熊本でのふたつのワークショップ

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7月29日熊本のLIFE Daily Meals での
熊本の子どもたちとのワークショップセッション。

東京の代々木八幡のLIFEからのおつきあい、
山下さんがマネージャーをしている店での絵の時間。

代々木の街で何度もこんなことを重ねてきた関係の先で、
では震災後の熊本でなにが必要なのか?

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実は今までやれていなかった種類のコミュニケーションが、
今回は必然をもってより密に重ねられた上での開催。

震災は悲劇を生みます。

しかし、それだけではなく、
ボクたちが生きる上でどんなことが必要なのか、
あらためて気づかせてくれるし、
「ひとり」の中にある「元気」の分だけ、
意識してそこにアプローチしてゆかねばならないんだと、
東日本から5年の経験の中でそう思うようになりました。

そんなわけで、
LIFE Daily Meals での現場では、
ここまでのコミュニティと、これまでの経験を存分に活かし、
ランチと夜の営業の合間でちゃっちゃと準備を進め、
お店に「守られてるなあ〜」って状況で
「はじめまして」のみんなと心も体も振り切って絵を描きました。

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お題は「でっかい熊本城を描こう!」だったけど、
実際、ちょっやそっとでは崩れないすんごい天守閣が生まれました!

お店が出来て半年もたたぬ中での震災。

もともと『子供の声の聞こえる店にしたい』て志を持って始まった店の、
ちょっとやそっとでは崩れない「街と店と人との関係」の構築、
LIFE Daily Meals という場所の「志」が絵になったはずです。

近郊の被災地はさらに厳しい状況に置かれている中、
ボクたちは今のボクたちの元気の総量を量ることがことが出来たはずで、
それをどう街や人の元気に変えてゆくのか、
これからもじっくりお付合いを続ける中、確認してゆきましょーぜっ!

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参加くださった多くの方から
「地震後はじめて笑った」「楽しいと思えた」って声をいただけた時間。

その意味の重さを感じつつも、

そんな言葉を交わせるのは、
みんなでこの現場を創り、
子どもたちを守りながらも自由を与えられたから。

それは簡単なことではなく、
関わったみなさんはちょっと誇りに思っちゃってください。

うん、ボクも楽しかった!

では、まったね〜!!

次の日は「パリ フェア」と名付けられた震災復興支援のフリーマーケット、
そして、熊本のシャンソンのコミュニティの人が一同に会したコンサート。
その合間での子どもとの絵のワークショップ。
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こちらは熊本の水俣出身でフランス在住のシャンソンシンガー、
クードレイ恵理子さん久々の来日に合わせての熱烈なお誘い。

彼女は東日本大震災の際に、
フランスでボクの日本列島の絵を使ってチャリティーを行ってくれた人で、
ネット上では密なコミュニケーションを重ねてきましたが、
実際にお会いするのは今回が初めて。

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でも、やっぱきちんと言葉を交わしている人とは、
「初めまして」の感じがしないね〜!

いや、多くの方が関わっている現場では感傷に浸る間もなく、
誰も彼もボクも自分の仕事を見つけて働かなきゃって感じ。

で、実際、この日のワークショップの詳細も、
この日の朝にまとまったって感じで、、
ともかく子どもたちと体当たりです。

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前日と比べてちょっと大きな子どもが多かったこの日。
絵を描くエンジンのかかりがどうも悪いな、、

う〜〜ん、、
この感じ、

東日本の震災から1年後に気仙沼でやった時と似た感じ。

その後、あの時のことを何度も自分の中で反芻し、
今のワークショップのスタイルが明快になってきたのだけど、

この日はそういったことを1回忘れて、
参加してくれた1人ひとりとのコミュニケートを丁寧にやらねばなと。

そうやって見てゆくと、
1人ひとり差はあるけれど、
みんな少なからずのイライラを抱えているなと。

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特にそれが分かりやすい子がいたから、
彼女の暴力的とも言えるクリエイティビティを全肯定して、
「もっとやっていいよ!」「みんあが描いたのも壊しちゃっていいんだ」みたくしていったら、

なるほど、
「大人が地震で大変なのに、ワタシは楽しんで絵なんか描けない!」ってことなんだ。

大暴れな感じで絵を描いているけど、
思いっきり大人に気を使っている。

でも、本当は絵が好きなんだってことが、
まあボクも絵を描き続けてるからちっとはわかる。

最後に絵の上に裸足で上がって絵を描きはじめて(壊し始めて)

しかし、そこで生まれた絵の風景が美しかったから、
「それ綺麗だね」って伝えたら、一瞬得意そうに笑ってくれた。

ほんとそれだけ。

それだけだけど、
とても大きなコミュニケーションを交わした実感があった。

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この日のコンサートとても素晴らしいものでした。

そのことはいつか言葉に出来たらと思うのですが、
ともかく沢山の笑顔が生まれた時間。

そんな中、
爆発的な笑顔を振りまいている人が、
実は被災で家を失い、とても大変な立場に置かれている、
絵を描いていた子どもたちのお母さんだったりするのです。

ボクが子どもたちと絵を描いたからって、
なにかを解決なんか出来ないこといつもいつも痛感させられています。

ただ、ここで気づいたことが
子どもと家族や近しい人との間で反映されればなあと願います。

そうしていただけるよう、
ほんとカッコなんかつけてられねえなあと、
熊本の「笑顔 時々おお泣き」な愛しき現場で叩き込まれました。

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そうそう、
その真夏のシャンソンショーの合間で、
ボクの絵を使ったバッジでの震災復興チャリティーが行われたのだけど、

絵を描いていた彼女たちが実に生き生きとした表情で
その役割を務めていました。

『絵を描くより大人の役に立ちたい』

ああ、絵は負けるような、、なんて嘆きつつも、
そんな誇りに満ちた表情に出会え、
やっぱ今回お誘いを受けてよかったなあ〜と。

帰り際に「またね〜!」と声をかけてみると、
「べー」みたいな顔の笑顔を返してくれたよ。

ったく、、

ほんと、またね〜〜!

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