2021 年 4 月 14 日 のアーカイブ

しょうわの子だま

2021 年 4 月 14 日 水曜日

ふくしま藝術計画 “わたしの好きな昭和”
アトリエしょうわのこども ~しょうわの子だま


2019年2月と20年2月、
福島県の奥会津、大沼郡の昭和村の子どもたちと、
放課後の時間を使ったアートプロジェクトを行いました。

 

2019年
http://www.yakuin-records.com/amigos/?p=13989
2020年
http://www.yakuin-records.com/amigos/?p=14282
http://www.yakuin-records.com/amigos/?p=14336

2021年もやりたいね〜という声があがるも、
COVID-19の感染拡大、特に後期高齢化が進む人口1,200名のほどの村に、
むやみやたらに近づくことは出来ません。

それでも、
それだからこそ、
子どもたちが社会と触れることの出来る窓を開けなくちゃって、
手紙を往復させて絵を描いていったら面白いだろうって、
アートの往復手紙”しょうわの子だま”を発想しました。

システムはごくシンプル。

子どもたちがあるルールに沿って絵を描き、
ボクに郵送。

そこにあるルールに沿った加筆を行い、
次のルールを添えて描いた子どもに返送する。

加筆されて戻ってきた絵を受け取った子どもは、
次のルールに沿ってさらに加筆をして、
きっと完成!


以下実際に。

手紙を使った絵を描く企画に参加表明してくれたのは、
昭和村の小学校に通う1年生から6年生まで17名の子どもたち。

彼らの元にボクから、
A4の画用紙とどんな絵を描けば良いのかの指令書が届く。

昭和村の子どもたちが指令通り絵を描き、
ボクに送り返してくる。

たとえば〜

こんなかわいこちゃんな絵がボクに届く。

これに加筆して、この絵を描いた子に絵を送り返す。

のだが、

実は、これに加筆するのは、ボクでは無く、
ボクが指名した日本全国に散らばる17組の”子だま隊”なのだー!

で、この絵に関しては、
ボクの元から次の指令を携え同じ福島県の福島市へ。


福島市からご参加は、
ボクの子どもワークショップを企画してくれたお母さんと小学3年生女子。

めちゃくちゃオープンマインドな母娘さんの加筆が、
これ。


で、
これがまたボクの元に届けられるのだが、
封筒を開けて見て、しばらく心がフリーズ。
もはや事件です。

で、こんなん昭和村の小学生に送り返して良いのか?
もろもろ心配ではあるが、
新たな指令書を添えて、えい!っと送付。


で、
昭和村の子どもにさらに加筆され完成。



うーーーん、
なにやら時代をぶっちぎった作品に仕上がったぜい。

どっかの美術館、収蔵せんかのう。

で!
実は、同様のことを”子だま隊”発信でも行っていたのでした〜

たとえば、

子だま隊さんへ、
四角いまどを線でかいてください。


これは茨城県の食文化を広めようと頑張っている藤田愛さん。
ボクが小山薫堂さんと行った仕事にスタッフとして参加していて、
現場にオープンな空気を送り続ける姿と表現のセンスの良さに感心し、
今はフリーランスで活躍しているところをスカウトした人。

ちなみに、
普段まったく絵を描いていないそうです。

これがボクを経由し、新たな指令とともに昭和村の子どもへ。

四角の中にまどから見える ふうけいを かこう。
すんでるばしょを、おもいっきりじまんしてよ〜


それに対して昭和村の子どもがが描いたのは、

「ああ、子どもの絵っていいね〜」って言われるやつ。
うん、ほんと素敵。
(こちらのスキャンは昭和村で行なってもらっていて、
色が違っちゃうのは「コロナのせい!」と叫んでおきますね〜)


で、
これがまたボクを経由して藤田さんのもとへ。

窓の外のふうけいを みてね。
そして、
まどのまわりに すきないろをぬって、
たのしいへやに しょましょう!

そしたら藤田さん。

じゃん!

かっわええの〜。。

まともに絵を学んでいたら、
こんなん絶対に描けない!

で、
“昭和村”発信と “子だま隊”発信、
それぞれ3つの指令がボクの家で交差する。

シンプルなんだけど、
割と混乱する作業です。

が、
そこにさらに2つの指令を発動。


鬼滅の刃が流行っている2021だからね〜、
鬼を描いてみたいよねー!
という、みんなの叔父心みたいなものね。

で、たとえば、


これは、大分県杵築市山香町の森に暮らすカナタさんの「きもちいいー」
うーん、
カナタさん、3歳だったっけかな。
もしやお母さんのマイカさんの手も入っているか?

マイカさんは、アイリッシュミュージックなどを奏でるフィドル(ヴァイオリン)奏者でもあります。

これをボク経由で、さらに指令書をつけて昭和村の子どもへ。


昭和の子どもの「子だまオニ」はどんなかな〜?


じゃん!
かわいいオニだね〜。

が、これを描いた昭和村の男の子は、
最初の指令に白紙を送りつけてきた子だったのだーー。

んが、
今回は「やるね〜!」だし、
もしかしたら初回の白紙も「やるねー!」なのか!?と、
自問する俺。

次なる指令と共に、昭和の鬼を大分に送付っ。

ヤギカナタさんとお母さんのマイカさん。
森の中の一軒家でお子さんを寝かしつけるような色彩で、
昭和の鬼を包んでくれました〜。


そんなこんなで、
1)「おーい!」「はーい!」セッション
2)「わたしの顔」セッション
3)「あなたの部屋の窓」セッション
4)「昭和の鬼」セッション
5)「お皿の上のおもてなし」セッション

以上、
それぞれ17人×2チーム、双方向からの発信で6往復。

ボクの手元でのシャッフルは郵送の作業、
かなり数学脳を酷使させちゃいました。

で、
ともかく今は手元に大量の絵があります。

この企画は福島県が主催で、
福島藝術計画_アートによる新生ふくしま交流事業
「アートで広げるみんなの元気プロジェクト 2020」として、
記録集の作成を行いました。

ただ、手紙を使った企画だから、ポストカード作ろうと、
12枚組セットを作成し。
企画の細かいところは、A3のポスター2枚に記載。
なかなかなかなか迫力満点な”記録集”が生まれましたよ〜


だが、
掲載出来ない絵がドーカーンと手元にあって、
これをブログで全部説明するのは大変。

あと、昭和の小学生の個人情報ってことも注意しなくちゃならず、
う〜〜〜む、
ほんと、1人ひとりおもしろいヤツらだし、
作品もどれも面白いのだが〜〜、、

これどうしましょう?


なんとかみんなに見てもらえるよう、
引き続きワルダクミますね〜〜〜〜。。

その前に、
とりあえずポストカードにした絵をご紹介。

三重県四日市のメリーゴーランドの”あそびじゅつ”チームの誰かと、
昭和村の天才6年生Tくんのコラボ。

 

シンガーソングライターのルンヒャンと、
昭和村、意外や男子くんとのコラボ。

はんこアーティストのあまのさくやさんと、
昭和村女子Kさんのコラボ。

ボクの池袋セッションに参加していた桜庭さんと、
昭和村キレッキレ小学女子のIさん。

前出、大分のカナタさんと、
昭和村の、なるほど〜、彼か。
大量に送りつけてくるメリーゴーランドからの子だますべてに、
丁寧に答えてくれた昭和女子Rちゃん。
塩釜のビルドフルーガスや杉村惇美術館を運営するキュレーター高田彩さんに、
うす〜い表現を送りつけた、なるほどキミか、Aくんか。
池袋セッションチームで写真家の岡本みどりさんと、
昭和村おにいちゃん格のSくん。
やはり池袋チームでWebディレクターもやってるエンブーさんと、
あ、これもIちゃんだったんだ。
宮城県気仙沼唐桑でカフェ運営と子育てに奮闘小山のりちゃんと息子さんのハルくんに、
なにも描いてない紙も送りつけたAちゃん。



誰かがつまずいた際に緊急出動したボクと息子のチームに、
福岡のアーティスト集団のあとリエブラヴォのTさん、
出足ノリの悪かった昭和村Tくんが絡んだすごいやつ。

ここまでの紹介でいっぱいいっぱい。
ともかく甲も乙もその言葉の意味を忘れるほど、
どれもこれもヤバイ絵が集まったのです。

最後に。
企画の途中で参加者に送った「子だまのコツ」を掲載しときますね〜