77ヶ月め


今日は2011年3月11日から2,345日め
6年5ヶ月
77回目の11日です。

8月5日より4泊5日のスケジュールで
熊本の天草を取材してまいりました。

天草に着いた夜の「本渡ハイヤ祭」から、
山の頂上や岬のとったん、人の家の食卓と、
ともかく巡りに巡った5日間となりました。

天草市役所の主に若手職員有志による企画。
天草出身の脚本家 小山薫堂さんの地域作りゼミ「N32」に関わる市役所のみなさんが、
税金に頼らぬ方法で人と地域を育ててゆく試みの一歩か二歩めかのタイミングで、
ボクも歩みを共にさせていただき、これから共に歩んでゆきます。

初めての天草行きに際して、
名刺がわりに、熊本の不知火の海の向こう側、
芦北や津奈木町や水俣から見えた天草も描かれている絵3点を送りつけたところ、
市長さんのお話をうかがうチャンスを得ました。

非常に人情家である中村市長さん、
その人格と天草や天草の若い世代にかける熱いお気持ちに触れたことで、
天草を見るボクの視点も更新されたようです。

簡単に言ってしまうと「お客様」から「当事者」の視線に変わったという感じ。

もしかしたら、市長さん、その辺も計算済みなのかな。

ともかく貴重なお時間、ありがとうございました!

「天草の東シナ海に沈む夕日はものすごく綺麗だから見てくれ」

そんな市役所のみなさんのお気持ちに対して、
ボクは相変わらず街中のしょうもない夕暮れ時の光に心を奪われています。

ともかく良い絵を描いて、
まずは市役所ヤングガンズなみなさんとあらためてコミュニケートする。

そこからさらに削り出してゆくことで、
これから先の天草にとって必要な価値観が見つかったらいいな。

1000枚ほど撮ってきた写真を見返しても、
そこに答えは無く、
答えは天草で生きる人の中に埋まっているんだと、

ただ、思いがけず多様性の土地であった天草、
(直前での津奈木町や水俣での経験があってこその発見ばかり!)

そこからなにかひとつを掘り出すことは難しく、
掘り出したものを並べたり組み合わせたり、
そんな作業までお付き合いしてゆく必然を感じています。

こんなリミッターの外れた仕事のあり方を提示してくださった小山薫堂さん、
ありがとうございます。

こんな仕事のあり方をボクも考えていたのですが、
小山さんは実際に動かすためのギアの入れ方が見事!

4日目の夜には、小山さんを交えたゼミと食事会に参加させてもらいましたが、
なるほど、人とこんなコミュニケーションとるんだ!と、
心にメモ、メモ、の繰り返しでした。

この仕事のあり方や方法を今の段階で「こういうことだ」と叫んでしまっても意味は無く、
まずは良い絵を描いて、みなさんに喜んでいただけるものを届けること、
そこでどんなレスポンスがあり、あらためてそれに答えてゆく。

そんなことが出来たら「イラストレーション天草モデル」として
たとえば東北の太平洋沿岸部の友人のもとにも届けられるはずです。

いや、ほんとこれからです。
絵なんてものが今の時代で力を発揮できるのは。

天草についてもっと語りたいことはあるのだけど、
(もしくは、津奈木町や水俣、東北の沿岸部と並列して語るとか)
変に観光案内な感じになってしまうのも違うなと、

その辺、心の粗熱が抜けたあたりであらためて言葉にしてみます。

ただ、天草で確信出来たことは、
ボクが必要としている風景は、人との出会いが見せてくれるってこと。

てことは、あらためてだけど、
天草、人がサイコーなんだ。

5日間、お心づくしをいただいた天草市役所ヤングガンズなみなさん、
ほんとありがとう!
LOVEです。

そして、これからもよろしくお願いいたします。

加害者の土俵に立ってはいけない


全国手をつなぐ育成連合会発刊の交流誌「手をつなぐ」7月号の特集
「負担をかける人間は生きる価値がない」に抗する5つの視点”ヘイトにさよなら”
編集者さんからご指名を受け、5つの視点にそれぞれ絵を添えています。

昨年の7月26日に津久井やまゆり園で起きた事件から1年に合わせ、
5名の識者や障害の当事者による障害者ヘイトに対する提言。

とても難しい問題に対するイラストレーションですが、
編集者さんはボクの普段の活動を知っていてくれ、
「アミイゴ、おめーだったらこの問題に対して何を描く?」
そんな投げかけだと思いました。

テキストをいただき、しばらく時間をかけて考え、
自分の中での正解は、テキストの内容を説明するのでなく、
自分の経験を描くこと。

「障害者」をめぐるボクの思いっきりハッピーな風景を切り取り、絵にしました。
加えて編集者さんからの提案で、
すべてのイラストレーションにボクがなにを経験したのか簡単な説明をつけてあります。

扉ページは、昨年福岡の競艇場のワークショップでの現場で出会った父娘さんが魅せた美しい風景。

その次は平塚養護学校でみんなとデカイ絵を描いたワイルドな思い出

車椅子は日田のまみちゃん。大分の山香の森の中のフェスでご主人さんと熱々でした。

相撲とっている風景は、
2年前に福岡のみんなで動物園に歩いてゆき、絵を描き、弁当食べた後のひとコマ。
アトリエブラヴォのメンバー樋渡さんとボクは熱き相撲ファン同士だったりします。

同じく福岡では、
グラムというオシャレでイカレタ美容室で作ったサイコーにオシャレなイベントで、
健常も障害も区別のつかぬ鮮やかに絵の具まみれの楽しい記憶があります。

今回の「手をつなぐ」特集の中でストンと心に飛び込んできた考え。

「負担をかける人間は生きる価値がない」という考えに対して、
「障害者だって役に立つ」と答える。

いやいや、加害者の土俵に立ってはいけない。

うん、その通りだと思います。

なぜボクが彼らと付き合っているのか、
その一番は楽しいから。

二番は無いです。

もうちょっと踏み込んで言えば、
今日偶然にも福岡のアトリエブラヴォの画集の前書きとして届けた文章の一部。

ボクたちは彼らを「天才」なんて言葉で語ってしまいがちですが、
本当にすごいことは、彼らが街や人に向かって開いていること。
「天才」なんて言葉でボーダーを引いてしまう以前に、
ボクたちはこれからも友人でありましょう。

「手をつなぐ」はその辺で手に入る冊子ではないのですが、
興味ある方はぜひどこかで手にされ見てみてください。

最後に、
こういった仕事の現場は予算規模が限られていること想像出来ますが、
ボクの絵が必要でとされるのであれば描きますんで、
躊躇すること無くビシバシバンバンお声掛けくださいねー!!

「とうだい」原画展 at 飛騨高山絵本美術館ポレポレハウス


絵本「とうだい」の原画の中から11点を厳選、
岐阜県飛騨高山の絵本美術館”ポレポレハウス”で
7月22日から8月31日まで展示いたします。

小池アミイゴ絵本原画展「とうだい」
7月22日(土)~8月31日(木)
飛騨高山ポレポレハウス
OPEN:10:00~17:00(入館-16:30)
大人:700円・中学生以下:300円 *3歳以下無料

岐阜県高山市清見町夏厩713-23
*東海北陸道 清美IC降りて高山方面へ約5分です
TEL&FAX(0577)67-3347
http://www.porepore-house.com

8月20日にはワークショップ開催。
午後は子供向け、夜は大人向けと予定。

会場は飛騨高山の別の場所になります。
詳細は後ほどお伝えいたしますね〜

飛騨高山に素晴らしい絵本美術館があることを、
先輩イラストレーターのみなさんからうかがっていましたが、
今回、館長さんからの熱烈なラブコールをいただき、
夏休み期間での「とうだい」原画展開催となりました。

暑い夏に飛騨高山で「とうだい」と
涼やかな時を過ごしていただけたら幸いであります。

銀座三越「夏を楽しむアート展」参加


銀座三越 7Fギャラリーでの展覧会に参加っス!
https://mitsukoshi.mistore.jp/…/index.html;jsess……d=rlGGZ…

「夏を楽しむアート展」
■7月19日(水)~25日(火) ※最終日は午後6時閉場
■7階 ギャラリー

夏をテーマに分野の違う5人の人気若手アーティストによるグループ展です。
東日本や熊本で出会った美しい風景・花・人の営みを描いている、小池アミイゴ氏。
益子の土で焼締めの魅力あるうつわを穴窯で作っている、竹下鹿丸氏。
同じ物が一つとない木の魅力に取りつかれ、存在感のある家具を作り出す、伊藤圭氏。
笠間にガラス工房を持ち、国内でも数少ないクリスタルガラスを中空で吹いて製作している、杉山洋二氏。
もの作りを通じて伝わる事、感じる事を大切にして伊賀で白磁・焼締めなどに取り組んでいる、安永正臣氏。
各アーティストの競演で夏を感じてください。

■7月22日(土)午後5時~
小池アミイゴ × 竹下鹿丸氏によるアーティストトーク、、

■銀座三越
https://mitsukoshi.mistore.jp/store/ginza/index.html
OPEN:午前10時30分~午後8時

「人気若手アーティスト」5名のうちの1人が、俺っす。

光栄にもメインビジュアルにボクの描いた
宮城県塩釜「千賀の浦」のカモメちゃんを選んでいただきましたっ、

が!
人に見せられる絵のほとんどすべてが熊本のつなぎ美術館にありまっす。

んがっ!
描きたいものがたくさんあり過ぎて、
まったく追いついていないもどかしに呑まれる日々。

今回時間のある限り描きおろしております。

がっ、、

身近でなんやかんやありまして、、
やっぱまったく追いつかな〜い。

がしかし、
それでも「今これを見て!」と思える他愛もない絵数点があるのです。

繰り返しになりますが、銀座三越です。
みなさん、ボクを助けると思い、ぜひ銀座三越までお運びくださいませ。

個人的には「工芸」と呼ばれるジャンルとの共演、
とても楽しみにしていたりもします。

76ヶ月め


今日は2011年3月11日から2,314日め
6年4ヶ月
76回目の11日です。

先日福岡県や大分県を中心に豪雨が続き、
各所に甚大な被害をもたらしました。

去年の熊本や大分での地震被害の傷跡も癒えぬ中、
被害はさらに拡大する可能性もありますので、
現地に暮らすみなさんにおかれましては、
けっして無理することなく、まずは我が命を守り、
心と体の元気を保たれますよう願うばかりであります。

我々のようなものが現地に飛んで行って出来ることは限られていますが、
逆に長い目でもって、みなさんの痛みに寄り添う存在であろうと思っています。

そう考えていた折、
福岡の友人から「チャリティーに使うビジュアルを描いてくれませんか」とのお声掛け。

もちろんなにか描くつもりでいましたが、
こんな活動を続けてきた先で、信頼を寄せてくれる人の顔が見えてきたこと、
とても心強く感じております。

こんなボクの心強く思う気持ちが、一枚の絵を通してユックリでいいから広がってゆくことが、
今痛みの中にある人の「心強さ」に変わっていってくれたらなと願います。

そんなわけで、
この投稿にアップした絵の使い道を思いつく方は、
自由に使われてみてください。

去年の震災の際に描いたものも再掲載しときます。

あとこの人も

6月30日は代々木の”かぞくのアトリエ”で初めての開催となるイベント「よよぎ絵本」

長野県の茅野市の絵本愛に溢れる今井書店の高村志歩さんをお招きして、
「はじめての絵本」という内容で1時間の講演をしていただきました。

多くの方に参加いただけたお話会ですが、
その内容をザクッと言葉にしてみます。

良い絵本は美しい日本語と
「何色」と呼ぶことの出来ぬ複雑にして美しい色彩に彩らているもの。

子どもは「絵」を読むことが出来るけど、
オトナはその能力を手放してしまっている。

しかし、
親は絵本に綴られた美しい言葉を発語することで心の蓋を開き、
子どもの心の深いところで語り合える。

そんな「物語のある人生」もしくは「甘やかな記憶」を
子どもと親で共有することの豊かさ。

もしくは、
将来いざとなった時に発揮することのできる
しなやかな力の獲得。

高村さんご自身の子育ての経験も交え語られた絵本愛は、
人が人であることの意味にまで触れるようなものでした。

生きている限りなにが起こるかわからない。

そんな今ですが、

たとえば「被災」なんて状況に置かれてしまい、
それでもちょっとでも余裕が見つけられた時に、
お子さんとの時間に絵本1冊を共有するなんてことが出来たらいいなと思いました。

そのためには、
良いもの美しいものに触れ、良いものを判断する目や心を鍛えておかなくちゃだし、

ボクのようなものであれば、
ともかく良いものを創ることに尽力続けなくちゃならないのです。

たかが絵本にこれだけの価値を見つけ、
それ以上のものに育ててくれる街の本屋さん、
ありがとう。