとだけど、京葉工業地帯に含まれ豊かな税収を得ながら、
東京や千葉のベッドタウンとしても発展を続けているとのこと。

目を転じれば緑豊かな丘陵に囲まれ田んぼや畑が気持ちよく広がっている土地。

先日取材もかねて行ってみたのですが、
お年寄りがのんびり公園を散策されている姿が微笑ましく、
見学させてもらった保育園の子どもたちは、元気だったなあ〜!

ただ、袖ケ浦に暮らすみなさんには土地の魅力を語る決定的な言葉が無い?

市の若手グループとのミーティングでも、
みなさんそれぞれ理想や志のある言葉を語ってはくれるのだけど、
心にグサッと刺さってくるものが無い。

そこで今あらゆる現場でやっている「絵を描くワークショップ」急遽開催。

個人の「たのしかった袖ケ浦」の経験をシンプルな言葉と絵で語るのだけど、
これがもう、ざっくざっくの宝の山だったのです!!

詳しいことはまだ発表できませんが、
市の魅力を端的に語る言葉(コピー)や
イラストレーターのボクにも思いつかなったポスターの構図なんてものが
いくつも浮上してきたのです。

東京(中央)やグローバルの価値観を無理やり地方に落とし込まなくても、
これだけ情報に溢れた時代に、丁寧に読み取ろうとする努力がなされるかぎり、
その土地に暮らしてきた人や働く人の中に答えは埋まっています。

この仕事を実りあるものに昇華させることで、
このような試みを必要としている場所に届けてゆきたいです。

このブログではなにがなんだかわからないでしょうが、
それでもなにか必然を感じらた方は、どうぞご遠慮なくお声掛けください。

ボクは最終的に楽しく美しい絵を描き、
それが絵としてみなさんに楽しんでいただいたり、
もしくは、ポスターや冊子や名刺なんて現場で活躍させたりが出来たらいいのですが、
それがよりローカルに暮らす人の必要とされるものであるために、
ちょっと遠回りであっても、このようなコミュニケーションの現場を創り続けてゆくつもりです。

今日は、昼前いっぱいで息子の小学校のPTAの作業で、
家庭への配布物の校正やデザインのアドバイスをしていました。
(そんなわけでこのブログも日付をまたいだ今作成しているのです、、)

一般にこのような書類は、仕事に特化したソフトを用いられて作成されるのですが、
そうなるとどうにも管理する側の発想のものが出来てしまうなと。

家庭でも忙しくしている親御さんたちが、本当に必要とする情報に行き当たるまでに、
A4やA3のペーパーをくまなく読まなければならない、、そんなことが多々あります。

そんな状況が気になっていたので、
今回思い切ってそれを手にする人目線で情報の整理をしてみました。

そうしてみたら、
いや〜、気持ちの良い配布物に仕上がったなあ〜〜!!

てか、管理する側も伝えたいことが実にシンプルに的確に伝わるではないか!!

ペーパーにはごく簡単なイラストレーションを、やはりごく小さくあしらい、
あとは必要な情報を順を追って的確に、スムースに目で追ってゆけるよう、
文章のレイアウトを変えていっただけなのですがね。

ほんとちょっとした部分で絵やデザインを生かすだけで、
人と人のコミュニケーションに余裕が生まれるって実感。

今は「ああ言った」「こう言った」とか、
「あれを言っちゃまずい」「これは言わないでおこう」とか、
人とのコミュニケーションが息苦しいものに感じてしまうかもですが、
まだまだまだまだ絵やデザインの活躍の余地はあり、
それを活用することで得られる人生の豊かさってものを求めてゆきたいし、
これからも恐れずあらゆる現場で活用してゆこうと思っています。

そうそう、先日は小山薫堂さんのオフィスに併設されたカフェで、
希望者や小山さんのスタッフさん向けに、

そして、カミさんの勤める保育園のスタッフ向けに、
ワークショップを開催しました。

とてもシンプルな表現をするだけの時間ですが、
シンプルだからこそ滲み出るそれぞれの場所、人の特性が見えて、
だからこそ、ちょっと恥ずかしいような真面目な話も真剣に語れてしまったり、
人との距離がグイと近づく経験を重ねています。

その経験は、またボクに絵を描かせるし、
それがまた次の場所へと導いてくれるようです。

っと、
今回はかなりバタバタな11日の日記になってしまいましたが、
ともかく確かな一歩で進んでゆかねばです。

86ヶ月め

2018 年 5 月 11 日 金曜日


今日は2011年3月11日から2,618日
374週5日
7年2ヶ月
86回めの11日です。

2011年の震災直後より始めた「本・つながる・未来」
http://www.yakuin-records.com/amigos/?p=6095

ヴァイオリニストの金子飛鳥さんとHADEN BOOKSの林下英二さんとボクとが発起人となり、
震災後の夜の暗さの中でも表現することを続けようという目的とともに、
そこで集まったお金を本に変え、それを必要とするであろう場所へ送ろうという目的のもと、
青山のrainyday cafe で、そしてHADEN BOOKSへと場所を変えて続けてきました。

そして7年後の今、
はじめてその目的をひとつの形にしました。

長野県茅野市の今井書店の店主、高村志歩さんに絵本のセレクトをお願いし、
宮城県気仙沼市唐桑で小山さんご一家が営むカフェ Printempsに
「あすか文庫」と名付けて送っていただきました。

まずはその選書一覧(コメントは高村さんのもの、写真は小山さん撮影)

「くだもの」平山和子:作
日常、子供が食べる果物を鮮やかに描いた言葉の優しさも響く食べ物絵本。

「おかあさんといっしょ」薮内正幸:作
どうぶつと言ったら、薮内さんの絵本!生き物絵本。

「かんかんかん」のむらさやか文・川本幸:制作・塩田正幸:写真
かんかんかんのリズムと不思議な踏切。なぜか、子ども達の心をわし掴み。

「きゅうりさんあぶないよ」スズキコージ:作
ナンセンス!読みどころいっぱいです。何度読んでも飽きません。

「しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん」高野文子:作・絵
ぐっすり眠れますようにとのお願いに頼もしく答えるしきぶとんさん達。

「いしゃがよい」さくらせかい:作
 時の経つって言う事は。パンダのファンファンとエンさんの心に染みるいしゃがよい。

「あーといってよあー」小野寺悦子:文・堀川理万子:絵
声、出してみましょう!あなたの一番素敵な声、聴かせて!

「すずめくんどこでごはんたべるの」たしろちさと:文・絵
あなたのそばにもきっとすずめがいてくれる。同じ空の下、今日もご飯食べようね。

「かさもっておむかえ」征矢清:作・長新太:絵
私が傘持っておとうさんをお迎えに行くの。

「くもすおやぶんとりものちょう」秋山あゆ子:作
虫の時代劇絵本!書き込みが楽しすぎて、1人でも絵を読んで楽しめます。

「とんことり」林明子:絵  
とんことり、あなたも誰かにとんことり。待っているかもしれないいい音。

「とべ ちいさいプロペラき」小風さち:作・山本忠敬:絵
小さくたって空を飛べるよ。胸を張ってどこまでも大空へ。

「こんなおみせしってる」藤原マキ:作
あなたの周りにはどんなお店があるかな?探検したくなっちゃいます。

「てぶくろ」E・M・ラチョフ:絵・内田莉莎子:訳
てぶくろを大きく大きくして、誰と入ろうか?

「はらぺこあおむし」E・カール:作・ポプラ社
たくさん食べておおきくなったあおむし。さあ、美しい羽を広げて舞い上がれ!

「つきのぼうや」オルセン:作・絵・山内清子:訳
子どもの時、この本を梯子みたいに長い本だと思いました。小さい時のこの形を、ぜひ

「かいじゅうたちのいるところ」センダック:作・じんぐうてるお:訳・冨山房
ハラハラドキドキ、ちょっと怖くて、でもお家に帰れるってやっぱりうれしい事!

「ちびごりらのちびちび」ボーンスタイン:訳・いわたみみ:訳・ほるぷ出版
みんなに愛されているちびちび。子どもって本当に愛される存在です。

「こねこのぴっち」フィッシャー:作・岩波書店
とにかくかわいいぴっち。やっぱりお家が一番なんです。

「ラチとらいおん」マークベロニカ:文・絵 徳永康元:訳
子どもにはらいおんがいて欲しい。大人もらいおんが恋しかったりしますから。

「子うさぎましろのお話」佐々木たづ:文・三好碩也:絵・ポプラ社
ましろのおろかさとかわいさを全国にお届けしたいのです。

「からすのパンやさん」かこさとし:作
かこさとしの最高傑作です。パン屋さんは楽しいんです。

「いやいやえん」中川李枝子:作・大村百合子:絵
日本の子ども達にはいやいやえんはどうしても読んでもらって欲しいのです。

「かえるのエルタ」中川李枝子:作・大村百合子:絵
幼年ファンタジーのNO.1は実はカエルのエルタだと思っています。

「ピーターラビット第一集」(全3)ポター:作・石井桃子:訳
物語は実はなかなか読まれないピーター。このサイズがお家で読むにはほっこりなんです。

=追加=

「おつきさまこんばんは」林明子:作・福音館 

「パンどうぞ」彦坂有紀・もりといずみ:作・講談社 

高村さんの人生が反映されたような絵本のタイトルたち。
これを眺めただけでも、なんだか心が温かくなる思いでいます。

絵本の購入もネットで行えてしまう時代です。

その購入の判断が「間違いのないロングセラー」もしくは
「レビューや星の数」に左右されてしまっています。

ただ、ボクの個人的な考えだけど、
絵本ってそれだけじゃ選べないんだよなあ〜〜〜!です。

ちいさなお子さんに絵本を買い与えるのは親です。

子どもがつい手を伸ばしてしまう思いがけない絵本

お母さんの人生に添い続けてきた1冊

家族の歴史の代弁者となってくれるであろう1冊

そういったものとレビューの星の数って必ずしも一致するものでは無く、
高村さんのような目利きの方との信頼関係、
人と人、1対1の呼吸の中から手にできるものは、
やはり親子の間に確かな物語を生んでくれるって思うのです。

街の本屋さんがさらに失われてゆく中、
たとえばショッピングモールに併設された大手書店の本棚を見ると、
ネットの星の数が反映されたものになっているのに出会います。

それはそれで良いでしょう。

でも、やっぱそれだけじゃダメなんだよな〜〜〜
絵本。

こんな企画がちょっとでも心ある街の本屋さんの力になればいいなと。
震災なんていう事態から歩いてきた中で思い当たったのです。


絵本を送った先プランタンは、震災後に友人に紹介され、
これまで何度かワークショップを開催したりし、
ささやかだけど信頼関係を築いてこれたと思っています。

なにより、ここでの食事が美味しくて楽しくて、
そういったことこそこの店のボクへの信頼だったりします。

そんなプランタンは昨年メンバーに赤ちゃんが加わりました。

その成長と共に、
地域での子育て世代の心の拠り所になるであろうイメージのある場所でもあります。

被災地と呼ばれ過疎化も進む土地で、
豊かな表現の絵本があるからこそのささやかな親子の時間があること、
そこにボクは豊かな未来を想像しています。

ただ、こういったことが「ほどこし」で終わってはいけないなと。

ボクもこの文庫をプランタンと共に育てるつもりでいるし、
これからも唐桑のみなさんの友人でいられるよう、
ボクはボクの表現を真摯に重ねてゆかねばです。

そういった意味で「あすか文庫」はチャリティーではなく、
クリエイティブなアクションだと考えているのです。


プランタンの小山さんご一家は、
今回の文庫を恐縮されながらも喜んで受け取ってくださいました。

それをどうやってお客様に提供してゆくのか、
しっかり準備をした上で始めてゆくとのこと。

公開がきまりましたら、あらためてボクからもお伝えますね!

その前に行けたらいいな、唐桑のプランタン。

そしてなにより、ボクも高村さんに選んでいただける絵本を作るなくちゃだ!