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150ヶ月め

2023 年 9 月 11 日 月曜日


今日は2011年3月11日から4,567日
652週3日
12年6ヶ月
150回目の11日です。

150ヶ月。
それはもう「あまちゃん」も10年後の再放送がクライマックスに向かうわけです。

が、
「あまちゃん」の3月11日の描写回は、10年前の放送当時と変わらず、
というか、2011年3月11日の変わらぬ切迫感をボクに与えました。

12年半の時の間では、記憶が曖昧になっていることも多く、
それでも明確に思い出されるのは3月11日のことだし、
その後残念ながら失われた幾人かの「愛しき善良なる頑張り屋さん」の姿だったりします。

そしてつくづく、自分が生かされていることに感謝し、
己の無力を知るも、なにかの力になれることを考え続ける毎日であります。


福島市のギャラリー・オフグリッドでの展覧会「ハルカラ」は会期を終え、
もう会津若松と喜多方での巡回展が始まっていますが、ちょっと振り返り。

8月11日はワークショップとトークショーを開催しました。

防災ジオラマを推進する法人から、飯舘村の段ボールを提供頂き、
しかい思う存分好き勝手な絵を描いて、、

でも、集まってくれた皆さんの中で思いっきりハッピーが湧き上がって。

白く四角い紙を与えられ絵を描くのとは別の、
もっと体が喜ぶ創作体験になったのではないでしょうか。


トークショーに駆けつけたくださった、
喜多方の大和川酒造の九代目にして自然エネルギーの会津電力を興した佐藤彌右衛門さんと、
福島の食堂ヒトトで知り合い、今は会津若松で食堂”紺と種”やギャラリー、民泊を営む夢実さんと、
震災から12年の振り返りと、最後は子どもたちの未来をどうしようって話へ。

自分ごとより人様のことを思い奮闘される皆さんの言葉、
確かだったなあ〜。


福島市はちょうど盆踊り。

知り合いが何人も関わっているプロジェクト福島の盆踊りは、
やはり震災から何年も続けてきたからこその確かさと、
ここで歩みを止めぬ意思を感じた楽しさでした。

なんやかやひとりでやってきた自分も、
なんやかや共に走ってくれる人が現れた福島で、
これからやれることの本番のように思いました。

ものすごく暑かった福島市での展覧会も終え、
お世話になったみなさんにご挨拶した9月3日と4日。

食堂ヒトトのごはんに生かされ。

以前から友人にうわごとのように言われてきた「あんざい果樹園に連れていきたい」を実現させ。

なるほど、ここの果樹は描きたくなるわ!と思い。

会津へ。

人と人が創る空間と向き合う。

つくずく自分は人に生かされ、育てられていることを自覚し、
ではここで何が出来るのか、これからも考え続けてゆくんだと思うぜ。

東京に帰る日は土砂降り雨。

夢実ちゃんの”紺と種”に福島市から食堂ヒトトが出張しごはんを提供するということで、
駆け込み。

料理にも使われている野菜は、
喜多方市で有機栽培を実践されている大江ファームのもので、
お客さんしても来られるとのこと、久々の再会。


暑すぎる夏の野菜の生育の話をうかがいながら食べるごはんが、ありがたい。

帰りの電車に合わせてわさわさと後にしてしまったが、

「福島の処理水」が捉えどころなく語られる夏に、
自分がいただいたものは「安齋さんが福島市で育てた桃や梨」だったり、
「大江さんが喜多方で育てた野菜」だったり、
「ヒトトのみんながこさえたゴハン」だったり、
大和川酒造の酒だったり。

作った人の顔が明快な捉えどころあるものばかり。

会津、中通り、浜通りと、それぞれ特徴のある土地が
偶然ひとつの行政区としてまとめられている福島県に対して、
自分は応援するなんて気持ちになる間も無く、
ただ人の手が真っ当にかけられた食べ物を、
美味しく頂いただいたのでした。


2023夏
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展覧会「ハルカラ」会津巡回

2023 年 9 月 2 日 土曜日


福島市の飯舘電力のギャラリーオフグリッドでの展覧会「ハルカラ」は、
昨日無事に会期を終えました。

暑い中お運び下さった皆様、ありがとうございました。
そして展覧会は会津へ!
オフグリッドの作品と食堂ヒトトで展示の絵本の原画を3箇所、
福島会津の良心と呼びたい場所にに分けて展示します。
「ハルカラ_」小池アミイゴ 展覧会
飯舘・喜多方、春から秋へと巡った絵による記録。
at“カフェ天空回廊”
・9/8(金)〜10/23(月)
・10:00〜15:00
*定休日_火・水・木
*臨時休業:9/16(土)
〒966-0861 福島県喜多方市字寺町4761
大和川酒蔵北方風土館 天空回廊2階 カフェ天空回廊
昨年9月の飯舘村~喜多方の取材旅から春、夏と描いてきた福島の風景や花の絵を展示します。

「ハルカラ」小池アミイゴ 花の絵展  at“紺と種”
・食堂 9/14(木)〜10/23(月)
・蔵gallery 9/14(木)〜17(日)
・11:00〜17:00
*定休日_火・水
〒965-0042 福島県会津若松市大町1丁目3−19
TEL 0242-93-5820
日常なにげなくめにする花に思いを寄せた絵を展示すます。
作品にちなんだ期間限定のスイーツや、ワークショップの開催も予定しています。

「ハルカラ」絵本の原画展
“食堂つきとおひさま”
・9/7(木)〜10/23(月)_(休_火・水)
・11:00〜18:00
*定休日_火・水
※10/9(月祝)は都合によりお休み
〒966-0871 福島県喜多方市字寺町南5006番地
TEL 0241-23-5188
Mail info@tukitoohisama.com
福島の風景にインスパイアされた絵本「はるのひ」の原画を中心に、花の絵なども添えて展示します。
期間限定で作品にちなんだごはんとおやつが登場。ワークショップも開際予定です。
アップした絵は喜多方の秋の景色。
大和川酒造の佐藤彌右衛門さんにご案内いただいた「豊かな会津」に圧倒され、車からぼ〜っ眺めた琴平山。
自分の絵のメンターである長沢節出身の会津は光が綺麗で、自分の筆がまったく追いつかず、、
2枚めは只見の花の絵。
自分の会津は2016年の奥会津取材から始まりました。
山深い町只見の光が強烈に美しくて、なんでも無い路肩の花も特別なものに見えました。3枚めは絵本「はるのひ」から。
自分の生まれ故郷の群馬の風景をベースに、大分や台湾での経験を生きた絵の世界ですが、
子どもワークショップを続けた奥会津エリアの柳津町や昭和村の、ローカルなスケール感や、
季節ごとの色彩や光からも大きな影響を得ています。

特に喜多方の大江ファームでワークショップをさせて頂いた時の経験は、
「はるのひ」のいくつかの重要な場面に反映されています。

ご縁をいただいてまだ7年ほどの福島の会津ですが、
ボクの人生をとても豊かな色で塗り直してくれた場所へ、
今回ちょっとだけお礼を伝えるチャンスを頂きました。

144ヶ月め

2023 年 3 月 11 日 土曜日


今日は2011年3月11日から4,383日。
626週と1日
12年
144回目の11日です。

この12年で7回目の開際となる個展「東日本」
本日3月11日が最終日。17時に閉廊になります。

写真の真ん中の大きな絵は、
震災から10年後の2021年夏に福島県浪江町で自生を始めた絶滅が危惧されている”水葵”の群生。
報道に出会い、常磐線に飛び乗り見にゆきました。

それを見ているのは、福島市の食堂「ヒトト」の立ち上げに尽力された大橋さん。

栃木のSHOZO COFFE のスタッフで会った時知り合い、
震災後「福島の力になりたい」とUターン。
3月11日以降の福島の等身大の情報を共有してくれる仲間のひとりです。

「あの日から12年」と語られる今日。
そんな友人の存在を日本の各地に感じられることを、とても豊かなことだと思っています。

そして、やれること、やるべきことはまだまだあるな〜と。

少なからずの絵が売れている今回の展覧会。

その売り上げは、
たとえば明日福島に移動し行う飯舘村のフィールドワークに充てます。

昨年9月に再生可能エネルギーの “飯舘電力”の案内で巡った飯舘村

震災後色々な土地を巡ってきましたが、
飯舘には他の場所にある何かが欠けているように感じました。

その欠落をボクが埋めることは出来ないはずですが、
飯舘にあるものを「アート」と呼ばれるものを働かせて埋めることは出来るのではと。

現状「なにかやる」としか言えない状況ですが、
そこには自分のお金と時間を注ぐ意義があることは直感できています。

それは、2011年3月11日の夜の暗闇の中で感じた直感と似たものであり、
それは自分だけでなく、
自分の息子の未来なんてものにもコミットするものであると思います。


そんなこんなの会話を、北海道、岩手、福島、栃木、群馬、長野、大阪、愛媛などなど、
わざわざ遠方からお運びくださる方と思いっきり出来ている展覧会。

今日の5時間、大切にしますね!

「東日本」season7小池アミイゴ2011年3月11日からの展覧会
2023年3月2日(木) – 3月11日(土)
open 12:00 – 19:00 最終日~17:00マデ
SPACE YUI
〒107-0062 港区南青山3-4-11 ハヤカワビル1F
TEL.03-3479-5889

ところで3月15日は地域の落書き消し。
自分が「被災地」と呼ばれた場所で掴み自分の暮らす地域に投下したことを、
地元小学校の6年生がキャッチしてくれ、自主的な取り組みに変えてくれたので、
当たり前のオトナとして当たり前に熱烈応援。
東京代々木は「被災地」と呼ばれる場所と地続きであります。

 

139ヶ月め

2022 年 10 月 11 日 火曜日


今日は2011年3月11日から4,232日
604週4日
11年7ヶ月
139回めの11日です。

今は北海道の知床斜里駅の待合室でPCをタイプしています。

5年ぶり2度目の知床では、前回と変わらず生きると死ぬについてい考え続けています。
そのことについては後ほど、心を落ち着けて言葉にしてみますね。


先日は福島県へ。

今回は震災後に企業された再生可能エネルギーの電力会社と「何かできないか」そんなオーダー。

福島県飯舘村-喜多方市-福島市、飯舘電力、会津電力と電力会社を巡って行くと、
最後は美しい田んぼの風景に出会った取材旅でした。

ほぼ白紙の状態から1年間かけて、福島が必要とするであろう「目指すべき新たな幸せの風景」を掘り起こし、アートやイラストレーションやデザインというものをハードワークさせ人々と共有させる、なんてことが自分に出来るかどうか。


ただ、今回お世話になった皆さんの「福島をなんとか良い場所にしたい」というマインドの熱量すごくて、「これは引き続きハードワークしなきゃならないぞ!」であります。

皆さんの福島県を再エネ先進地に育て、サスティナブルなライフスタイルを実現しようとするマインドの熱を、美味しい料理を作るのに使うのか、煮湯にして誰かにぶっかけるのか、デザインやアートなんでもものの働かせ方はそんなところにあるんだろうと、皆さんとのディスカッションの中から感じました。

今回「デザイン」というワードで2つ。
地元の再生可能エネルギー電力のソーラーパネルが、自然や人の生活と調和させるよう建てられいるのに対し、
(写真は会津電力のもの)
首都圏のマネーで建てられているものはどうしても暴力的に見えてしまうなあ。
震災後のニュースで何度も何度も耳にしてきた飯舘村だけど、
その形は「福島第一原子力発電所から北西に流れる風(雲)の形で覚えていたのだが、
実際はジャガイモのような形だったぜ。


これは、熊本の水俣をモノクロでしか知らなかった関東者の自分が、実際に水俣に行ってみたら、とても美しく場所だったことを知った時と同じく、「ごめんね」という気持ちと共に、知らないことの罪を感じました。

今回のフィールドワークを通してガツッと言えることは、
「福島は東京なんかのずっと未来を生きてる」ということ。

なんつったって皆さん、あれから絶えず考え続けている。

飯舘電力と会津電力は別の会社だけど、協働のような関係にあるんだろうか。
関わる皆さん同士がとてもオープンに語り合っているのが気持ちよかった。

会津電力の母体は北方市の大和川酒造。
酒造りは人と米と水が必要で、それを会津の土地の力で賄っているということで、

サスティナブルな試みの先駆者と言えるのだろうね。

そんな酒と似た味わいの電力なんて観念が生まれた楽しいだろうな〜

酒造りと電気作りがどちらも幸せなものであるよう、
され自分は何が作れるのだろうか?


今回、良いものを見ただけじゃなくて、
震災後に被災地と呼ばれる場所に投下された大きな力で歪んで見えるものも出会いました。

ただ、自分はそうしたものに抗うより、そうしたものを乗り越えちゃう、
なんなら地面に穴掘ってすり抜けるとか、そんな楽しい力が湧き出すようなことをしたいね。


ともかく目の前には「白紙」

自分の仕事のあり方も創造するようなチャレンジを、今までやってきたどんな仕事より楽しくやれたら、
息子たち世代が笑顔で歩ける獣道の一本も描けるのではないかと、自分に期待しています。