花の絵をふたつ


気仙沼唐桑町鮪立の西洋タンポポ

初めて鮪立に連れて行ってもらった2014年11月の末、
漁港から八幡さんに続く石段にへばりてついていたかわい子ちゃんです。

11月の雨に打たれている姿がいじらしくてね、
いつか描かなくちゃと思いつつ2年半。

しかし、
これは2017年春に描くべきものだったようです。

唐桑は海の美しさ豊かさに目を奪われがちですが、
実は草木の緑がとても力強く美しい土地で、
また、街道沿いや集落のあちらこちらで
可愛らしい花を見ることが出来たりもします。

その印象は、
そのままそこに生きる人たちの心の表れなんだろうと、
わずかな滞在ではあったけれど感じた記憶があります。

地に根を張り軽やかに海を駆け
ささやかに華やかに

「絆」とか「つながり」とかのワードに振り回されることなく、
なるほど、こんな感じで人と接してゆけばいいんだってね、
その後の東京での日常にも暖かな陽の光を注いでくれてます。

唐桑の、鮪立の、かわい子ちゃんなタンポポの花。

そんなわけで、ボクもこんなタンポポのようにして、
唐桑だったり鮪立だったりに心寄り添わせて生きてゆきたいです。

そして、
那須のイチゴの花

去年の立春から初夏にかけてボクに豊かな時を与えてくれた栃木県の那須。

SHOZO COFFEE の美意識のもと、
真摯な姿勢で働く若い人たち。

ボクは彼らの若さゆえの純情や大胆や恐れや不安やら、
そんなすべてを好ましく感じ、言葉を交わし、
そうしたからこそ愛しく見えた那須に咲く草花を絵にし、
去年の初夏に展覧会を作りました。

あれから1年

先日、那須の雪山で起きてしまったことに対し、
今は言葉も見つからず、
しかし、
あらためて那須に生きる若い人たちのことを思い、
筆を動かしました。

雪山で若い命は失われてしまいましたが、
彼らは生きて、思い悩み、考え、一歩踏み出した。

そんな全てはこれからも生き続けることだし、
生かしてゆかねばならないことだと思います。

4月

これからかなりシビアな制作を重ねて行かねばならないのだけど、
今日は鮪立のタンポポと那須のイチゴの花と
ベランダのスティックブロッコリーの菜の花を描き、
あらためて自分の立っている場所を確認しました。

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