青山yuiで4度目の「東日本」終了
yuiで4度目の開催となった展覧会「東日本」が終わりました。
展覧会明けの今朝、絡まった言葉をほぐすつもりで、代々木公園をユックリ走ってみると、
冷たい空気の上に乗っかった東京の空は、朝日をやわらかくまとった灰色の雲に覆われ、
そこに冬枯れの木々の枝が黒い筆致で複雑な模様を描いていました。
光の変化で刻一刻と変わってゆく風景を愛しいと思い、センチメンタルな気分にも浸り、
結局10kmほど走り続けた2017年1月19日の朝です。
そんな風景に心をを奪われるのは、yuiで出合ったお1人おひとりの言葉に触れたからです。
4度同じタイトルの展覧会を開催し、足を運んでくださる方からいただく言葉の確かさを感じた今回。
昨晩家に帰ると
「作品は観衆がそれを見に来て、自身の解釈を付与して初めて完成する。そして、その芸術作品は、そこに至るまでのグレーの領域を表現しているんだ」そんな言葉に出会いました。
昨年亡くなったデビッド・ボウイが遺した言葉は、ボクが作ったyuiの空間を明快に言い表してくれたはずです。
yuiへの搬入から設営の後、
作品の並んだ生まれたばかりの空間の中に立ち気がついたのは、
「ボクは絵に向き合ってくれる人のことを思いっきり信頼して描いたんだ」ということ。
ボクはなにか描いたけれど、
それを絵に育ててくれたのは、寒い中yuiまで足を運んで下さったお1人おひとり。
そこからまた力をいただいたボクは、
次の場所を目指し灰色の荒野を歩けるのだと思っています。
毎回展覧会の最終日には寂しさを感じたものですが、
今回は「次」という気持ちが大きく勝ると共に
「ボクはまだなにも描けていない」という気持ちでもいます。
2011年3月11日の夜に「これは10年、20年とかかる事態だ」と直感したことは、
今も明快にボクの中にあり、
ただこれまでとは違い、心に多くの並走者を得たはずの4度目のyuiの時間。
あらためて、みなさん、寒い中足を運んでくださってありがとう。LOVEです。
今回の展覧会に至る最初の部分で、画家のやまぐちめぐみさんの早逝に出会い、
彼女の遺した作品を整理しタンバリンギャラリーで展覧会を開催するまでの仕事をしました。
彼女の生きた証は、ボクの制作のハードルを思いっきり上げるもので、
なんつーか「負けてられねえ」って気持ちで今回に臨んだこと、最後に記しておきます。
ひとりで見ることの出来るものには限りがあります。
が、しかし、
です。
「東日本」は1月23日から2月4日まで横浜仲町台のyui gardenに巡回。
「とうだい」の原画は、その一部を2月9日から16日まで参宮橋のLIFEsonで展示。
2月12日には子どもも楽しめるイベントをワルダクミ中。
そしてまた「東日本」と「とうだい」を合わせて大阪池田へ。
過去に2度お世話になっているLargoさんで2月18日から3月5日まで展覧会。
3月1日から20日まで「とうだい」の一部を熊本の長崎次郎書店で展示。
その後、きっと長崎諫早のオレンジスパイスに巡回。
4月29日から7月19日まで熊本の”つなぎ美術館”で
さらに作品を加えたボクの展覧会を開催。
7月22日から8月一杯は飛騨高山のポレポレ絵本美術館で「とうだい」の原画展。
その後名古屋へ、さらに、、
詳細は逐次お伝えしてまいりますね〜〜
青山の個展を拝見させていただきました。
どの絵も心に残り、本当に素晴らしかったです。
絵を見てこのような感動を得たのは久しぶりでした。
無意識に感じている心のゆらぎや日常のふとした瞬間の愛情が優しく灯っていて
その光は見る人の心をほんのりあたためてくれるようでした。
「アミイゴさんの目で世界を見てみたいな」と思わせられました。
これからもアミイゴさんの世界に触れられる機会を楽しみにしています!
このたびはありがとうございました。
むかいざわさん。
ご丁寧なコメントありがとうございます。
絵に向き合ってくださる方を信じて描けた今回。むかいざわさんの感動は、絵からというより、むかいざわさんの内に埋まっていたものが表に出たということだと思います。
その感動を言葉にして届けていただけたことで、ボクは次の場所に向かう一歩がさらに確かになるんだと思っています。