人間はバカで出来ている(2)


SONYのWALK MAN が発売されたのは1979年7月1日

第一印象は
「こんなんつけて、街歩いて、ハズカシくねえかあー?」
でもって無性に「欲しいいーー!」が続く

もちろんビンボー高校2年生には買えるはずもなく

それでもTVコマーシャルで見た
『ニューヨーカーらしき男がウォークマン着けて踊りながら街を往く』
そんなのをコッソリマネしたくて

父親が仕事で使っていた
弁当箱ほどのカセットレコーダー(モノラル)に
やはり父親のゴッツイ大きさのヘドフォンを突っ込んで
「こんなかな?」なんて独り言つぶやきカガミの前

その年の秋の修学旅行は2泊3日の京都奈良

サカリのついた上州山猿軍団のヒトリとして
古都を巡る旅の中

「ここならダイジョウブそうだ」と
根拠の無い確信を振り回し
奈良は斑鳩の里で“オレの”ウォークマンを装着

そこそこの重さのカセットレコーダーとヘドフォンは
まさに装着といった仰々しさで
テレビCMで見た軽々しさは微塵も無く
同行の同窓生の皆様の視線はどこまでも白々しく
見事な竹林を抜ける風はそよそよと
しかし悠久の歴史を想像させるであろう
その音色は耳に届くはずもなく
ヘドフォンではストラングラーズが爆音で
「TOKIOの街でロボットどもが!」みたいなことを
英語で叫んでいる

さすがに「これじゃしょうがない」と思い
カセットテープを取り替え
トーキングヘッズやスペシャルズを聴いてみた

空は薄曇りであったように記憶していて
こんな場所で独りでPUNKやSKAを聴きながら歩いても
ちっともオモシロく無いことに気がついた

それだけヒトリを振り回すパッションに溢れた
“新発売の電化製品”であったウォークマンも
その原点であるカセットウォークマンの製造中止が
最近発表された

コメント / トラックバック 2 件

  1. vivia より:

     
    あははははっ
    甘酸っぱい想い出ですねー!!
    そんなエピソードを味わえない現代の子供ってとっても貧しくて可哀相だな。。

    ピンク色のWALKMANがありまして、
    お気に入りで長年愛用してました。
    何度も修理に出して聴いてたな‥

    今は再生ボタンを押しても動きません
     

  2. >viviaさん。
    「甘酸っぱい」と言うより
    「しょっ辛い」と言った方がシックリくる
    ボクの貧しい記憶

    カセットに録音された音楽だけは
    最高だけどね!

    カセットウォークマンは、その10年ちょっと後に買ったけど、
    すぐに紛失。

    CDウォークマンは音が良く飛んだね。

    MDウォークマンはショボイ音質で耳が疲れた、
    てか、
    MDは“あゆ”の音楽を聴くのに特化したようなメディアだったな〜

    でもって
    iPodは優等生なワルって感じで、
    いけすかねえ。

    結局
    音楽は好きな人とワーッと楽しむのか
    独りで静かに聴くのか
    そのどちらかが好きで
    アトは木々を抜ける風の音とか鳥のさえずりを聴いてるのが好き

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