2018 年 5 月 のアーカイブ

はるのあまくさ

2018 年 5 月 28 日 月曜日


4月19日から23日までの5日間、天草に行ってきました。

昨年8月に、やはり5日間滞在した天草。

77ヶ月め

夏の天草の魅力に触れ、ならば春の天草も知りたいと願い、
前回お世話になった天草市役所若手職員とのコミュニケーションも密に、
ボクがイラストレーションを提供した天草市役所職員の名刺で発生したギャランティの一部を還元するイメージで、
今回の天草行きを実現させました。

ボクの目的は、
・春の天草を感じること。
・市役所若手職員とのワークショップ
・天草の子どもたちとのワークショップ
・牛深のハイヤ祭り

加えて、天草市職員が用意してくれたのは、

・イルカウォッチング
・かかし祭り視察
・天草キリシタン館でキリシタンの歴史学習
・ハイヤ祭り前夜祭観覧
・ハイヤ踊り参加
・牛深での熊本県高森町との交流会参加
・市長さんへご挨拶
・副市長さんへご挨拶
その他などなど5日間シームレスなスケジュール。。
ハタチから30代前半の若手職員、
なかなかのハードワークを課してきますね〜!
イエイ。

去年は台風の影響で利用できなかった天草エアを利用し、
福岡空港から30分ほどのフライトで天草へ。

有明海、諫早の干拓地、島原雲仙、そして天草。

熊本県天草地方だけど、東シナ海と不知火の海に挟まれた天草は、
沖縄から奄美、鹿児島、長崎と連なる海の交易路の拠点というイメージ。

面白いな、天草。

天草空港に降り立つと、なにやらいい匂いがします、春の天草。

『採りたてのタケノコの皮を剥いだ時に香る瑞々しくも甘い匂い』ってイメージ。

海の近くにまで迫る山を見上げれば、
他の土地ではあまり目にしたことのない柔らかな緑。
黄色っぽく見えるところは、マテバシイなどの開花時期ってことなのか?

ともかく『緑の甘い香り』というものを初めて味わったボクです。

この香りに出会い、
春の天草を知ってみたいと思った直感は間違いじゃ無かったと確信。

「天草」の名前の由来を調べてみると、
・古事記に出てくる「天両屋(アマノフタヤ)」という島が天草のとことで、そこから転化した。
・天は海士(あま)の意で草は民草という意味。
・九州を中心として海浜に居住し、漁を生業として居た民族の島だったことからついた名ではないか。
・島に牧馬が多くいたため「うまくさ」→「あまくさ」に変化していった
・天草郡教良木に甘草が多かったため

などとあったけど、

たとえば、
その昔に船乗りが海の長旅の果てに春の天草に着いて、
この緑の甘い香りを嗅いだとしたら何を思っただろうか?

想像は尽きないなあ〜、天草。

そしてこの香り、天草滞在の5日間を通し、
山間の土地ではもちろん、街中でも海沿いでも感じ続けたのでした。

で、天草に着いた直後で天草市役所若手職員とのワークショップセッション。

去年の夏の天草アテンドは、
この小山薫堂さんのゼミ”N32″のメンバーによるものでしたが、
特に若い人たちは思いっきりカッチリとアテンドしてくれて、
それはそれで有り難かったのだけど、

大切なのは、これから天草の未来を創造してゆく彼らの、
職業を超えたところで感じる人となりってものが魅せてくれる天草だなと。

そんな「人に魅せる」ためのコミュニケーションの突破口として、
今回一緒に絵を描こうと提案しました。

結果、

ごくシンンプルな表現で描かれた「天草の甘い思い出」の絵、
その一枚一枚から、彼らに染み付いた天草の魅力をたっぷり感じることができました!

詳しいことは割愛させてもらいますが、
彼らの意識に通底する天草の海の色の美しさに出会い、
これはなにか素晴らしいものが作れるんじゃないかって確信を得ました。

で、なんつったって、ワークショップセッション終了後のみんなの湯上りのようは表情。
ボクの本当の天草は、彼らの笑顔からスタートするんだと思いました。

打ち上げ、呑んだな〜〜。。

2日目はイルカウォッチングなどなどから始まり。
もちろん、イルカとの出会いはたまらなくキュートなことなんだけど、
実は、イルカウォッチングに関わる人たちがそれ以上にキュートで、
そのユルさや大らかさが、やはり天草ならではと思えたり、
中国からの観光客がドバドバ参加した際の売り上げはどれくらい?
なんていう計算にクラクラしてみたり。

イルカちゃんたちも、この天草の人たがあってこと、
ハッピーにウォッチングされているんだろうね!

で、夜は天草の南端”牛深”のホールで、
牛深ハイヤ祭りの前夜祭「輝けハイヤの競演」観覧。

*牛深ハイヤ祭り
http://ushibuka-haiya.com

かなり疲れて眠かったのだけど、
いや、おもしろかったなあ〜〜!!

正調の本ハイヤ節だけじゃなくて、
ロックアレンジや和太鼓を入れたもの、
で、なんつっても古の宴会芸としてのハイヤを再現したもの。

すべてに通して言えるのは、
演ずるみなさん笑顔であること。

ハイヤ節とは、牛深に寄港した船乗りたちをもてなすために牛深の女性たちが歌い始めた唄です。古くから天然の良港であり豊かな海産物の産地でもあった牛深港は、日本各地に寄港する北前船などのシケ待ちの港としても賑わっていました。その酒宴の席で歌われ、江戸時代に全国へと広がったハイヤ節は、全国のおけさや甚句などのハイヤ節系統民謡のルーツとされています。

「祭り」というと「神様」と紐付けして、
ある意味地域をまとめ上げる機能のものって考えでいたけど、

牛深のハイヤは神様不在の「笑顔のおもてなし芸」だってことの面白さ!

面白いから日本全国に広がっていって、
場所によっては土地の神様が紐付けされて権威を纏うこともあっただろうけど、
牛深のハイヤはあくまでも大らかに、はじめましてのボクでも楽しませてくれちゃう。

ある市の職員さんとお話しさせてもらった際、
「ハイヤ踊りのYOSAKOIソーラン化を考えている」とうかがい、
「それはやめてください〜〜」と嘆願。

笑顔のおもてなしダンスであるハイヤ踊りは、
威圧的自己陶酔ダンスなイメージなYOSAKOIソーランでは無く、
これからも朗らかに大らかに続いていってもらいたいなあ〜

このマインド、今の日本が本当に必要としているものだと思うし、
そもそも、ソーラン節もルーツを辿ればハイヤ節なんだよね〜

牛深の方々〜、
ハイヤはハイヤとして今こそ日本列島を練り歩いちゃってくださいよー!


春の天草3日目は、牛深の公民館で子どもワークショップ。

牛深ハイヤ祭り当日ということで、参加者あるのか心配したけど、
来ましたね〜!天草ディープな牛深っ子。

古い公民館という素晴らしいシチュエーションに、
仕切りは市役所ヤングチームでも最ヤングな女子2人。

元気はつらつ過ぎな子どもたちに、
ソフトにフレッシュに対応してくれ、
結果、想像をはるかに超えた伸び伸びとした線と色彩が広がりました。

ネットを触れば日本中、てか世界中でほぼ均一な情報に触れられる時代にあって、
牛深の子どもたちは(崎津から参加の子どももいた)、独特の感性を持っているイメージ。

ボクがなにか与えるなんて以前で、世界の中でも稀有な感性を持っていて、
それをオトナが気づき、大切にしていってもらえたら、
20年後には『世界に誇れるささやかな文化』なんてものが醸造されてはいないだろうか。

そんな期待をしてしまえた子どもたちのエネルギーに出会えた現場でした。

この日牛深に来る前に、天草の大きなショッピングセンターに寄ってもらいました。

その利便性と共に、
土地の独自な文化を均一化させてしまうイメージもある巨大なショッピングセンターですが、

ハイヤ踊りや子どもたちとのワークショップを経験して、
天草はショッピングセンターの利便性と独自の文化を
社会の中で共存させゆける底力があるように思いました。

いや、ぜひそうしていってもらいたいな〜、天草。

この日も、観光ガイドに載っていない、なんでもない風景にグッときっぱなしのボクです。

このなんでもなさをキープすることは、大変なことなんだと、
自分の生まれ育った土地を思い、実感しています。

しかし、失われたものを取り返すことはさらに大変。

いや、どうしたってささやかでなんでもない風景なんてものは、
失われてゆくのでしょう。

ただ、それを愛した心持ちを失わないでいることで、
生かしてゆけるものはあります。

なんてことを、春の天草はボクに一生懸命語らせようとします。

そんな思いを抱いたまま、
夜は牛深のハイヤ祭り取材。

のつもりが、
市の職員さんに呑まされ「踊りますよね!」「ね!」と押し切られ、
踊りましたよ、ハイヤ踊り。

ハイヤの絵を描きたくてきたんだが、
踊ってしまいましたよ。。

でも、踊ってよかった!
1時間半の町内踊り歩きで足腰筋肉痛だが、
なるほどこれが牛深のハイヤ!

誰でもウエルカムで踊らなソンソン、
ヨイサー、ヨイサー

う〜〜〜ん!庶民から生まれた
『生きてる限りなんもかもあるさ、だからクヨクヨする前に踊っちまいましょー!』という哲学。
素晴らしいなあ〜〜。

牛深、アイルランドにもニューオリンズにもリオにも直結してるなあ〜。

あ、踊っていたので写真ありません。。

絵を描くためには、また行かねばだ、牛深。

で、そのまま牛深と熊本県高森町との交流会参加、深夜まで。
またまた呑んだなあ〜〜〜。。。


で、春の天草4日目。

昨晩の酒が、、と心配しながらも、
ハイヤ祭りの1つのクライマックス、
漁船のパレードに参加させてもらいました。

海の無い群馬と海のある千葉の暴走族の違いが、よーく分かった。
いや、海に生きる人々の誇り、素晴らしい!

春の天草の海の風、気持ちよか!!

こんな経験をさせてもらって初めて
天草の人たちが語る「天草のここを見て!」を実感として掴むことが出来ました。

と同時に、
生活の中になんでもなく存在する人の作る小さな風景ってものに、
さらにグッときてしまったです。

うん、どっちも天草。
素晴らしい!

そして牛深から本渡に移動。

ここが本来一番の目的、本渡の子どもたちとのワークショップ。
天草一番の繁華街であったアーケード街”銀天街”で
空き店舗になっている元化粧品屋さんが現場です。

当初「定員20名」で、
ちょっとくらい増えても大丈夫なんて話をしていたけど、

天草に着いてから予約がどんどん増えている連絡が入り、
その度に画材の買い出しとかに奔走、、
結果、予定の倍以上の子どもたちが集まりました。

天草の子どもたち、放っておいても力を出せる子たちです。

この辺、ここ1年で向き合ってきた都会の子どもたちとちょっと資質が違う。

で、もちろんこれだけ人数いたら、めちゃくちゃふざける子も、
アプローチがなかなか出来ない子もいるんだけど、
その個性が明快に見えるということでも、天草素晴らしいなと。

ボクのやってることは教育じゃ無いので、
絵が描けない子は無理して描くことはなく、
この状況で自分の居場所を見つけてくれたらまずはOK。

そうできるためには、
ボクだけでなく、見守っている親御さんがどう子どもたちに接するかが大切で、

これは福島の柳津でワークショップでも語ったことだけど、
オトナは子どもたちに自由を与えるんじゃなくて、
子どもたちが自由になれる現場を造ることが大切なんだなと。

子どもたちがダンゴムシのようなカッコして絵に没頭している限りは、
ただ見守っていれば良くて、
興味が薄いようであれば、まずは次のアクションを待っていれば良いし、
飽きてしまったら、しょうがないと思ってもらえばいいし、
ただ、みんなが描いているのを妨害するような行動があれば、
それよりもっとカッコいいことがあることを確認しあってくれたらいいな。

そんな考えでやってみたら、
やっぱすごいのが生まれちゃうんだよね。

写真の絵は「アミイゴさん」だって、、

こんなん、オトナが描かせようとしても描けるものじゃない。

そして、ハイヤ踊りの絵!

素晴らしいなあ〜!

この部分、綺麗に撮影して、天草のポスターとかなにかに利用したらいいね!

っと、、よく見るとチョイチョイ版権で言われちゃいそうなキャラが、、

でも、ほんとこんな力強いものは、社会で共有してもらいたいし、
育てていってもらいたい。

で、ヘロヘロに疲れてワークショップ終了。

天草のワルイ子ちゃんたち、すごかったよ〜〜〜!!!

で、
あらためて今回最大の成果は、
8月に出会って色々良くしてくれた天草市役所若手職員チームN32のみんなが、
夏には出会えなかった笑顔を見せてくれたこと。

市役所職員、市民の下僕としてキッチリとした仕事をしなくちゃなりません。
が!人を幸せにする施策を考え出す際は、笑顔の発想でいてもらいたいな。

それは独りよがりの笑い顔じゃなくて、
広い視野で見て出会った地域の大切なもの1つ1つが生んでくれる笑顔。

清く正しく質実剛健に、がしかし、しなやかにセクシーに寛容的に。
春の天草にはそんな多様性を受け止める力を感じたのです。

打ち上げ、
呑んだ〜〜〜。。。

カラオケも行ったなあ、、

天草5日目は朝イチでフライト。
天草エアで熊本空港トランジット、午後の羽田へ。

家から乗り換え4回で天草かあ〜〜。

天草のみなさん、ありがとう!
と語る前に、
もう「次どうします?」なんて連絡が届く。

この軽さ、日本を救うぜ!

俺の絵でポロシャツ作ってるし、
その売り上げでまた俺を天草に呼ぶって言ってくれちゃってるし。。

ところで、
銀天街で営業を再開した「まるきん」のたい焼きとコーヒー。

たい焼きっていっても、ほぼ洋菓子。
それもかなり上品な味わいで、コーヒーによく合う!
疲れた体と心にしみました。

「は る の あ ま く さ」

声に出してみると、
なんだかほっとしますね!

そんなこんなのきっかけ作り、
小山薫堂さんありがとう!!

天草のみなさん。
LOVEです!!!

「はるはあまくさ」
日本の常識に変えてゆきますね〜!

86ヶ月め

2018 年 5 月 11 日 金曜日


今日は2011年3月11日から2,618日
374週5日
7年2ヶ月
86回めの11日です。

2011年の震災直後より始めた「本・つながる・未来」

本・つながる・未来

ヴァイオリニストの金子飛鳥さんとHADEN BOOKSの林下英二さんとボクとが発起人となり、
震災後の夜の暗さの中でも表現することを続けようという目的とともに、
そこで集まったお金を本に変え、それを必要とするであろう場所へ送ろうという目的のもと、
青山のrainyday cafe で、そしてHADEN BOOKSへと場所を変えて続けてきました。

そして7年後の今、
はじめてその目的をひとつの形にしました。

長野県茅野市の今井書店の店主、高村志歩さんに絵本のセレクトをお願いし、
宮城県気仙沼市唐桑で小山さんご一家が営むカフェ Printempsに
「あすか文庫」と名付けて送っていただきました。

まずはその選書一覧(コメントは高村さんのもの、写真は小山さん撮影)

「くだもの」平山和子:作
日常、子供が食べる果物を鮮やかに描いた言葉の優しさも響く食べ物絵本。

「おかあさんといっしょ」薮内正幸:作
どうぶつと言ったら、薮内さんの絵本!生き物絵本。

「かんかんかん」のむらさやか文・川本幸:制作・塩田正幸:写真
かんかんかんのリズムと不思議な踏切。なぜか、子ども達の心をわし掴み。

「きゅうりさんあぶないよ」スズキコージ:作
ナンセンス!読みどころいっぱいです。何度読んでも飽きません。

「しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん」高野文子:作・絵
ぐっすり眠れますようにとのお願いに頼もしく答えるしきぶとんさん達。

「いしゃがよい」さくらせかい:作
 時の経つって言う事は。パンダのファンファンとエンさんの心に染みるいしゃがよい。

「あーといってよあー」小野寺悦子:文・堀川理万子:絵
声、出してみましょう!あなたの一番素敵な声、聴かせて!

「すずめくんどこでごはんたべるの」たしろちさと:文・絵
あなたのそばにもきっとすずめがいてくれる。同じ空の下、今日もご飯食べようね。

「かさもっておむかえ」征矢清:作・長新太:絵
私が傘持っておとうさんをお迎えに行くの。

「くもすおやぶんとりものちょう」秋山あゆ子:作
虫の時代劇絵本!書き込みが楽しすぎて、1人でも絵を読んで楽しめます。

「とんことり」林明子:絵  
とんことり、あなたも誰かにとんことり。待っているかもしれないいい音。

「とべ ちいさいプロペラき」小風さち:作・山本忠敬:絵
小さくたって空を飛べるよ。胸を張ってどこまでも大空へ。

「こんなおみせしってる」藤原マキ:作
あなたの周りにはどんなお店があるかな?探検したくなっちゃいます。

「てぶくろ」E・M・ラチョフ:絵・内田莉莎子:訳
てぶくろを大きく大きくして、誰と入ろうか?

「はらぺこあおむし」E・カール:作・ポプラ社
たくさん食べておおきくなったあおむし。さあ、美しい羽を広げて舞い上がれ!

「つきのぼうや」オルセン:作・絵・山内清子:訳
子どもの時、この本を梯子みたいに長い本だと思いました。小さい時のこの形を、ぜひ

「かいじゅうたちのいるところ」センダック:作・じんぐうてるお:訳・冨山房
ハラハラドキドキ、ちょっと怖くて、でもお家に帰れるってやっぱりうれしい事!

「ちびごりらのちびちび」ボーンスタイン:訳・いわたみみ:訳・ほるぷ出版
みんなに愛されているちびちび。子どもって本当に愛される存在です。

「こねこのぴっち」フィッシャー:作・岩波書店
とにかくかわいいぴっち。やっぱりお家が一番なんです。

「ラチとらいおん」マークベロニカ:文・絵 徳永康元:訳
子どもにはらいおんがいて欲しい。大人もらいおんが恋しかったりしますから。

「子うさぎましろのお話」佐々木たづ:文・三好碩也:絵・ポプラ社
ましろのおろかさとかわいさを全国にお届けしたいのです。

「からすのパンやさん」かこさとし:作
かこさとしの最高傑作です。パン屋さんは楽しいんです。

「いやいやえん」中川李枝子:作・大村百合子:絵
日本の子ども達にはいやいやえんはどうしても読んでもらって欲しいのです。

「かえるのエルタ」中川李枝子:作・大村百合子:絵
幼年ファンタジーのNO.1は実はカエルのエルタだと思っています。

「ピーターラビット第一集」(全3)ポター:作・石井桃子:訳
物語は実はなかなか読まれないピーター。このサイズがお家で読むにはほっこりなんです。

=追加=

「おつきさまこんばんは」林明子:作・福音館 

「パンどうぞ」彦坂有紀・もりといずみ:作・講談社 

高村さんの人生が反映されたような絵本のタイトルたち。
これを眺めただけでも、なんだか心が温かくなる思いでいます。

絵本の購入もネットで行えてしまう時代です。

その購入の判断が「間違いのないロングセラー」もしくは
「レビューや星の数」に左右されてしまっています。

ただ、ボクの個人的な考えだけど、
絵本ってそれだけじゃ選べないんだよなあ〜〜〜!です。

ちいさなお子さんに絵本を買い与えるのは親です。

子どもがつい手を伸ばしてしまう思いがけない絵本

お母さんの人生に添い続けてきた1冊

家族の歴史の代弁者となってくれるであろう1冊

そういったものとレビューの星の数って必ずしも一致するものでは無く、
高村さんのような目利きの方との信頼関係、
人と人、1対1の呼吸の中から手にできるものは、
やはり親子の間に確かな物語を生んでくれるって思うのです。

街の本屋さんがさらに失われてゆく中、
たとえばショッピングモールに併設された大手書店の本棚を見ると、
ネットの星の数が反映されたものになっているのに出会います。

それはそれで良いでしょう。

でも、やっぱそれだけじゃダメなんだよな〜〜〜
絵本。

こんな企画がちょっとでも心ある街の本屋さんの力になればいいなと。
震災なんていう事態から歩いてきた中で思い当たったのです。


絵本を送った先プランタンは、震災後に友人に紹介され、
これまで何度かワークショップを開催したりし、
ささやかだけど信頼関係を築いてこれたと思っています。

なにより、ここでの食事が美味しくて楽しくて、
そういったことこそこの店のボクへの信頼だったりします。

そんなプランタンは昨年メンバーに赤ちゃんが加わりました。

その成長と共に、
地域での子育て世代の心の拠り所になるであろうイメージのある場所でもあります。

被災地と呼ばれ過疎化も進む土地で、
豊かな表現の絵本があるからこそのささやかな親子の時間があること、
そこにボクは豊かな未来を想像しています。

ただ、こういったことが「ほどこし」で終わってはいけないなと。

ボクもこの文庫をプランタンと共に育てるつもりでいるし、
これからも唐桑のみなさんの友人でいられるよう、
ボクはボクの表現を真摯に重ねてゆかねばです。

そういった意味で「あすか文庫」はチャリティーではなく、
クリエイティブなアクションだと考えているのです。


プランタンの小山さんご一家は、
今回の文庫を恐縮されながらも喜んで受け取ってくださいました。

それをどうやってお客様に提供してゆくのか、
しっかり準備をした上で始めてゆくとのこと。

公開がきまりましたら、あらためてボクからもお伝えますね!

その前に行けたらいいな、唐桑のプランタン。

そしてなにより、ボクも高村さんに選んでいただける絵本を作るなくちゃだ!

天草市役所職員の名刺

2018 年 5 月 6 日 日曜日


天草市役所職員の名刺の裏に天草を巡って描いた絵100種類を添えました。

市役所職員からひとり2000円の賛同者を募りボクの天草の絵の入った名刺を作るという企画は、
天草出身の小山薫堂さんと天草市役所若手職員による小山薫堂ゼミN32のメンバーによるもの。

作画のための天草取材は2017年8月。
天草に触れ、その魅力を伝えるために、下書き無しのフリーハンドのドローイングを選び、
250枚を超えるスケッチを描き、市役所職員の投票で選ばれた100点が名刺になりました。

描いた絵は名刺というメディアに限らず、天草のみなさんの必要に答える可能性を探ってゆくとともに、
イラストレーションの新しい仕事あり方を考えるきっかけにもいしてゆきたいです。

以下、このプロジェクトについて小山薫堂さんのFBを引用しておきます。

市役所職員の名刺は基本的に自腹なんです!・・・と天草市役所の若手たちに聞き、一つの企画が閃きました。
職員それぞれが自主制作してしまうとデザインがバラバラで統一感に欠け、市のイメージもうまく伝わりません。
名刺は大切なブランディングツールです。 そこで天草市役所の若手有志の皆さんとチームを結成し、
市役所内で「みんなで一緒に名刺を作りましょう!」と呼びかけました。

もちろん支払いは自腹ですが、大量発注することで個々でお願いするよりもコストが抑えられます。
ただし初回のみ、一人あたり「印刷実費+2千円」をお支払いくださいとお願いしました。

名刺の裏側には、天草の風景画を入れます。
イラストレーターの小池アミイゴさんの素朴な鉛筆スケッチが、天草に流れる飾らない時間に似合うと思いました。
職員が追加で支払う2千円がアミイゴさんへの謝礼です。
50人の職員が賛同してくれればアミイゴさんに10万円の謝礼を支払えることになります。
「東京から天草までの往復交通費と宿泊費は僕がおごりますので、この仕組みで引き受けてくれませんか?」とアミイゴさんに頼んだところ、「たとえ賛同者が一人でもやりますよ!」という答え。
小池アミイゴ、男ばい!

アミイゴさんは数日間天草を巡り、天草のなんでもない普通の風景をおよそ250枚もスケッチしました。
そして天草市役所の賛同者は・・・予想を遥かに上回る240名!
全員の投票によって250作品を100作品に絞り込み、天草百景が描かれた名刺が完成しました。
小池アミイゴさんの天草への愛と、天草市役所職員の情熱によって完成した自腹の名刺は、コレクションしたいくらいに素敵な雰囲気に仕上がっています。
ぜひ、天草市役所の人に会ったら「名刺ちょうだい!」と言ってみてください。

そしてさらに、アミイゴさんのスケッチがあまりにも素敵だったので、簡単なスライドショーにして天草のPVを作ってみました。音楽は押尾コータローさんにご協力して頂きました。税金を一銭も使わずに制作した天草市のPR映像・・・良かったらご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=w_gargQwAB0

今回描いた絵のうち50点ほどを以下のリンクで紹介しています。
https://tis-home.com/amigos-koike/works/12561

5/29旅の絵はがき教室

2018 年 5 月 6 日 日曜日


旅の絵はがき教室 −線1本からストーリーを表現できるということ−

5月29日(火)小山薫堂さんのオフィスに併設されるカフェ、
ORANGE BRAINERYでオトナワークショップ開催です。
https://orangebrainery.com/contents/79

●日時:2018年5月29日(火)19:30〜21:30
●登壇:小池アミイゴ(イラストレーター)
●定員:20名
●会費:3,000円(税込)※画材費を含みます
●申込受付:https://postcard.peatix.com
●服装:汚れてもよいオシャレでご参加ください。

ORANGE BRAINERY
東京都港区麻布台1-11-10日総第22ビル1F
03-3560-3727

“アイデアのまちあわせ場所”と訳される場所で、
いつもの粗野なボクのワークショップも「旅の絵葉書を描く」と素敵に訳されています。

天草のひとり2000円名刺プロジェクトや、羽田空港での「旅する日本語」プロジェクトで
ご縁といただいている小山薫堂さんとそのスタッフ。
今の時代に絵をイラストレーションをどう語り売ってゆくのか、毎回とても良い刺激を受けています。

まあ、ボクのやることはいつもと変わらず、
絵を通して1人ひとりと気持ちの良くコミュニケートしてゆくだけっす。

「わたし、絵が描けないから〜、、」なんて方こそウエルカム。
五月病治療くらいの気持ちで参加されても良いかもですよ〜

ORANGE BRAINERYには安西水丸さん直筆の巨大4コマ漫画が2点展示されてますしね〜

楽しくやりましょ〜!!

5/19福島で畑ワークショップ <天候不良のため延期

2018 年 5 月 6 日 日曜日


!!こちらの企画は5月19日20日両日ともに雨の予報になってしまい、
夏に延期となりました。
詳細まとまり次第お伝えしますので、あらためてのご参加よろしくお願いいたします。

福島市でとても美味しいオーガニックな食堂を営んでいる「食堂ヒトト」のワルダクミ!
震災から7年、ボクに出来ることを探し続け、友を得て、ボクらしい企画が生まれました。
泥まみれ絵の具まみれになって、心も体も免疫力高めましょう!

大江ファーム×小池アミイゴ
こどもと畑のワークショップ

畑仕事で一汗かいて、とれたての野菜ランチを味わい、みんな絵を描くワークショップ。
親子で畑を楽しみ味わう、ヒトト念願の日帰り企画です。豊かな畑の景色の中へ親子でぜひ!

*5/19(土) ~雨天延期の場合5/20(日)
*大江ファーム
福島県喜多方市山都町三津合字上小阪5882-42
https://goo.gl/maps/arQAKXsZjhH2

*集合時間:9:00
*定員親子:10組
*参加費
親子(親御さん1人お子さま1人)5000円
追加の場合はお一人につき、大人3000円 お子さま2000円
*持ち物長靴、帽子、汚れてもいいおしゃれ

*お問い合わせ・お申し込み:食堂ヒトト
024-573-0245‬
‭hitoto.fukushima@gmail.co‬m

*現地集合になります。
行き方が心配な方はお気軽にご相談ください。
到着次第、駐車スペースにご案内します。


大江さんは力強い生命力あるおいしい野菜をいつもお店に届けてくれます。
そんな福島の誇れる農家さんがいることを知ってもらいたい。
子供たちにこそ本物の野菜の味を知ってほしい。
そんな思いでこの企画ははじまりました。

今回大江ファームとコラボして下さるのはフリーのイラストレーターの小池アミイゴさん!
以前アミイゴさんの子どものワークショップに参加したとき、のびのび絵を描く子どもたちの見る世界は、
自由で、美しくて、とても感動したのを覚えています。
単に絵を描くことにとどまらない大事なことを、子どもたちやアミイゴさんから教えてもらった気がしました。
いつか、福島の風土を感じながら、畑を舞台に子どもたちとアミイゴさんのワークショップが出来たらいいなと思っていて、
それが今回実現できることになりました。

野菜の種を蒔いてから実るまで、春夏秋の全3回を予定しています。
大江さんの畑仕事に触れながら、福島の豊かな自然を感じて、一つの物語を一緒に紡いでいきましょう。

☆お昼はとれたてのお野菜を使ったごはんをご用意します。

[スケジュール]
9:00-10:30 畑仕事(最初に大江さんアミイゴさん紹介)
10:30-11:00 休憩(お茶タイム)
11:00-12:00 畑仕事
12:00-13:30 お昼
13:30-15:00 誰でも絵が描けるワークショップ

【大江一男さんプロフィール】

福島県喜多方市山都町生まれ。
有機農業を始め37年。60種類もの有機野菜を育て、土を守り続ける。
自家製の発酵肥料を使い、微生物の力を借りて循環型農業に取り組んでいます。
イベントを地域の人、若い人と共に畑で企画するのが大好き。
3人の子供を育て上げ、今は奥様の久子さんと猫2匹(ウニとマロン)と一緒に暮らしています。

【小池アミイゴさんプロフィール】

群馬県生まれ。長澤節主催のセツモードセミナーで絵と生き方を学ぶ。
1988年よりフリーのイラストレーターとして活動。
2000年以降日本各地を巡り、地方発信のムーブメントをサポート。
震災をきっかけに、東北へも足を運びその土地に根ざした暮らしや風景を描いている。
より小さな場所で唄を手渡すようなLIVEイベントや絵のワークショップを重ねる。

今年の4月からアミイゴさんと小山薫堂さんのアートプロジェクト「旅する日本語」が羽田空港にて開催しています。
その中に、昨年冬に大江ファームを訪れたときの絵も飾っていただいてます。