2020 年 12 月 のアーカイブ

2021明けましておめでとうございます。

2020 年 12 月 31 日 木曜日

あけましておめでとうございます。

が、
「おめでとう」という言葉が上手く出せない気持ちであります。

「おめでとう」と心から言えるよう、
抗い難い困難に覆われた世界の中で自分の日々はどうあるべきだろうか?
抗い難い困難に負けることなく考え続ける1年にしようと思います。

2月10日に自作の絵本が刊行されます。

3年数ヶ月をかけて作ってきた1冊。

男の子がおとうさんと声をかけあって行う小さな冒険の物語は、
東日本大震災以降出会ってきた美しきものを血肉にし、
2018年春に自身の父を失う経験も挟み、
コロナ禍での生き方なんてことも考え抜き、
しかし、ただただ子どもが居て良い場所として作りました。

2月10日から3月2日まで原画展を神保町のブックハウスカフェで開催します。
その後もこの物語を必要とする人のもとへ、
これまでのように”身近に”ってことは出来ないかもしれないけれど、
1人ひとり手渡しするつもりで届けてゆこうと考えています。

そうすることで生まれる会話にこそ、
こんな時代を生きる力が埋まっているのだと信じています。


3月8日からは6回目の開催になる個展「東日本」を青山のspace yui で開催。

2011年3月11日に考えたこと。
その後に出会ったこと。

それは10年たった今でも表現がまったく追いついておりません。

描けていないものばかりです。

その「出来ていない」を見つめることで、
次の10年を生きる、
10年後をより生きやすいものにする、
そんなことを実現するようなものを作ってゆくための現場にします。

自分の力不足を受け止めつつ。
しかし、やれることをやってゆく2021であろうと考えております。


「まどをあけて」旅のエッセイ

2020 年 12 月 26 日 土曜日

軽自動車の雄ダイハツが新たに発行するフリーペーパー「まどをあけて」で
“ことづくり”をテーマの旅のエッセイの連載がはじまりました。

「アミイゴさん、好きなところに行って旅のエッセイと絵を提供ください」

そんなありがたいオーダーのもと、初回は近畿エリアの指定。
三重県の四日市から伊勢を経由し和歌山の那智勝浦の漁港まで、
ブルースを頼りに、コロナ禍でも感染リスクとても低い気まま旅は、
人に恵まれ唄にまみれた美しい時間となりました。

が、コロナ禍ゆえ、まずはウエッブ版での展開。
https://www.daihatsu.co.jp/lyu_action/book/
↑こちらでは、ボクの絵を使ったカレンダーもダウンロード出来ます。

コロナの状況で旅も制限されてしまう今ですが、
確かな人との繋がりを頼りに、自分が感染させる可能性のあることを自覚し、
人にも土地にも優しさとリスペクトを欠かさず歩くと、
それはそれは豊かなものに出会える。

企画のゼロ段階から、編集者やデザイナーさんと膝つき合わせで構築した仕事。
これからの旅のカタチを表現して行けたらいいなと願っております。



次回は九州。
PCR検査を受け、密を避け、しかし行先は密になりようの無い場所。

イラストレーターを目指した時からやりたかった旅の仕事。
日本中に顔の見える関係の友人を持った今こそ、巡ってきたな〜

117ヶ月め ~花の絵の展覧会

2020 年 12 月 10 日 木曜日

今日は2011年3月11日から
3,563日
509週
9年9ヶ月
117回めの11日です。

6年めとなりました毎年年末に開催の展覧会のご案内です。

小池アミイゴ花の絵の展覧会「小池花店」
12月22日(火)~12月27日(日)
cafe Quo Vadis 13:00-19:00

157-0066 東京都世田谷区成城2−38−16
map> https://goo.gl/maps/dKkabxaNzQSTNDev9
電話:03-6874-7739
*クオバディスの飲み物やスイーツ、軽食と共にお楽しみ下さいませ。
*在廊予定は逐次お伝えしてまいります。



2020年3月。
息子の学校の休校が決まり、しかし、ボクのような活動をしている者としては「自粛」という言葉に違和感しか感じられず、しかし蛮勇ぶん回して「コロナに負けるな!」など叫んで事を起こしても感染広げるだけだし。
しょうがねえ、その辺に咲いてるつまらねえ花でも描いてSNSでシェアして、叶うならそれを必要とする人と穏やかな言葉で語り合いたいななんて思ったのです。
そんなことが100日続いたところで休校解除。自分としては、息子との時間が濃縮されたヘ花の絵です。
「毎年恒例」の現場に落とし組むのは、あまりにも答えを急ぎ過ぎていないかと悩む、コロナの終息が見えぬ今。

ただ、この苦悩みたいなものも花の絵をと共に、2020年の終わりに分け合うことには、ちよっと意味があるんだろうと考えています。



そう考えられたとしても、なぜかモヤモヤが晴れず。
それはなんだろうと考え続けていたのですが、
そうだ!
今秋、壁画制作でとても濃厚なお付き合いをさせてもらってきた都立光明学園で出会ったみんな、1人ひとりそれぞれに肢体不自由というハンディを持ち、
しかし、目を合わせてガッツリコミュニケートしてみたら、感動の表現を魅せてくれた小学1年から高校生のみんな!

今ボクがその辺に咲いているようなヘッポコな花の絵を一番に分け合いたい思っていたのは、彼らなんだと気がつく。

が、しかし、
彼らの多くが車椅子での移動の必然のある人であり、
彼らが登るにはあまりにも困難な狭くて急な階段の上にあるギャラリーでの展覧会。

振り返れば、そうだ、震災直後の吉祥寺の”にじ画廊”で花の絵の展覧会を開催した時も、階段の上り下りが困難な叔父の姿に出会い、多くのことを考えたんだった。
その時のブログ> http://www.yakuin-records.com/amigos/?p=5930


モヤモヤはこの階段が原因という単純な話では無く、
確かに新形コロナには振り回された1年ではあるが、
「禍」などという超自然的な言葉に誤魔化し甘えてしまっていることが、自分の中にあるのでは?という自戒なんだと思う。

階段を登ることを諦めた叔父のために、そこにいるみんなが力を合わせてくれたこと。
そんな風景から切り開いていった、3・11以降の世界というものはある。

コロナだから出来ないでは無く、
コロナだからこそより良い発想を持つ。

ほんとそうやってゆかねばと。

1枚の絵を必要としている人が見えたら、そこになんとか届けようと考えを尽くす。

そんなことをあらためて成城学園の壁面を畑に見立て、
種蒔いて育てて、
なにか収穫出来るものがあれば、必要とする人にシェアしてゆく。

自分の仕事も、なにか素晴らしきものをこさえて、立派に展示して見てもらうなんていう百貨店型のスタイルでは無く、
人の必要に応え、より滋味深きものを提供出来るような、お百姓さん型の仕事のあり方に更新してゆく、
そんなことをこれまで以上に意識し、形にしてゆこうと考えています。

その一歩として、
成城学園での展示が終えたら、光明学園の車椅子で見られるギャラリースペースに巡回させることにしました。


ほんと、光明のみんなと息子との時間で生まれは花の絵を共有したい。

その後、コロナで直接行くことが出来ない場所でも、必要とされるなら花の絵を送って巡回展を作れたらと考えています。

10年前にそんなことやった際は、
ひとつの場所が負担するのは、花の絵を次の場所に送る際の宅配料金3000円ほどと飾り付けの作業をお願いしました。
あとは、現場のリアリズムに合わせた宣伝なりお客様へのお声掛けをしていただけたらいいなと。

大声で何か語る必要の無いヘッポコな花の絵ばかりです。
みなさんの現場の安全を一番に考え、必要とあらばお声掛けくださいませ。
(メール等で連絡いただくのでも、こちらにコメントいただくのでもOKです。)

来年12月には吉祥寺の”にじ画廊”で、
10年ぶりとなる花の絵の展覧会を開催する予定です。

コロナの壁を超えて旅してきた絵が、
旅先で出会ったみなさんの物語を抱え吉祥に集う1年後の未来。

良いものにしてゆきたいなあ〜


あらためて12月22日、成城学園前での「小池花店」
皆さんそれぞれご自愛のもと、
今年一年を振り返ったり、ちょっと先の未来を想像したり、
ホッと一息の時をお過ごしいただけたら幸いであります。