30ヶ月め
今日は2011年3月11日から2年半
915日目
30回目の11日です。
先日9月1日にNHKで放映の「あまちゃん」が
3月11日のことを描いているを観ましたが、
そのことがつい先日、もしくは今この瞬間のことのようにして、
混乱や恐怖、緊迫感や憤りが肌感覚として押し寄せてきました。
東京で暮らすボクがそんなならば、
津波被害に遭った方はどんなだったんだろう？
いくら想像しても想像しきれないパーソナルな体験、
その隙間を埋められるものはなんなんだろうか？
日々考え、創作に反映させなきゃと思う日々です。
そんな日々の先でオリンピックがやって来ることになりました。
本来は都市単位で開催されるのがはずのスポーツの祭典ですが、
ヒトラーのプロパガンダ利用されたり、経済発展の起爆剤にされたり、冷戦の憂き目に遭ったり、
コカコーラやリーヴァイスのビルボード代わりになったり、復興の旗ふり役にされたり、
ただ100メートルを速く走ったり、1センチでも遠くに飛んだりって、
実にシンプルな存在であったはずだけど、
つくづく「大変だねえ〜」と同情しちゃうんだよな〜。
これから7年、
東京の町がガチャガチャひっくり返されるのを憂いの目で見つめたり、
思ってたんと違う公式マスコットに憎悪に近い感情を抱いたり、
開会式用のダサいユニフォームにがっくり来たり、
スタジオでギタギタ騒ぐテレビタレントさんに辟易したり、
閉会式のショボい演出に腰がくだけたり、
想像しただけで疲れちゃうぜ。
それでも、
スポーツだからこそのドラマに歓声を上げる自分が想像出来ます。
自分の生きて来た時代時代を思い返す際、
必ずオリンピックのシーンが心で再生されるしね。
(1990年はテレビを持ってなくて、バスケのドリームチームを見逃したとかも、)
それから、
ボクのような仕事をしている限り、
オリンピックに関するイラストレーションの仕事が少なからず入ってくることも想像出来ます。
かなりの確立でボクはオリンピックから経済的な恩恵を受けるはずなんです。
(しっかりとした仕事が出来た場合に限るけど、、)
そんな想像を働かせて、
ではオリンピックの当事者のヒトリとなったボクが考えるのは、
オリンピック招致にかかった莫大なエネルギーを、
あらためて震災復興のために、
そして福島第一原子力発電所の事故の収束のために
オールジャパン「せーの！」で注ごうぜ！
です。
いやいや、他の原発の再稼働のための調査にエネルギー使う前に、
反対も推進もなくまずは事故収束を「せーの」でやってしまうんだと思っていたわけで、
しかし、オトナってこんなにカッコ悪かったか？？
というのが今の率直な気持ちです。
ボクの実家が失火した後、
地域のオトナがわらわらと集まって来て、
余計な口をきく事も無くただ粛々と
すべての片付けをやってしまった姿に出会ったのが20年前。
オトナってこーなんだ！
社会ってこうなんだ〜
とうれしく思い知らされた経験であり、
それは、阪神淡路や中越、東日本などという災害の現場で
オトナたちが見せた姿に重なっていったんだけど、
なんだろ？今のモヤモヤ〜とした感じは、、
2年半後の今日
ボクはなんだかグチっぽくなってしまってるけど
たとえば、
TOKYO2020にまつわる小さな絵を一枚描くのでも、
価値観の軸足はこれからも2011年3月11日の上に置き続けてゆくし、
それをカタチにしてゆくことで、
失ってはならい品や美意識を高めてゆかねばだし、
そうやって生んだものをだれに届けてゆくのか、
自己責任を持って考え続けてゆかねばだな〜と、
逃げたりズルは出来ないことばかりだけれど、
そんな闘いがヨロコビとして感じられることが
もしかしたら復興なんだろう。
そんなパーソナルなヨロコビを、
被災された１人ひとりと確認出来るようなことは、
そりゃもう些細なことでしかないんだけど、
個人だからこそ出来ることだなあ〜と思う915日め
人の顔の見える現場で生きてゆかねばだね！
ところで、
オリンピック開催に向けて改築される
新国立競技場のデザインは
イヤだなあ〜〜〜
誰が誰に頼んで誰のために造るんだ？ありゃ。
ガンダムで育ったヤツが、今やお偉いさんになったってこと？
1300億の建造費に8万人の収容人員
発想が地方の巨大ショッピングモールっぽいんだよね、、
完成したら変なイタリア語の名前になるんじゃないか？とかね、、
今回アップした絵は
2012年1月に見た石巻のショッピングモール。
被災の暗闇から突如現れた風景。
駐車場に軽自動車がズラッと並び、
さらに駐車待ちの渋滞がバイパスに連なっていた。
被災にもめげない人々のアクティブさを感じたと共に、
政界財界行政の偉い人たちの考える「幸せのカタチ」は、
こんなモンスターのようなものなのか？と思ったんだ。