池袋イラストセッション「手紙」

R0015753
今日の池袋コミュニティーカレッジの絵のセッションは、
手紙を絵にしました。

ボクの知り合いで、宮城県塩釜で養殖業を営む共栄丸さんの長女さんから届けられた手紙を読み、
ボクが撮影してきた塩釜の写真を参考に、言葉の行間を絵にする。
もしくは、
言葉をたよりに目に入り心に残ったものをトレースするみたいな。

R0015750

手紙には当然のように震災に関することも書かれていて、
まじめで心優しきミンナは混乱するだろうなあと想像しつつ、
思いっきり悩んだり、紙の上での失敗を繰り返してもらえればいいやと。。

R0015751

いやいや、俺も未だ混乱の渦中にあって、
やはり日々失敗の繰り返しなわけで、
そんなこんなを絵で語り合う時をみんなと共に創りたかったんだと、
家に帰ってきた今、やっと気がついている。

R0015752

で、
ボクたちは紙の上で失敗を繰り返すのだけど、
そのひとつひとつは決して間違いでは無い。

うひゃー!
そんな思いに至ってしまった2時間。

R0015754

で、実際、
思い悩んだ末に、ポンと抜けた構図をつかんだり、
ヘンテコだけど、そのフォルムがどうしようもなくその人のものだったり、
紙面上でやらかしてしまっているけれど、
ある部分がシンプルで力強い輝きを放っていたり。

R0015755

たった2時間のセッションの中で
1人ひとりの「作品」が生まれるはずもなく、
しかし、向かうべき方向にサッと光が差し、
塩釜のカモメちゃんが「自信もってあっちに羽ばたいておゆき」と
語りかけてくれちゃうじゃねーかと。

R0015756

言葉を説明するのではなく、
言葉と適切な距離を保ち並走し、
しかし最後には自由に空を飛び回る何かを描くこと。

R0015757

その「何か」が「自分」であれたらいいなと、
池袋の現場はこれからも恐れず紙上の失敗を繰り返せる場所であろうと、
あれから5年目の前夜、
これから5年を生きてゆくイメージを持って、
手を動かせたらだ。

R0015758

けっこう恥ずかしい言葉並べてみたけど、
これしきのことで恥ずかしがってる場合じゃねーぞ!と、
この5年が教えてくれたわけです。

アップした絵は、
着彩直後で丸まったりしてたのをデジカメ撮影。
それをトリミングしてるので、作者の意図に反すること心配しつつも、
まずはこのプリミティブさが次への足場になるだろうと、
おりゃー!とアップしてみました。

池袋コミュニティーカレッジでの絵のセッションは、
4月からの新規参加者ウエルカムです。
http://cul.7cn.co.jp/programs/program_701881.html

コメント / トラックバック 2 件

  1. 共栄丸 水間 より:

    !!びっくりしました!!
    なんか、嬉しいですねっ!
    そう!今日はとてもいい天気で、空も青いんですが、
    その手紙を書いたときも、読み返したときも、
    なんか不思議とパステル系というか、ピンクが似合うんですよね!
    私的には、空気が淡い甘い色な感じがしていました!
    どれも素敵な作品です!
    私の文章にこんな素敵な絵を添えてくださってありがとうございます!!
                         (さわこ)

    そして、今日は5年です。
    たくさんの思いがあふれている今日。
    朝は、まだいつもと同じような風景でしたが、
    刻々とあの時間と共に、あの時の思いが
    誰の心にも思い出させる日。

    悲しい思いは消えることがないけれど、
    日々、忙しく追われるようにに生きる人、
    日々、思いをためて生きる人、
    日々、忘れたふりをして生きる人、
    たくさんの悲しい思いが、少し報われますように。
    春になって、花が咲いたとき嬉しくなるみたいに、
    その心も少し和らぎますように。

    また、我が家のように、
    5年前、ゼロからのスタートになってしまった方も、
    少しずつ、何かしらの変化が起きていることかと思います。
    私たちは、震災後、新たなワカメと昆布を作り、
    震災がなければ会うことができなかった人とのつながりが、
    今は最も強力なものとなって、(ただの海産物が、)
    日本全国を駆け巡り、それを手にした人が
    その感想を送って下さったり、写真にして下さったり、
    料理することで生まれ変わっていく様子を見せてもらうことができて、
    本当に心からの自慢のワカメと昆布になっています。
    彼ら(ワカメと昆布)は、どこに行っても大出世しているらしく、
    生産者としては、嬉しい反面、うらやましい限りです。
    彼らに負けないように、毎年いいものをこれからも作り続けないといけませんね!
    これから、これから!
    ずーっと長~く、私たちも頑張ります!! (けんじ・さわこ)

  2. 小池アミイゴ より:

    共栄丸 水間さん。
    うれしいコメントありがとうございます。

    震災後の塩釜で水間さんとお会いし、
    その後思いがけず手紙をいただいたことで、
    ボクは新しい目を手にいれたんだと思っています。

    頭ではわかっていた「震災はパーソナルな出来事が積み重なったもの」ということ、
    ぼやけて見えていた風景にキリッと焦点が合うようになった
    さわこさんのシロツメクサやカモメの思い出。

    もしくは、寡黙に仕事に打ち込むけんじさんに注ぐ
    さわこさんのLOVEとか信頼する姿とか。

    そんな人に出会い、顔の見える関係になることで知る、
    海の豊かさやそこで採れるものの美味さ!

    そんな人に出会い、顔の見える関係を得ることで
    手に出来る「自由」なんてものも発見しているボクです。

    世界はますます混沌としてきていますが、
    しかし、ボクやボクの家族、
    さらには身の回りのやはり顔の見える関係の人たちが生きるべき未来、
    その設計図を描く上での大切なマインドも得ているはずです。

    で、実際、
    2016年3月10日に、水間さんの言葉に出会ったみんなは、
    それぞれ悩みながらも、最後にポンと気持ちの良い絵を描いてくれた。

    これからも友人として美しいマインドの交換を続けて行けたらいいなあ〜と、
    心から願えたのが「あれから5年」というものであったら、
    ちょっとだけボクの思う復興に近づけたかもしれません。

    ではでは、
    と日々の激務が急に楽になるなんてことはないでしょうから、
    ともかくご自愛のほど、
    心に余裕のおありの時は、思いっきり春を楽しまれてくださいね〜!

コメントをどうぞ