2016 年 5 月 11 日 のアーカイブ

62ヶ月め

2016 年 5 月 11 日 水曜日

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今日は2011年3月11日から1888日め
5年2ヶ月
62回目の11日です。

熊本大分の大地震発生からそろそろ1ヶ月。

厳しい状況に置かれた人、友人たちの様子が伝わるごと、
心安らかに眠れる日が早く訪れることを祈るばかり。

自分は無力な存在ではありますが、
それでも出来ることを発想しつづけ、
いつかみなさんの元気に役立つことが出来たらと思っています。

そんな折、
「母の日のチャリティーにこんなん作ったよ〜」と、
古くからの音楽仲間がカーネーションにみたてたKUMAMOTOさんを送ってくれました。

フランスからは、東日本に続いてKUMAMOTOさんを使った
「缶バッチチャリティー始めました」のご連絡が届いたり、

うんうん、そういうこと!
ほんと豊かな発想は1人ひとりの中に埋まっている。

そんなものを掘り起こすための「使い勝手の良いスコップ」のような絵、
LOVE KUMAMOTO 引き続きみなさんご利用くださいね〜!

LOVE KUMAMOTO イラストレーションフリー素材

先日まで花の絵の展覧会をやっていた那須黒磯のSHOZOでのことを、
もうちょっと言葉にしておきます。
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展覧会が終わり、片付けもほぼ終えたところで、
SHOZOのスタッフSさんがスッと近づいてきて、
「くまもとぼきん、私たちに引き継がせてください」って。

そのアプローチの仕方がとても自然で気持ちよくて、
そんな人との関係性がとてもうれしく、
もちろん「よろしくね〜」とバトンを渡してきました。

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SHOZOでの展覧会に向けては、
2月、3月と足を運び、那須の花を見て絵を描くことと共に、
スタッフに向けた絵のワークショップも重ねてきました。

それは、センスはあるけど表現のアウトプットが遠慮がちな
今の若い子たちのマインドに火をつけるとか、
風通しの良いコミュニケーションの雰囲気を構築するとか、
そんなオーナー側からの願いがあったはずです。

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さて、そんな試みは、少しは実を結べたんだろうか?なんて思ってたんだけど、
うん、小粒で甘酸っぱい実が育ってること、彼女の表情や言葉から感じたなあ〜。

で!
そうやってコミュニケートしてみると、
ボクよりずっと若い彼女が、
ボクは持ち合わせていないセンスに溢れていることに気がつく。

で!
ここまで3ヶ月のコミュニケーションの中で、
ボクへのアプローチを、段階を踏んで一歩一歩詰めてきてくれたこと。
今はSNSなどを使い、簡単に「つながる」ことが出来るのだけど、
SHOZOの3ヶ月のプロセスが、結果とても気持ちの良いものであったこと、
これからの現場でも忘れないでおこうと思いました。

いや、彼女だけでなく、
かなり多くのスタッフがそうやってボクにアプローチしてくれた
目に見えるオシャレ以上に、人の美しさを感じるSHOZOという場所です。

展覧会最終日の夜は
ゴールデンウィークのスタッフ激務とボクの展覧会のお疲れ様会を、
どうやらボクのキャラに合わせてくれた「小料理屋」形式で開催してくれました。
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こういうラフなパーティーでも、細部にわたり仕上げてゆく彼ら。
オシャレの意味、2016年5月8日の夜に更新しといたぜ。
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で、ボクからみんなへのお礼に、
塩釜の海産物の生産者でいつも懇意にしていただいている共栄丸水産さんから、
今が旬のアサリやワタリガニをドバっと送ってもらいました。

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いや〜〜、美味しかったなあ〜〜!!

その美味しさが、東日本の震災を乗り越え、どんな苦労の元に育んできたのか、
まあ、軽くだけどね、ボクが若い人に出来る最低限のお礼として話して。

あとは、みんなそれぞれの美味しいを大切にしていったらいいなと、
まあ、ちょいと呑みすぎたというわけです。。

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後日、共栄丸さんにお礼の連絡を入れたら、
塩釜からだったら那須ならなんとか行けたかもしれない、
しかし、GWのかきいれ時で残念。

しかし、ボクから伝わるSHOZOのオシャレな感じに、
私たちが足を運んでしまって良いのか?

そんな言葉を伝えてくれたけど、

いやいや、オシャレとかカッコイイは、
ボクの中ではSHOZOも共栄丸さんも同レベルで、
いわゆる日本の最高峰なわけです。

ともかく、コーヒーで、ワカメや昆布で、
どれだけ人をハッピーにできるか?
等身大の自身の姿確認し続けながら、
ほ〜〜んと良く働く。

うん、ほんと泣きたくなるほどカッコイイ。

これが無理して交わる必要は無いだろうけど、
こんな奮闘の現場を知ってるボクを、
SHOZOも共栄丸さんも知ってくれてること。

その意義のデカさに押しつぶされそうになりながらも、
ボクのなんとか頑張って生きてゆくのだ。

ともかく、
関東と東北を繋ぐ風通しの居場所黒磯で、
ボクは美味しいコーヒーと塩釜の海産物を食った。

そして、人に会い、言葉を交わした。

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吉祥寺から福島に移転する「ヒトト」の店主で
長崎雲仙在住の奥津さんと初めまして。

以前からいろんな人に会ってみればと勧められていた方だけど、
ちょっとそこに色んな理屈がありすぎて、、

で、実際に会ってみたら、
スカッとお互いざっくばらんに言葉を交わし、
お互いの考えの近似値を把握。

ローカルに生きること、
ローカルを結んでゆく意義、
東日本と熊本のことなどなど、
細部に渡り考えが重なってね。

そんな彼の店で働くのが、
SHOZOの元スタッフで、その働きっぷりをボクが心から愛したOさん。

彼女が発信する「福島」
それがボクのこれからの基準になってゆくはず。

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日本各地を渡り歩き、その土地にフィットした美しい建築空間を創造する、
諏訪に在住の東野さんご夫妻と初めまして。

ものつくりの足場をどこに置くのか、
個人がローカルに生きるために必要なこと、
震災のような事態を前に
「ひとり」に向かって支援のアプローチをすることなど、
やっぱ多くの部分で考えが重なる。

奥津さんも東野さんも、ボクよりずっと若いんだけどね、
学ぶというか、確認すべき大切なことに気づかされる。

いわゆる、未来に向けた美意識の元、
年齢とか関係なく視線の高さは一緒なんだよな〜と。
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ふと振り返れば、
会話の輪には自然とSHOZOの菊池省三さんもいるわけでね!

そんな経験をサラッと演出してくれる人間交差点SHOZOのダイナミックさ!

いや、演出じゃないんだよな、
人なんだよ、人!

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さて、それをボクはどう絵やイラストレーションに反映してゆこうか。

展覧会最終日の午前、
ちょっと時間があったので那須をランニング。

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ものすごく風の強い日だったけれど、
その自然の懐の深さを足の裏から感じる時間は、
とても貴重で豊かなことだなあ〜と。

ただ、そんな自然も、いつも人に寄り添っているわけではなく、
現在熊本や大分、東日本の各地、
いやいや、世界のあらゆる場所で自然は人に容赦の無い表情を見せる。

そのリスクを実感として持って生きなければならない今。

それでも人は自然無くしては生きられないと思ったした、
なぜ人がそれぞれの土地に惹かれ生きるのか、
あらためて考える時間になりました。

足元を見ると茎がほとんど無いタンポポ。
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こうやって那須からの強風に花を守りつつも、
綿毛の部分はしっかり茎を伸ばしているんだよね。

そんな姿がSHOZOで働く、
もしくは、那須に生きる人の姿とピタリ重なった
2016年5月8日午前11時ころ。

SHOZOのような場所で絵を展示していると、
多くの場面で、ボクの絵は一杯のコーヒーや、
丁寧にこさえられたごはんというものに負けてしまっているなあ〜と、
絵なんて無くなって人は生きて行ける、だよな。。

が、しかし、
ここで時を過ごし、絵の前で会話する中、
もしかしたらこの世から絵が無いと大変なのではないかと、
やっと、ちょっと、思えるようになった。
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さて、
来週20日からは静岡で、
「東日本」なんて名前をつけた展覧会が始まります。

絵にできること、
そのほとんどはこれから!
そう信じ、良い現場を作り、
多くの人と言葉を交わせたらと思っています。
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