2020 年 5 月 5 日 のアーカイブ

息子の学校が休校になったので。9週め

2020 年 5 月 5 日 火曜日

2020年4月27日


息子休校57日め。
近所の花屋さんの店頭で風に揺れていたネモフィラの花を描きました。
うーん、見た印象と違うかも。
そもそもいつもなら描かないタイプの横文字ちゃんの話。
しかし、この花屋さんはどんな時も変わらず街に向かって端正な姿を示してくれている。
そんなんが嬉しくて、有り難くて、リスペクトを込めて描いてみました。
この花屋のある三叉路には、やはり街の誇りであるパン屋があって、街の人間交差点であるコーヒー屋があって。
そんなみんなの頑張りは、街で生きる人たちにとっての灯台のようなものなんだと思っている。
今日はそんなお店のスペースをお借りして動画撮影。
家に籠らなきゃならないオトナにも子どもにも、家で絵を描く楽しさを伝えられたらいいな。
イラストレーションってものがこの世にあることを知ってもらい、もっと楽しんでもらえたらいいな。
なんて願ってやってみたけど、語ろうとしていたこと全ては語れず、、
至らぬところは編集の力に頼るしか無いぜ、、
こうしたことは本来人と向き合いやることを原則としてやってきたこと。
そもそも異常に照れ屋なオレがなんで人と向き合ってきたのか。。
諸々自己矛盾を抱えながらも、ひとつ言えるのは「カッコつけてる場合じゃない!」
もちろんギスギス言葉の投げ合いなどしてる場合でも無く、自分の手元で出来ることはなんでもやってゆかねばと、その後も何人かの人と言葉を交わした1日。
息子は学校から出された時間割で家勉に明け暮れ、ガクッと寝落ち後、いつもより大きな寝息を立てて寝ている。
この世代にも大きな負債がのしかかってくる未来。
自分の生きる道は自分で切り開いてゆける人になってもらわねばならないし、それでも困難に行手を阻まれたら、例えば、たった1本でも紙に思いっきり線を描いた喜びの記憶が有れば、それは困難なを乗り越える力になるんだろうと、自分の拙い経験からでしかないが、確信的に思っているのです。

などと熱く語ってしまったが、明日花を描くためのボードが無い。
通販で購入済みだが、現場の手が回らぬそうで届かない。
しょうがねえ、過去作を潰すして描くのだ。


2020年4月28日


休校58日め。
近所の薔薇を描き、しかし、夕日が綺麗だったのでコレではダメだと思い、
潰して、描いて、潰して描いて、わけわからなくなったところで晩メシでした。

いつも描いている木のボードのストックがなくなり、仕方ねえ、
過去にオレンジページの肩こり解消特集の際、ミレーの落穂拾いのパロディで曲がった腰をストレッチしている農夫を描いた絵を潰しました。

その辺のスタートからして熱量高すぎたかなあ、、

そして改めて、薔薇のような花より、その辺に咲いているペンペン草みたいなのが性に合っているのだと気づき、夕日以前の絵でも良かったのではと気づき、覆水は盆に帰らぬことも、今日の夕日は今日だけのものなのだととも気がついた、有り難き1日だつたと、自分に言い聞かせています。

息子は学校から示された時間割りで勉強しているので、今日も詩の時間は作らず。
これもまた仕方ない。その分夕日が綺麗だったのだ。

2020年4月29日


休校から59日め。
1日バタバタとしてしまったので、3年前の5月に初めて行った会津若松で見たムラサキツメクサの絵をアップ。

この季節の会津の色彩の、てか、光の美しさに対して、俺の絵は全く追いつけていない、、何が足りないのだろうなあーと考えていたら3年経っている。

ただ、この3年で深まった福島とのご縁、出会った多くの皆さんから得たもので、今生かされているいる自分てものもある。

だからやはり美しいものを作ってお返ししてゆきたいのだが〜〜、、
そんなこんなは全て日々の積み重ねの先にしか無いのだ。

息子は日々色んな情報を手にし、理解できぬものはなんでも聞いてくる。
たとえば、トランスジェンダーは男性と女性以外の性別なのか?
もしくは、北方領土はどうしてこうなってしまったのか?
それに対して必死こいて答えます。
わからぬことがあれば一緒に調べます。
それでもわからなければ、考え続けようと話します。
今日は界面活性剤について調べ倒しました。
そんなわけで日々あっという間に過ぎてゆきます。

そんな中、小山薫堂さんのスタッフと必死こいて構築したプロジェクトが動き出しました。
会いたい人に会えない今、手紙を書いて送ったらどうだろうかって企画  
#手紙にしよう
https://andpost.jp/project/tegami.html
くわしいことは後ほど。
リンク先に飛べる人は、まずは掲載された絵を楽しんでみてくださいね〜


2020年4月30日


息子休校60日め。
4月30日、ベランダの復活咲き菜の花がこの4月の希望だったなあと、さらに成長した姿を描いておきました。
(インスタだと全体を見てもらえず残念、、)
色んな花の名前を覚えた息子、今日はカタバミがかわいいね〜と。オヤジとの会話をそのまま詩にしてみました。
朗読では「ばみ」の部分をしっかり発音した方が伝わるぜ、なんてアドバイスするも、そんなのわかってるって顔するばかり。
もはや師匠だね。
リフティング練習中に通りがかった同級生のお母さんに「大人っぽくなったね〜!」なんて言われるが、そりゃそうだろう、家ではカーチャンに続く地位。
学校に通っていたらまだ子どもでいられるのだかなあ〜。
もしくは、俺が聞いていたコリーヌ・ベイリー・レイに興味を持ち、ならば彼女の前夫が亡くなった直後のアルバムも聞かせると、なんか切ないねえだって。
もしくは、台湾の客家の若者たちの音楽に興味を持ち、そのリズムが気持ち良いとかね。
学校の「学習」は心配かもしれないけれど、2020春ならではの学びが将来どんなふうに生きて来るか楽しみ!
iPadに入っていた昆虫冒険ゲーム、バクダム2のストーリー展開に涙している10才くん。

インスタ> https://www.instagram.com/p/B_m9sRBFYEv/


2020年5月1日


休校61日め。
そして5月。夏蜜柑の花が咲きました!
2週間ほど前に白い蕾を見つけてから、息子に変化してゆく香りをかがせたりしつつ、今か、今かと待ちわびて今日。
開花したのは三輪ほどだったけど、ともかく開花の喜びに取り乱した一気描き。
これからさらに花が開くのを追って描いて行くつもり。
今日は休校がさらに5月31日まで延長となり、気持ちをリセットしなければと思っていたら、息子がロボットを作るって。
10歳だと今まで以上に技術的なアドバイスが出来る。
カッターの上手い使い方とか、ボンドの適宜な貼り付け時間とか、水張りテープの活用とか、絵の具の塗りやすい水分量とか、どうしてもベランメイな職人口調で語ってしまうも、本人は映像研の浅草氏に心酔しているので、なんだかとてもコミュニケーションがスムース。
で、そんなやりとりを超越した、10歳のデザイナー資質を感じさせる引き算のクリエイティビティに、初夏の笑みがこぼれちまうわいねえ。
ロボくん、いい顔だあ〜。


はじめアトリエに息子を招き入れ、それぞれの仕事をしていると、俺にも良いインスピレーションが湧いてきて、3ヶ月ほど触っていた絵が一気に「絵だ、」と俺に呟かせるフェーズに駆け上がった。
そんな輝かしき気持ちのまま黄金のロボットくん、夕陽に晒して見たら、なんだか切なく美しかった。
ところで、経済活動が極端に抑えられているからだろう、東京の空気がとても綺麗なことを肌で感じた2020年5月1日。
そんなもん感じてる場合では無い人ばかりの今だが、しかし、この空気の気持ちよさは、こここら未来を生きるための何かの基準として記憶しておけたらいいなと思った。

インスタ> https://www.instagram.com/p/B_pf0oslomX/

2020年5月2日


休校62日め。
息子と昼メシを買いに近似のアルゼンチンサンド屋へ。
昨日気がついた「今の東京は空気が綺麗で、目に入る草木が美しく見える!」ことから、家からわずかの距離だけど、道端で目に入る草花の名前を呼びながら歩いてゆくと、アゲハを発見。
これくらいのことを思いっきり喜んでくれる息子。
その視線を追いかけることで、俺が見過ごしてきた美しき構図を多数発見。
そして、アゲハが蜜を吸うこの花の名前を知らぬことを知る。
今日はRCサクセッションというバンドをやっていた忌野清志郎さんという人の命日であることを教える。
そうそう、清志郎さんはこの街の坂の途中にも住んでいたんだ。
その人がどんな人だったかの問いには、
人が無関心でいることを許せなかった人。
そう伝えてみた。

朗読は、今日ばかりは親のエゴだ。
ごめん、息子。
インスタ> https://www.instagram.com/p/B_sWK4-FoEf/

2020年5月3日


休校63日め。
風の強い日曜日。ベランダでポチポチ咲いている野イチゴの花が吹き飛ばされそうだったので、これは描いておかねばと、狭いベランダで強風に争い筆を走らせませた。

この花、なんだか息子っぽいなって、放って置いても次の年また鼻を咲かせてくれて、毎年ささやかな喜びを届けてくれる花のありがたさ。
この後花がひとつ散ってしまったのだが、、

今日は寝起きから出来る限りメール連絡。
いろんな人の今に触れておくことで、いろんな人とのコミュニケーションを豊かにつないでゆく力に変えられたらいいなと。
そうしたことで1日の半分は過ぎてしまうも、焦ったってしょうがない。

窓の外からグルグログラグロみたいな鳴き声が聞こえてきて、これはカラスなのか、それともなにか他の生き物なのか、そんな家族となんちゃーない会話で、ほぼ呼吸できる。
が、季節が晴美から初夏に変わ流タイミングで、鳥たちのの鳴き声が変わること語る俺の顔は、ちょっと偉そうではなかっただろうか。。

でも、この季節の明け方に「好きだ!好きだ!」連呼する小鳥がいること、「ギリギリギリギリギー」とネジを巻くような音を立てる小鳥がいること、みんな知ってるだろうか?

オレは知っている。