60ヶ月め

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今日は2011年3月11日から1828日め
5年
60回めの11日です。

5年前の3月11日の夜に日本列島の絵を描きこのブログにアップしてから
毎月11日に綴ってきたブログ。
JAPAN
なんとなく「5年は続けなくちゃ」と思い
しかし「5年も続けられるのか?」と思い

結果、5年はあっという間で、
これからやらねばならないことばかりが見えている今日です。

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1828日

日々自分の無力を受け入れ、
大きなことは手に負えなかったりするけど、
「1日」とか「1人」なら次の5年も続けてゆけるイメージ。

身の回りに小さな会話の花を咲かせ、
人との風通しの良い関係を構築し、

そうすることでボクはこれからもしつこく考え、
絵を描き、
毎月11日には言葉を並べてゆきます。

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先日はLOVE FOR NIPPON のイベントで知り合った、
福島県双葉町出身で、現在は都内でデザイナーとして活躍し、
双葉町再興に向け、そのアイコンとなるダルマを使った企画運営を行う
GASさんこと、菅さんのお話をうかがってきました。

高校卒業後双葉町を離れ東京へ。
それは「早くここから出たかった」という思いと共だったそうです。

そうして2011年3月11日

悲劇の中からも、あらためて故郷を発見。

心の瞬発力を持って今の活動を興していったこと、
短い時間ですがうかがうことが出来ました。

その考えの推移が、
なるほど、ボクの心の移り変わりとシンクロするなあ〜と。

彼のダルマを使ったアクションがポンと心に飛び込んできた意味、
実際にお会いしてお話したことで確認することが出来ました。

なんつったって、いい男なんだ、GASくん。

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話し終えて外に出ると、
東京の街がちょっとマシに見えた。

そういうとこだよな〜

今後、微力ではありますが、
彼の活動を応援することで、本来見るべきものが見えてくるんじゃないかと。

みなさんにもお願いすることが生まれるかもしれませんが、
まずは答えを先回りすることなく進めてゆこうと思います。

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先日月曜日は福島県の郡山へ。

震災&原発事故以降、
放射線量の高い地域の子どもたちを安全な場所に運び遊ばせる
「移動保育プロジェクト」の活動を重ねてきたNPOの代表
上國料さんにお会いしてきました。

昨年秋にリアルな保育所を開設。
「移動保育プロジェクト」はその役割を終えたとのこと。

そこに至る経緯(とんでもない苦労)
もしくは、鹿児島出身の上國料さんの人となりだったり、
こんな活動に身を投じた理由などを伺ったのですが、

いつのまにかボクが自分を語っている。

上國料さん、人の話を聞くのがとても上手いんだ!

とても人ったらしで色っぽい人なんだよね。
人としての色気が、いざという時の瞬発力に繋がるんだって実感。

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保育の現場の大変さは、東京も郡山も変わらず、
日々は壮絶な喧騒に包まれ、お話中も絶えず携帯が鳴っていた上國料さん。

それでも、観念的のものを考えるのではなく、
日々の実感を現場に注ぎ、人材を育ててゆく人なんだと。

ボクからは他業種だけど、
那須のSHOZO COFFEEや富ヶ谷のルヴァンなんて場所のあり方伝えつつ、
次は酒でもと約束し、
(郡山で食べた蕎麦と地酒が、うまい!うまい!!)
郡山という場所、福島という場所を好きになり
東京に帰りました。
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そんな郡山の直前、
先週の金曜日は那須のSHOZOで2度目となる絵のセッション
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黒磯の街を歩き、
心にとまったデザインをシンプルに描写、
1人ひとりが街に望む色で塗りあげるワークショップ。

日本のほとんどの街で見られる
疲弊した商店街が見せる風景の中で何をみつけられるのか?

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SHOZOという美意識の中で働く若い人たちは、
それだけで感性が磨かれ、
思いがけず美しい絵、
生活の中に置き日々眺めていたいような絵が生まれました。

後で写真を整理してたら、
なるほど、絵を描いた人が絵と同じ色彩の中で生きている。
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では、こんな色彩を那須の自然や黒磯の街と調和させてゆくには?
いやいや、日本全部に染み渡らせるには?とかね、
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これからも彼らとのセッションを重ねられたいいなと願いつつ、
ボクがSHOZOから感じるものは、
ますます生きる本質みたいなところに向かっているようです。

で、今回のサプライズ!
以前SHOZOのアパレル店 04 STORE で働いていて、
今は故郷の福島市に帰っていた大橋佑香さんとの再会。
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ボクが初めて04 STORE で Tシャツを買った時、
彼女が実に丁寧にラッピングする手元に釘付けになってしまし、
そうして大切に手渡されたモノは、単なるTシャツを超えた特別なモノ、
なんだか、彼女が生きている意味そのもののようにさえ感じて、
ボクはこのブランドの服はここで、大橋さんから買おうと決めたし、
そのTシャツの首回りがボロボロになった今も着続けてたりもします。

西日がキラキラ差し込む小さな店のレジ脇で、
ボクは未来の生き方を教えていただいた。

それくらいの経験をしたということです。

その時はお姉さんに見えた彼女だけど、
再会した今回はまるで学生さんのようなイメージ。

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話をうかがうと、
というか、真剣にご自身から語り始めたのだけど、

震災後の福島で、真面目に美味しい野菜を作っている農家さんを応援したい。
私の出来ることで福島を元気にしてゆきたい。
そんな思いの先、
東京吉祥寺から移転してくる自然食の店を手伝うことになったって。

もうね、キラッキラした目で語るわけです。

福島、いや、東日本は未だに風評被害の中にあります。
しかし、人の食に対する不安を否定することも出来ません。

だからこそ真面目な生産者さんは、
自分に課した安全基準をクリアさせることに取り組んでることは、
行き先々で出会うことです。

そんな生産者さんと消費者を「信頼」で繋ぐ仕事。

ボクは大橋さんという美しい個性を知っています。

そんな彼女がどんな生産物を届けてくれるのか?
とっても楽しみだし、
その活動を見守ってゆきたいし、
お手伝い出来ることがあれば形にしてゆきたいと思いました。

SHOZOさん、
良い出会いをありがとう。
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絵を描いている時は、
幼い表情も見せてるSHOZOのスタッフだけど、
働く姿はみんなカッコイイ!

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もしくは、
冬場に荒れた道路を道普請する姿だったりね。

日々のなんちゃーない部分に
生きる本質は宿るなあ〜と。

こんなマインドが、
たとえば被災地と呼ばれる場所の「復興」に組み込まれたらいいのになあ〜と。

そういうことは、行政がなにかする以前に、
これからの5年とか10年とかの中でボクたちがやってかなければならないことだと、
ちょっと語気を強めて言葉にしときます。
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今回は那須から郡山に移動する途中というか、
大きく寄り道というかですが、会津を歩いてみました。
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震災後、福島はいわきを中心とした太平洋沿岸部に足を運んできましたが、
あらためて福島県のスケール感感じてみたいなと。

そんな思惑は、
磐越線の車窓から磐梯山を望み見た瞬間に達成。
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沿岸部の人が海をアイデンティティに、
そこが悲劇の土地であろうと「戻る」人がいることと同じく、

磐梯山の雄姿は、
この土地で生きる人たちのアイデンティティであり、
生きる勇気なんだとそうしようもなく思うのです。

冬は厳しいが美味しい米の採れる豊かな土地。

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福島県は奥羽山脈と阿武隈山地と太平洋とに切り取られ、
会津、中通り、浜通りと、
それぞれ広大な土地を有し独自の文化を育んできたけれど、

それは本来地続きであり、
東京にも西日本にも繋がっているのだけれど、

人の心に巣食う何かがボーダーを引っ張り、
福島をいびつな形に見せてしまってるんだって実感。

「あれから5年」を直前にしても
のんびりとした時が流れていた会津
駅前の賑わいが楽しかった郡山

そんな姿を東日本の中で出会えて
よかった。

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東京にもどると、
代官山でティーンズ相手に絵のセッション。

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池袋ではオトナなみんなとも宮城県塩釜を思い絵のセッション。
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ほんとね、無力ばかりを実感してるんだけど、
だけど、なにをやれば良いのか、ちょっとづつ確認出来ていて、
それは「5年」とかでピリオド打てるものでは無い。

でもって、
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描き終えたと思った絵。
旅から帰り描きなおしました。

いわきの田んぼ

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