THKドローイング_SHIOGAMA2013

2013年2月に宮城県塩竈で出会った方から頂いた手紙をもとに、
再び歩いた5月の塩竈を85枚のスケッチを描きました。

今回、塩竈市杉村惇美術館での展覧会に開催するにあたり、
コトリンゴさんにこのスケッチに添えるピアノ曲の作曲を依頼。
ご自宅のピアノで演奏された曲を添えた5分40秒の映像作品を制作し、
展覧会の会期をとおして流し続けました。

塩竈で展覧会を開催することは、ボクにとってとても重要なことで、
しかし、そこには少なからずの恐れもあって、
ヘタれたボクはコトリンゴさんという同時代を共にする才能を頼ったってことです。

なぜ塩竈で展覧会をしなければいけないのか、
個人的な話を聞いていただいた上で創っていただいたピアノ曲は、
そのまま6年前のボクの塩竈での足音のリズムと重なり、記憶のBGMとさえ呼べる仕上がりでした。

コトリンゴさんのご自宅のピアノで録音された曲は、いつもの彼女の仕事からすると「荒い」とのこと。
しかし、いつもの仕事とは違ったエモーショナルな揺らぎを感じられた演奏に、
彼女のこれからの活躍がさらに楽しみに感じられたボクです。

そうして展覧会にひとつの芯が生まれたことで、
3月11日を目の前に不安になりがちなこの時期、心穏やかに絵や空間に向き合うことが出来たと、
少なからずの方が言葉にして伝えてくれました。

そしてボクは、そんな曲の肩越しから見た塩竈が、さらに美しく感じられてね〜!
ほんと、お願いしてよかった。

ありがとう、コトリさん。

展覧会最終日、都内のスタジオから駆けつけてくれてビックリ。
東京にトンボ帰りしてくれたコトリンゴ、男前だぜ!


今回の塩竈の展覧会では、塩竈のポータルサイト”クラシオ”の取材を受けました。
LOVE FOR SHIOGAMA
http://kurashio.jp/archives/10709

展覧会開催に至る経緯など、難しいテーマだったと思いますが、
シンプルに綺麗にまとめていただき感激です。

取材してくださった方は、震災があって大変なこともあったが、
塩竈の外の人とたくさん知り合うきっかけにもなったと。

誰をチョイスし、語られたことのどこにフォーカスするのか。
それをどんな口調でもってシェアしてゆくのか。

ボクが何を語ったかってこと以上に、
地域のポータルサイトから発せられる『自分たちで未来を創造する意思』みたいなことこそ、
読み取ってもらえたらいいなと思います。

震災の悲劇と並走しているからこそ問われる柔らかなマインドの編集。
それはある意味、今の日本の最先端の発想に触れられるってことでもあるはずです。

塩竈のみなさん。もしくは東日本に暮すみなさん。
ボクが出会った美しい街、そこにどんな色落としてゆくのか、
一緒に考えてゆけたらいいなと願っております。

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