34ヶ月め

セイタカアワダチソウ小
今日は2011年3月11日から2年10ヶ月
1037日め
34回目の11日です。

東京は今年一番の寒波に包まれていますが、
東北の各地からは、
大雪にみまわれているとの便りが届いています。

厳しい寒さに加え雪に閉ざされる東北の冬。
そこには生活の厳しさがありますが、
長い冬の時は、そこに暮らす人々にとって、
深い考えに静かに浸れる時でもあるはずで、
東北を巡り人と言葉を交わした時に感じる
哲学の深さや発想のモダンさは、
長い冬に養われてているんじゃないかと、
それは嬉しい発見として感じるものでありました。

そんな1人ひとりが育んできたものが
一瞬で失われてしまう3月があって、

その後の失われた場所で出会うのが、
群生して花を咲かせているセイタカアワダチソウ。

明治以降に外来種として日本の土地に広がり、
特に第二次世界大戦後には
その生命力で日本固有の植物を駆逐してきた雑草も、
今や日本の秋を感じさせる風景の一部にさえなったようです。

その群生が社会問題になっていた1970年代頃は、
オトナの姿を隠すほどの、まさに「セイタカ」。

しかし最近では、
自身の勢力を拡大させすぎたツケで土地をやせさせてしまったり、
日本の固有種であるススキの反攻にも合い、
人の腰の高さほどの成長で花を咲かせ、
道路の脇で秋風にわびしくゆられていたりするのを見ます。

そんな雑草の風情に心を動かされ、
美しさを感じてさえしまうのが、
東北という土地であり、
ボクの東日本というイメージ。

そんな土地が雪に覆われた時に足を運ぶことで、
真っ白な風景から多くを想像し、
必要とする考えや言葉、美しさなどを見つける旅を、
今年もやってみようを考えています。

その旅は、
2月3日から8日の間で開催する「東日本」と名付けた個展の後、
個展期間中、多くの人と交わされるであろう言葉を道案内役にして、
自分の足の一歩一歩を確認して進むようなものにするつもりです。

毎月11日に備忘録として記しているブログですが、
今回は特に私的なものになってしまいました。

ただ、あらためて日々の出発はヒトリの大きさからだなあ〜と、
個展に出品する絵も、ボクのヒトリのスッタモンダから生まれるもので、
しかし、そんな絵があることで、だれかれとの豊かな会話が生まれる。
そんなしなやかな力を信じて、3月11日というものをとらえてゆきたいのです。

以下、個展のご案内に添える言葉。

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あの日から3年。東日本の各地を巡り、凍えた時の塊から美しさを削り出す作業は、
東京での生活の足下にも達し、日常に向ける視線や、1枚の絵から生まれる会話や言葉などに、
豊かさの芽生えを感じことが増えてまいりました。

それでも3年という時の長さでは、3月11日の夜の暗闇で考えたことを解決するには足りるはずもなく、
今回の個展は、2年前の個展と同じタイトルで開催することにしました。
あの時の「これは10年、20年ってかかるぞ!」という直感は、失ってよいものではなく、
そもそもボクはしつこい性格なんです。

立春から本格的な春を想う頃、「東日本」という展覧会がみなさんの豊かな会話の現場になればなあと、
絵の可能性なんてものと一緒に願い、お待ちしております。
 

+++

小池アミイゴ個展「東日本」

space yui
2014年2月3日(mon)-2月8日(sat)
11:00-19:00(最終日17:00)
〒107-0062 東京都港区南青山3-4-11 ハヤカワビル1F 
Tel : 03-3479-5889
http://spaceyui.com

THE GARDEN + shop B 
2014年2月25(tue)-3月2日(sun) 11:00-19:00
〒224-0041 神奈川県横浜市都筑区仲町台1-33-1
Tel : 045-949-4911
http://www.shop-b.com

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