2019 年 1 月 1 日 のアーカイブ

個展「東日本」5回めの開催

2019 年 1 月 1 日 火曜日


2012年3月の開催から5回めとなる「東日本」と名付けた展覧会です。

小池アミイゴ個展「東日本」そして「旅する日本語」原画展
2019年1月10日(木)-19日(土)
・日曜日休廊
11:00~19:00・最終日~17:00マデ

SPACE YUI
〒107-0062 東京都港区南青山3-4-11
早川ビル1F
TEL.03-3479-5889
http://spaceyui.com/
会場の都合上、お花等のお心遣いは謝辞いたします。
前回までの横浜仲町台への巡回展は今回ございません。

「あの日から8年」の今、絵だからこそ出来ることはこれからが本番と確信し、
今回もこのタイトルで展覧会を開催することにしました。

=展示内容=
日本各地を巡り描いた風景や花、人の暮らしの絵
天草や知床を描いたスケッチによる映像作品
羽田空港第1ターミナル出発ロビーで展開中の「旅する日本語」の原画
近作の絵本の原画で今回のテーマに沿うものなど。

yuiでは絵の販売と共に、絵本「とうだい」や「うーこのてがみ」
yui企画によるジークレー版画や花の絵のポストカードセット
オリジナルTシャツの販売も行います。

東日本大震災を機に巡った東北の太平洋沿岸部、もしくは「東日本」と呼ばれた地。
そこでの人との出会いは、ボクに絵を描く大きなモチベーションを与えてくれ、
そうした人との繋がりやそこから生まれた作品は、ボクをさらなる土地へと向かわせ、
また1枚と絵を描くモチベーションを膨らませ続けてくれています。

今回5回めの開催となる「東日本」では、知床や天草など新たな土地での発見や、
個人的なモチベーションで描いてきた絵が、イラストレーションとして昇華したものなど、
同一のテーマで5回続けて来たからこその「今」を表現してみます。

特に小山薫堂氏と羽田空港第1ターミナル出発ロビーで展開中の「旅する日本語」では、
1辺4メートルほどのサイズにレイアウトされ展示されている絵の原画が、意外と小さいことなど、
イラストレーションという仕事の面白さにも触れてもらえるはずです。

「平成最後の」とか「TOKYO2020を前に」など、
世の中のザワザワと一線を画したところで、
ボクたちがこれからも大切にしてゆくべき美しさについて、
心穏やかに語り合えるような展覧会であろうと願っております。

寒さ厳しい時でありますが、
みなさんどうぞごゆるりと足を運ばれていただけますよう、
美しい空間を創ってお待ちしております。

なお、
今回の展覧会は内容を改め、3月2日~10日の期間で、
宮城県塩釜市の杉村惇美術館でも開催いたします。

東日本で受け取ったもの、
確かな形でお返ししてゆくあれから8年の春です。

2019花の絵のカレンダー

2019 年 1 月 1 日 火曜日

あけましておめでとうございます。
皆様の無病息災を祈念し、花の絵の仕事をアップしてみます。

SBIいきいき少額短期保険株式会社が採用してくれた
「その辺に咲いている花」を描いた花の絵のカレンダーです。

ほんとに地味な花の絵ばかりですが、こんな絵にも理解を注いで下さり、
こういったものを必要に思ってくれる人を想像し、繋いでくださる方のおかげで、
気持ちの良いカレンダーが生まれました。

ごくごく私的な創作として描き続けている花の絵ですが、
これからもしっかり育ててゆこうと思います。


表紙:知床の野菊 野に咲く花はじっとしていてくれたりしません。
知床で出会った花は、知床の風に吹かれた姿が美しいのだと思いました。


1月:春の七草 栃木県の黒磯に大好きな珈琲屋があります。
そこの若くて働き者のスタッフたちのことを思い、描きました。


2月:紅梅 とても気持ちの良いご家族と時を過ごした後、渋谷で見た紅梅です。
ボクは人と出会うことで花を見つけることができるようです。


3月:サクラソウ 群馬で農家を営む伯父は、ボクの描いた花の名を次々に言い当て、
サクラソウは一株くらいがポツンと咲いてるのがいいと言いました。


4月:染井吉野 渋谷区近所の桜の老木が切られてしまうことを聞いて、
小学3年生の息子が泣きました。それを見てボクもちょっと泣きました。


5月:ポピー 天草を案内してもらっている時出合った花は、
天草で出会った人そのもののように、天草の海風に揺らめいていました。


6月:額紫陽花 大家さんの家の庭に咲く額紫陽花は、
その手入れに丹精込められていた奥様を忍ばせる姿で、雨の中にありました。


7月:ルドベキア 友人のお父さんが働いていた長崎県の炭鉱の島で出会った花は、
やはり出会った頃の友人のように見えたのです。


8月:朝顔 明け方近くの窓ガラスにシルエットで見えた朝顔。
窓を開け「おやすみ」をしてみてから、布団に潜り込んだボクです。


9月:コスモス 震災直後の熊本の益城町で出会った花が、あまりにも凛々しく見えたので、
その後ろ姿だけを記憶に留めることにしました。


10月:野菊 宮城の塩釜の復興市場で働いていた彼女は、 自分の事は二の次に、
その朗らかさでこの地の美しさを語ってくれました。


11月:山茶花 津波で多くが失われてしまった福島の豊間の海岸、そのキワに咲く花は、
ここが多くの人に愛された場所だってことを想像させるのでした。


12月:かすみ草 一年の終わりを静かに過ごしたいと思い、手にした花は、
それでも心に引っかかる焦る気持ちを見透かしたように、ただユラリふわふわ。


一昨年から去年の春と、父の闘病、そして死に至る時に立ち会い、
医療や介護の現場を利用する人にとって癒しになるものを作れたらいいなと思うようになりました。

今回、ご縁をいただいて作れた花の絵のカレンダーですが、
これをさらに発展させたものを企画し、
こんなものを必要とされる方に届ける仕事をしてゆきたい2019です。