2013 年 3 月 のアーカイブ

送られてきたものは

2013 年 3 月 22 日 金曜日


先日、両手に収まるくらいの段ボール箱が届きました

福島県内の放射線量の高い地域で暮すコドモたちを
線量の低い地域へ連れてゆき
屋外で思いっきり遊ばせる移動保育を重ねておられる
「ポッケア」移動保育プロジェクトからの小包

READY FORのクラウドファンディングで
「移動保育に使う大型のバスの購入代金」を呼びかけたところ、
目標の150万円が成立!

ボクはこのアクションに
昨年の個展でみなさんから預かった募金を寄付。

そのお礼として
移動保育に参加のコドモたちの笑顔が記録された写真集やDVD
バッジや手作りのキャンドルを届けてもらったということ。

箱を開けて「うれしいなあ〜」と思い、
しかしすぐに、
日々移動保育という、とぉ〜〜〜〜っても大変な現場に身を置かれる中で、
これだけのものを準備し梱包送付する手間を考えたら、
なんだか申し訳ないような気持ちにもなって、、

ただ、そこでもう一度想像力を働かせ、
自分が逆の立場であるとしたらどうだろうかと、

こどもたちの笑顔が語ることは
「どーぞボクたちを忘れないで!」という叫びではないかと、

「今回のお気持ち、どーぞ身近な場所でも育んでいってください」という
移動保育主催者からの強烈なメッセージではないだろうかと、

そう思ったのです。

うん、美談で終わりにしてはいけない、
ここからスタートなんすよね!!

今回のバス購入に際して、
寄付金の額によっては名前が車体に書かれるとのこと。

ボクがSNSを使いこのアクションを紹介したところ、
賛同してくれた人が何人もいて、
その中のお1人が、
名前を載せるより、ボクの描いた日本列島の絵を載せてくれと提案。

こんなアクションを継続してゆくための、
被災地からこちら側の人にとってのアイコンとなってくれるのであればと思い、
ボクも賛同。

昨年多くの方のご賛同を得て集まったお金、
きっとコドモたちの笑顔を載せて走ってくれるでしょう!

みなさん、ご協力ありがとー!

そして、ボクはいつか移動保育のたどり着いた先でコドモたちを待っていて、
一緒に絵を描くと言う夢を買うことが出来たのでした〜!

peace!!

ちいさいトラック

2013 年 3 月 22 日 金曜日


福音館から毎月発行されている絵本シリーズ
“こどものとも年少版”(対象2~4才)5月号
「ちいさいトラック」の作画を担当しました。

4月には配布や店頭販売が開始しますので、
ぜひ手に取られページをめくって頂けたらです。

原作はこれが絵本原作の処女作となる ねぎしたかこさん
長年に渡り図書館の児童サービスに携わってこられた方です。

編集担当の福音館O氏もこれが初めての絵本編集の仕事。

ボクは以前にも絵本を出していますが、
その後目指す絵本のあり方を考えている間に20年。
今回は“新人イラストレーター小池アミイゴの処女作”
そんな気持ちで取組んだ仕事になりました。

以下、この仕事のお話を頂いた3年まえから今に至る個人的な話など。

O氏からお話を頂いたのが3年前の2月
青山CAYで始まったばかりの作品展に足を運んでもらってご挨拶。
その後正式に「ちいさなトラック」を原作にした絵本の作画を依頼されました。

12月に息子が生まれたばかりで、父親としてゼロ歳のぼくは、
絵本作家としてもゼロ歳のつもりで、
編集O氏とそれこそ「ゼロからガンバってゆこう!」なんて話をしたはずです。

それでもザクッと描いたラフスケッチの段階で
この絵本の流れはほぼ完成していたはずだけど、
そこからが実に細かい作業の繰り返し。

ねぎしさんから指摘されるディテールの修正や、
o氏と意見の合わぬ部分があれば、とことん考えをぶつけあったり。

o氏とはお互い不条理を感じあう瞬間もあったはずだけど、
ともかく粘り強くコミュニケート。

そうすることでしか、
トラックのフォルムを削り出したり、キャラクターを育てたり、
1枚の絵でしかないトラックがどこまでも走ってゆけるようにしてあげることは
出来ないなあ〜と。

なにより、
910gの小ささで生まれてきた息子と「ちいさいトラック」というタイトルが重なって、
かーちゃんと共に奮闘し始めたばかりの子育てと、ちいさいトラックを絵本にまで育てる作業がリンク、

やはり子育て中のo氏共々尋常ならざる情熱を持ち、
トラックくんに命を吹き込んでいった3年でありました。

そんなわけで出版は大幅に遅れ、
原作のねぎしさん始め多くの方にご迷惑をかけたはずですが、
それでも、トラックくんと一緒に育ってくれた息子が、
送られてきた「ちいさいトラック」の梱包と解いた時に見せてくれた笑顔に、
この3年間の作業は間違いじゃなかったな〜と。

ほんとウレシい仕事になりました!

そして
トラックの成長と共にボクもo氏もきっちり3つ歳をとることが出来た、
そんな仕事でもあったはずです。

ちいさい頃から「こどものとも」育ちのボクだけど、
今回「こどものとも」の仕事をすることで、
あらためてイラストレーターとして成長してゆくためのスタートラインに立たせてもらったように思います。

ちいさいトラックが自分が誇れる仕事に出会うまでの小さなストーリー

この本をがこんなストーリーを必用とする人の手に届きますよう。

トラックくん、
人としてのあらゆる感情を載せて
どこまでも走ってゆきなよ〜!

福音館のoさん。
いい本になったね!
おつかれっす。

アンド

PEACE!!

3/24MHLワークショップ

2013 年 3 月 17 日 日曜日


服を買いにきたのに、服が絵の具で汚れてしまったのだ!スペシャル

3月24日日曜日
小池アミイゴの「だれでも絵が描けるワークショップ」
渋谷ディクショナリー倶楽部で開催のMHLコミュニティーマートで行います。

お子さん連れもウエルカム!
春の始まりに心と身体を振り切ってゆきましょう!
<MHLサイトご案内ページ>

・3月24日日曜日
・渋谷ディクショナリー倶楽部 MHLコミュニティーマート内> MAP
・13:00~ 1時間半~2時間くらい
・参加費:大人1000円/小学生以下無料
・画材等はこちらで用意します
・汚れても良いオシャレさんでご参加ください

参加希望の方
この記事のコメント残して頂けたら助かります。
が、
当日ブラリ参加もウエルカムです〜


昨秋に続き開催のMHLコミュニティーマート

マーガレットハウエルのカジュアルラインMHLを廻る「仲間たち」が
1つの空間をシェアして開催する
オシャレとものづくりとライフスタイルが交差する現場

今まではあり得なかった試みは多くの賛同者を呼び
コミュニティーマートの空間は
穏やかだけど活気のある時を生みました。

ボクは前回ちょっとお手伝いしたことで、
今回は自分のワークショップだけでなく、
その他のワークショップやライブのコーディネートも担当しています。
20日baobab、tricolor。23日バロンくんウクレレワークショップ&ライブ
24日はボクのワークショップの後、羊毛とおはなのお手伝い
30日藤裕美さんの眼鏡ワークショップ&撮影会、ナオミ&ゴロー、ペペカルフォルニアLIVEなどなど

ボクが東京や地方で手にしてきたこと、
この奇跡のような時間にちょっとでも反映出来たらなあ〜と、

社会がドカンと大転回する予感の手前で、
社会は1人ヒトリが創ってゆくんだってこと、
楽しく確認出来たらですね!

このマートのために作られた冊子に
イラストレーションをパラパラ使ってもらっていますので、
どこかで手にされてくださいね〜

24ヶ月め

2013 年 3 月 11 日 月曜日


2011年3月11日から2年
24ヶ月
731日めです

先日、東北の港町から手紙が届きました。

東北を廻る旅で出会い
その時の感動をブログで紹介させてもらった方、

偶然ボクのブログにたどり着き、
さらにボクの描いてきた絵にも出会い、
そこで感じたことを言葉にして届けてくれました。

そこには「ボクがなんで絵を描くのか」が書かれていました。

牡蠣やワカメの養殖をご家族で営まれ、
海産物直売所までを手がけられていた女性。

3月11日に被災。

その後の苦労は言葉に現せるようなものではなく、
それでもご家族と力を合わせ養殖を復活させ、
仮設の店舗だけど、
販売や地方発送するまで漕ぎつつけて来られている方。

ボクの描いたカモメのスケッチは、
震災後何度も見てきたカモメそのものであったとのこと。

ガレキの積み重なった港の空

震災後初めて島に渡り牡蠣を育てるために働いた5月の終わり空

牡蠣が全滅してしまった秋の空

ブームが去り観光客の減った復興市場の空

そこで見たカモメは虚しさの象徴のようであり、
ボクのカモメのスケッチは
その「なんとも言えない気持ち」を呼び起こしたようです。

そしてもう1枚、
白詰草の絵からは震災よりずっと前の感情が呼び起こされたとのこと。

幼稚園の教諭として社会に踏み出したばかりの時、
送迎バスの車窓から見た白詰草は、
風に揺れて笑っているように見えて、
気がつけば、バスの中のこどもたちも笑顔で、
「先生になったんだ」という喜びを感じたという記憶。

人は絶望の淵に在っても、空を見上げ、カモメを見つめ、
希望に包まれ1歩踏み出すところで、足元に咲く白詰草を見つけるんだ。

ボクはそんな人々が創る世界で生かされているんだ。

そんな愛しい1人ヒトリが、
無情にも失われてしまったり、
生活を奪われてしまった。

誠実に積み重ねられてきた時は
凍り付いてしまったかのようにして、
今も目の前にある。

それを見るのか見ないのか?

それはボクらがボクららしく生きるために、
日々突きつけられているリアルなクエスチョンだ。

手紙はさらに続きます。

「絵も歌と同じですね」
「歌を聞いて当時の思いにふけったり、すぐにタイムトリップできる感覚」
「絵にもそれと同じく、一瞬で当時の記憶に戻ることが出来るんだな」

この手紙が届いた日、
ボクはある音楽関係のイラストレーションの仕事に関して、
「唄はタイムカプセルのように一気に“あの頃”に戻してくれるけど、絵はどうなんだろうか?」
そんなことを考えながら夜道を歩き、家に帰りました。

そうしたらこの手紙に出会い、
そこにはボクの求めていた答えが書かれていた。

そんなサプライズ。

ボクが東北(もしくは被災地)を廻ろうと考えたのは、
その時1歳だった息子が物心ついた時、
3月11日以降の話を自分の言葉で語るため。
それが1番の目的だったはずです。

ボクが東北を描くのは、
被災地よりこちらで暮す人たちに向けてのものでした。

メディアから流れてくる被災地の映像に、
虚しく空を舞うカモメや、ただ風に揺れるだけの白詰草が写されることは無く、
あの日の凍える寒さも、底無しの暗闇も、その後の強烈な臭いも、
液晶画面から感じることは不可能であり、
そもそも、絶望に首まで浸かってしまった人が
カメラの前で語れることはあるのだろうか?
とか、

もちろん、
ボクが被災地にちょっと足を運んだくらいで、
そんなスベテを感じられるはずは無いのだけれど、
それでも自分の足で歩かなければなにも分らず、
分からないものは語れないなあ〜と。

ネットに溢れた“つぶやく”人にとって都合の良い情報や、
自分の身勝手な想像で組み立てたストーリーは東京に置いて、
目的も持たずに被災地を歩いてみたら、
カモメを見て、白詰草を見た。

それはもしかしたら、
その土地で暮す人も気付き見ていた美しさかもしれない。

ボクが絵を描くコトは、
そんな想像力を持って、
凍り付いた時の固まりの中から美しさを削り出す作業。

しかし今回、
ボクが旅先で出会い削り出した美しさを、
東北の漁港で生きる女性も偶然見ていたという事、
そのどうしようもない愛しさに出会うことが出来た。

そして、
あらためて、
ボクたちはそんな「愛しさ」をいとも簡単に失ってしまうんだ。

だから、
ただただ愚直にそんな愛しさと再会するチャンスを作り続ける。

ボクの「絆」や「復興」はそういうことであり、
絵を描く意味もそこにあるな〜と、

ボクはこの手紙を頂き、
初めて「これで死ぬまで絵を描ける」
そんなことを思いました。

ありがとう

そしてなにより、
塩竈の共栄丸水産に行って、
愛しきご夫妻が丹誠込めて育てた
それはそれはうめー牡蠣、食いてえー!!

2013
0311
PEACE!!

3月10日は群馬の実家が焼けた日。

妹から連絡もらい,東京から駆けつけると、
もはや家屋の解体が始まっていて、

ボクは色んなこと考えたはずだけど、
今思い出されるのは、
家の焼けたイヤな臭いと、
妹の肩を抱いた手の平に残る感覚、

そして、
玄関先でユンボで掘り起こされる梅の木の花の
一瞬の鮮やかな紅色。

そんな20年前の記憶も
頂いた手紙の言葉が呼び戻してくれました。

Good morning, Liffey

2013 年 3 月 4 日 月曜日


アイリッシュトラッドを無垢なハートで鳴らしてくれる
ボクが大好きな3人組み tricolor
http://tricolor3.web.fc2.com

その4月21日に発表される3rdアルバム
“Good morning, Liffey”のアートワークを担当しました。

彼らの自主制作ですが
しっかりとしたコンセプトの上
彼らが望む今の日本の生活に寄り添うアイリッシュサウンドが
ギュギュギューっと詰まっています
(3月11日の震災後初めて聴こうと思った音楽は、彼らの2ndアルバムだった)

なにより、
ジャケット制作にあたって
しっかりとしたコミュニケートを重ねてくれたことがウレシく

ならばと今までやったことないやり方で
イラストレーションを構築してみました

あれこれ大変だったけど
tricolorが好きな人だったら
ずっと手元に置いておけるものになったんじゃないかな?
なんて自負、自負、

3人で8種類の楽器を操り南アルプスの自然に抱かれた
麗しきアイリッシュパブで記録されたtricolorの音楽
ぜひ出会ってくださいね〜!

ちなみに、
3月20日はこちらでbaobabとリレー無料ライブ!!
http://www.margarethowell.jp/mhlmart2/
ボクも現場におりますよ〜