「ぐる〜り糸島」

ぐる〜り糸島585
福岡の今やホットスポット“糸島”のガイド本「ぐる〜り糸島」
2年前に出版され実に良く支持された1冊が、
時と共に更新される店舗事情に合わせてリニューアル、
表紙も刷新ということで、イラストレーション制作の依頼を受けました。

福岡の飲食店関係者から絶大なる信頼を得ている編集者
弓削聞平さんのお仕事は、
ともかく誌面から人が見えてくるもの。

誌面で連載をさせてもらっている隔月刊のグルメ本「ソワニエ」は、
飲食に関する雑誌てしては、日本屈指の1冊だと思い、
毎回気合い入れて描いています。(空回りの多いが、、)

もちろん、
2年前に出版された「ぐる〜り糸島」も
グルメや観光のガイドというフィールドで繰り広げられる
人間劇場のような1冊になっていました。
itoshima250

なにより
表紙で描かれた「このアングルの糸島」の写真がとても新鮮!

う〜〜ん、
プレッシャー

編集サイドから明快なイラストレーションイメージを伝えて頂いた上で
「アミイゴさんの感じる糸島を自由に」とのことだったけど、

これは雰囲気の良さだけでやってしまってはいけないなと、

あらためて、
この本を届ける相手のイメージ、
どう使われるべきものなのか?などなど質問。

「糸島」を漠然と知っているような
県外者にもアピールするものでありたいとのこと。

さらに福岡のカルチャーを俯瞰していったら、
どうにもボクの愛する福岡と、ネットに浮上して来る福岡とにズレがある、、

ボクが街で出合う
しなやかに熱く、美しく働き者な愛しき女性たちの姿が、
妙にぼやけてしか見えてこない。

つか、女性の顔が、
発信ということになると男性の顔にすり替えられているような、、

いやいや、東京の文化に慣れ過ぎて、
見えるものが見えてないのはオレか?とか、

しかし、
検索で「サーファーガール、糸島」と「サーファーガール、湘南」とした場合の
見えて来る景色の違いっぷりったら、、

大好きで毎月のように通っていた福岡、
なにも分かっていないぞ!オレ、、

しょうがねえ、遠回りをしてみようと、
編集の思惑とは違うはずのイラストレーションラフを投げてみる。
糸島ラフ001-1
象徴的な糸島くんとそこに暮らす人々

いや、いっそ
糸島ラフ001-3
こんなものを車のバックシートにポンと置いて、
気軽に迎える場所でいいんじゃないか?糸島、とかね。

糸島の福岡での認知度を考えれば、
表紙に「ぐる〜り糸島」と書かれているだけでも、
表紙として機能してしまわないか??などとさえ考え、

これに対して編集サイドからは、
「山も海もある糸島の不思議な力みたいなものも表現してもらいたい」と。

う〜〜む、これは、こんな線画のラフでは伝わらんなあ〜と、
本ちゃんに近いものを見てもらうことに。

その準備で編集担当者と密なコミュニケーション。

家族連れ、女性2人連れ、若いカップル、飲食関係者、もの作りの人などなど、
このガイド本の利用者の顔をさらに想像するに、
ちょっとこれだけはやっておこうと描いたのが、
オリジナル「ぐる〜り糸島」をリスペクトした絵。
糸島585

しかし、これではクリエイトしてねーぞみたいなレスポンス。

これはこれで正解のはずだけど、
だよな〜、、

さらに編集のお考えを聞き出して、
あらためて資料を探って探って、
う〜〜ん、糸島、
ズバッとひと言で語りきれない場所だなあ〜と。

そんな苦悩の先で見つけた
糸島の花「はまゆう」の黄色

これだ!

ということで本ちゃん2種類制作
糸島2_585顔
ヘタクソ↑

糸島3-585顔

「カオ」はいらねえとのこと、

ふう、、
ぐる〜り糸島にやっとたどり着きました〜
糸島3-585

SLOW LIFEを目指す人が移り住むことの多い糸島、
現地からの発信は、今までの経済原理では考えられない慎ましさです。
そういう場所をひと言でビジュアル化することの難しさ、

きっと「暮しの手帖」の表紙みたいにすれば正解なんだろうが、
いやいや、糸島を利用するのは、今や日本国民の9割にのぼろうかという
マイルドヤンキー層でもあるわけで、

やはりズバッとした価値感を絵にして
イラストレーションに昇華してゆくことが難しい時代だね〜。。

「夏のビーチ」のイメージから深化し、
食や生活を見直すような現場にさえ成長した糸島。

その今を伝えるには片手落ちな海の絵なんだけど、
その辺にポンと置いといてもらうのにはちょうどいいかなと、
「これから糸島」という人が手にしてくれたらなあ〜〜〜

そんなわけで、編集&デザインのみなさま、
めんどくさいイラストレーターにお付合い、
本当にありがとうございました。

福岡並びに九州、いやいや、ニッポンのみなさま、
清々しい顔した「ぐる〜り糸島」
表紙をめくると熱いです!
改訂版というよりほぼ新刊なホットさ!
ぜひ手にされ「ぐる〜り」してみてくださいね〜

オレ、かなり頑張ったっす〜!

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