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90ヶ月め

2018 年 9 月 11 日 火曜日


今日は2011年3月11日から2,741日め。
391週4日
7年6ヶ月
90回めの11日です。

8月のある日、
塩釜にゆきました。

東日本の悲劇ののち、
一番の友人になってくれた水間さわ子さんとのお別れの式に参列。

こんなことをここに記すのはとても嫌なことだし、悲しいことだし、
しかし、こうやって毎月の11日にブログを書き続けていたことは、
こんな時、東日本の方と悲しみを共にするためなんだよなと、、

大規模な自然災害に対して無力な存在でしかないボクに、
水間さんはその51年の人生をかけて教えてくれたようです。

ボクは遺されたご家族の悲しみの大きさを語ることの出来る言葉を待たず、
ただ自分のことを無責任に語るに終始するばかりですが、

ボクが好きになる方は、
頑張り屋で働き者で、自分のことより人のことに夢中になるような人ばかりだと。

そんな人柄がその人生を縮めてしまうこともあるんだろう。

が、今はボクこそ頑張って、その喪失をこれからの人生の隣に置きながらも、
そんなひとりが生きていた時間を受け継ぎ、前へ進んでゆこうと、
なんとかそう出来るよう目の前の一個一個をやってゆこうと思います。

宮城県東塩釜の水間さんご一家の共栄丸水産さん、
並びに、東北の太平洋沿岸部で養殖漁を営まれるみなさん、
水間さわ子さんという方が、ボクという1人に与えてくださった「海に生きること」
そこから得られる想像力を絶やすことなく、
みなさんが丹精込めて作られるワカメや昆布や牡蠣を食いにゆきますね!


こうしてブログを書いている間にも、
猛暑や水害、大きな地震と続いたこの夏の日本です。

命の喪失の前に、やはりただ自分の無力を知るばかり。

被災された方やその周辺に暮らす方々に対して、
絵なんてものが力になれるようなことはずっと先となるはずです。

ただそれでも、
もし小さなお子さんをお持ちの方で、
1日の中でちょっとでも余裕を見つけることが出来ましたら、
お子さんと絵本を読むようなことをされてみてください。

きれいな絵と言葉で優しい物語が綴られた1冊。

それがたとえば被災の現場ではなく、ごく当たり前の日常の中でも、
どうしても生活に追われてしまう中、
お子さんに対する言葉もきついものを並べてしまいがちになる。

そんなことはほとんどのご家族の当たり前であり、
そうした生活のリアリズムに対して一々目くじら立てるようなことやっていたら、
日々はとても息苦しいものになってしまうはずで、
ボクの立場でそういったことを否定するつもりはありません。

ただ、そんな中でもお子さんとの間に心を寄せ合える絵本という形であったら、
ちょっとだけ深呼吸し、
そこに綴られた物語をお子さんと会話するようにして読んでくれたらいいなと。

これは長野県茅野市の今井書店の高村さんの受け売りなんすけどね、、

美しい絵本に綴られた美しい言葉をお子さんと共有するちょっとの時間。

絵があることでお子さんが何かを語る。
それを説明する必要もなく物語を語ることだけで、
お子さんとの間に豊かなコミュニケーションが生まれるのが絵本だと思うのです。

教訓や教養を得るなんて立派な目的である必要は無く、
「読み」「聞かせる」のではなく「見て」「語りあう」

人の命が奪われてゆく事態の中に置かれても、
すぐれた絵本の中には普遍的な物語が流れています。

それをお子さんと語り合うようにして楽しむことで、
物語は生きたものに、そして親子の物語へと育ってゆくはずです。


厳しい現実を前に何を呑気な、
そんなお考えの方もあると思います。

ただ、厳しい現実を前に頑張る親に対して、
子どもたちもまた、親に迷惑かけまい、ワガママ言うまいと頑張りすぎている場合があります。

そんな時に心優しい物語を親と子で訳あうことが出来たらなあ〜
そんなちょっとの瞬間に豊かな笑顔や涙を共有することで、
救われることはたくさんあるんだってこと、
これまでの東日本や熊本などなどでの経験から実感しています。

そんなことを考えながら先日は九州へ。 

「うちはここまで水に浸かったよ」
なんて会話をあちこちで聞きながら、
絵本を読んだりみんなと絵を描きました。

子どもたちとの小さな会話を積み重ねていった先で、
とても勢いのある綺麗な絵に出会えた旅。

必要とされる現場があれば飛んでゆきますよ〜!

「とうだい」原画展 at 飛騨高山絵本美術館ポレポレハウス

2017 年 7 月 22 日 土曜日


絵本「とうだい」の原画の中から11点を厳選、
岐阜県飛騨高山の絵本美術館”ポレポレハウス”で
7月22日から8月31日まで展示いたします。

小池アミイゴ絵本原画展「とうだい」
7月22日(土)~8月31日(木)
飛騨高山ポレポレハウス
OPEN:10:00~17:00(入館-16:30)
大人:700円・中学生以下:300円 *3歳以下無料

岐阜県高山市清見町夏厩713-23
*東海北陸道 清美IC降りて高山方面へ約5分です
TEL&FAX(0577)67-3347
http://www.porepore-house.com

8月20日にはワークショップ開催。
午後は子供向け、夜は大人向けと予定。

会場は飛騨高山の別の場所になります。
詳細は後ほどお伝えいたしますね〜

飛騨高山に素晴らしい絵本美術館があることを、
先輩イラストレーターのみなさんからうかがっていましたが、
今回、館長さんからの熱烈なラブコールをいただき、
夏休み期間での「とうだい」原画展開催となりました。

暑い夏に飛騨高山で「とうだい」と
涼やかな時を過ごしていただけたら幸いであります。

はいいろのねずみ

2017 年 7 月 2 日 日曜日


「毎日こどもしんぶん」で本日7月2日から連載スタート。

9月までの13週間、
“はいいろのねずみ”の毎週日曜日のいろいろな色の冒険、
お楽しみに〜!

アップしたものはテキストの半分を削っています。
オリジナルストーリーで、ボクこそワクワクしているのです。

「小さな赤いめんどり」

2017 年 2 月 28 日 火曜日


アリソン・アトリー原作の児童文学の傑作「小さな赤いめんどり」
こぐま社の”こぐまのどんどんぶんこ”シリーズの1冊として刊行されます。

アリソン・アトリー 作, 神宮輝夫 訳, 小池アミイゴ 絵
80ページ:214×152mm / 定価 1,296円(本体 1,200円)
小学校1,2年生から
ISBN 978-4-7721-9064-0
http://www.kogumasha.co.jp/product/568/

ボクは表紙とすべてのページでの挿絵を描いています。
情熱的な編集とデザインをいただき素晴らしい「本」になりました!

この『こどもの手に気持ちよく収まる一冊』を手にされ、
楽しくページをめくっていただけたら幸いであります。

作画の依頼を受けたのが去年の夏の始まるころ。

児童書のベテラン編集の方から「参考までに」と見せてもらった、
やはり神宮輝夫先生訳の1969年に刊行の「小さな赤いめんどり」

表紙と挿絵は油野誠一さんがご担当されていたのだけれど、
やはりそれが素晴らしすぎて、少なからずのプレッシャーを感じつつも、
今の時代に必要とされるものを考えなければと思いました。

さらには、
今の時代の中で「児童文学」の置かれた厳しい現状についても伺いました。

まず、子どもが「児童文学」というジャンルの本を読まなくなった。
(ゲームやアニメ、スマホなんてものの影響も少なからずありますが)

なので、本屋さんから児童文学のコーナーが失われてゆく。

その状況が続いてきた中、目利きのオトナも失われつつある。

児童文学は基本オトナが子どもに与えるものですが、
オトナが「分かる」本を選ぶ傾向になってしまっている。

もうちょっと言えば、
少子化の中、子育ての大変さにフォーカスされた、
親御さんが「共感」する本がチョイスされる傾向がある。

そうなると子どもの本はますます「赤ちゃん絵本」に特化され、
子どもの想像力を信じた余白のある本は片隅に追いやられ、
たとえば大きな商業施設の本屋さんの子供向けのコーナーは
アニメとゲームと赤ちゃん絵本で売り場を締められてしまう。

担当編集者からうかがった話に
ボクの実感を加えて言葉にするとこんな感じです。

それでも子ども達に素晴らしい児童文学に触れて育ってもらいたい!

そのために、初めて児童文学に触れる子どもでもスラスラ読めるよう、
文字の大きさや並びを考え(こくごの教科書で慣れ親しんだものに近づけたり)、
挿絵はストーリーを見失わぬよう説明的であり、
しかし、子どもも想像力に蓋をしない空気感のあるものにする。

この一冊に出合った子どもが、次の一冊に手が伸びる、
本を読む子どもに育ってもらいたい。

編集の現場の方の叫びのような心情に触れ、
ではこの名作と言われるストーリーにどんな絵を添えて行ったらいいのか?

ちょっとくらいの遠まりは恐れず、
コミュニケーションを密に絵の世界を深めてゆきました。

「小さな赤いめんどり」の主人公のおばあちゃんとめんどり、
2人は心を通じ合わせ、会話もします。

人間とニワトリがなぜ?

人間のする仕事にせっせと勤しむ”めんどり”などなど、
不思議なこと、不条理なことがたっぷり詰まったストーリーです。

こういったストーリーの細部に対して「なぜ?」と思い、
「わからない」と遠ざけてしまうのが、残念ながらオトナなのでしょう。

しかし子どもはそこを突き破り、ある意味自分勝手な想像の翼を広げ、
文章の山を飛び越えてファンタージーの世界に舞い降りることが出来るのです。

ただそこでなにを感じるのかは、
親御さんとの日々の会話の豊かさが決定づけるのではないでしょうか?

日々なにげなく目にしたり感じる美しきものを、
自身の実感から湧いた言葉として子どもと交換しておくかぎり、
名作と言われる児童文学は無言で子どもの側にあれば良く、

文学の不条理の世界の中で、お子さんは親御さんとの豊かな経験を増幅させ、
親の思惑を超えた想像力を手にするはず。

それはとても豊かなことだなあ〜

などということを、
実は絵本「とうだい」の制作から「小さな赤いめんどり」の作画作業を通して手にしてきたボクです。

今の時代を生きる子どもが興味を持ってスラスラ読めるよう、
イラストレーターとして培ってきたアイデアを結集させ、

しかし、子どもたちの想像の余白をなるべく広く確保した、
ちょっとやそっとではヘタらない世界を描けた自慢の挿絵です。

なにより、
作画終わった後の編集からデザインの作業、
そして翻訳者である神宮輝夫さんまでが細部をカスタマイズして下さり、
今の時代から未来に向けてベストな本にして下さったこと、
この仕事に関わり誇りに思っております。

で、めんどりさん、
過去に色んな国で絵本にされてきましたが、
きっとボクが一番スタイル良く描いたはず。

赤じゃなくピンクだしね!

うん、長く可愛がってもらいたい「小さな赤いめんどり」なのです。

「とうだい」

2017 年 1 月 24 日 火曜日

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ボクが作画を担当した絵本「とうだい」が
9月15日に福音館書店より発表されます。

日本傑作絵本シリーズ「とうだい」
斉藤倫:文 / 小池アミイゴ:絵

アートディレクション:柿木原政広(10inc.)
デザイン:西川友実(10inc.)

福音館書店刊 1300円+税
24X26cm、44ページ
ISBNコード:978-4-8340-8289-0
福音館amazon

2014年2月に開催した展覧会「東日本」
同タイトルで2度目の開催となった展覧会に、
福音館の編集者Sさんが足を運んでくださり、
展覧会のメインのビジュアルだったカモメの絵を見ながら、
ボクにぜひ描いてもらいたい絵本の原作があると。

その後いただいた原稿のタイトルは「とうだい」

詩人でもある斉藤倫さんの構築した言葉のとうだいは、
ソリッドに美しいものでした。

岬に立った「とうだい」は、
自分のいる場所から見える風景を愛しながらも、
渡り鳥たちが語る世界中の話に驚き、羨ましく思い、
ただそこに立ち続ける自分に疑問さえ感じはじめた。

が、

東日本大震災以降、東北沿岸部のフィールドワークを重ねてきたボクにとって、
利便性だけでは語ることの出来ぬ『その土地に暮らす意味』をさらに深く考え、
絵に反映させてゆけるはずだと思えたストーリーです。

特に、
何度も見てきた福島県いわき市の豊間のビーチから望む塩屋埼灯台の姿を、
そのまま描くわけではないのですが、
震災後の世界を生きる上で必要とされる心象風景として描けるんじゃないかと、

さらに現地を歩き、色彩や空気感を体に取り込み、
斉藤倫さんのとうだいが立つべき足場造りの準備を進めてゆきました。

そんな製作の途中では、担当編集者さんの産休があり、
(この本と年子な無事のご出産、おめでとうございます!)

昨年の夏の終わりには、やまぐちめぐみさんが亡くなり、
彼女が遺した大量の作品世界の奥深さにやられてしまい、
その後の作品整理や遺作展の準備から開催にかけてと
自分の絵を描くマインドが1mmも動かず、

「とうだい」の作画作業は大幅に遅れてしまったのですが、

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それでも、
昨年の冬から本格的に再開した作画作業は、
ボクの今までの人生のなかで最も美しく静かな時として、
今となっては思い返されるものになってくれました。

なにより、
息子が小学校にあがる前後での作画作業は、
彼自身、そして保育園で触れ合う元気なともだち、卒園式での涙、
入学式での晴れ晴れしさと、ちょっとの不安、
「はじめまして」のこどもたちの魅せる元気な風景などなど、
6歳の感性を思いっきり浴びた「とうだいくん」を描くことであり、
1つひとつの作業がとても愛しいものでした。

たまに「いいね」とつぶやいてくれる保育の現場に立つカミさんのひと言が、
なかなかの力になってくれたしね〜

その後のデザインの作業でも印刷の工程でも、
実に風通しの良いコミュニケーションのもと、
1mmでもベストなものに近づけてゆこうという
みなさんの情熱を浴びる現場が愛しくて仕方なくて、

なんやかやの遠回りも含め、すべてのことに意味があり、
みなさんから頂いたものを1枚1枚の絵に反映出来た絵本が完成しました。

ボクに今なにかあれば、
「ああ、とうだいの絵の人ね」と言ってもらえるんじゃないかと。

しかし、
今はこの本を必要とされる方に届けなくっちゃです。

みなさん「とうだい」どうぞよろしくおねがいします。

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発売日の前夜の特別手渡し販売
9月14日(水)18:30~20:30

銀座G8ギャラリーでのTISの「夏目漱石展」での企画「夜店」で
ブースをひとつ設けて限定20冊で販売いたします。

「とうだい」原画展
10月25日(火)~10月30日(日)

森岡書店 13:00~20:00
=森岡書店=
〒104-0061 東京都中央区 銀座1-28-15
03-3535-5020

その他いくつかのイベントが決まる予定ですが、
その辺は追ってお知らせしてまいりますね〜。