46ヶ月め

雪の福島585
今日は2011年3月11日から3年10ケ月
1403日め
46回めの11日です。

古くからの知人で岩手県出身のレゲエシンガー
LIKKLE MAIさんが去年の暮に発表したミニアルバム 「きたぐにのはる」
http://likklemai.com/kitaguninoharu/
10924790_769931136393701_8277784373834053912_n
レゲエの有名なリズムの上で歌われるのは
秋田音頭、相馬盆唄、チャグチャグ馬っ子、ノンキ節。

東北で生まれたみ耳覚えのある唄。

震災後いろんな音楽、もしくはいろんな表現に出会ってきたけど、
「やっぱこれだね!」と感じた痛快にして軽快な表現のあり方。

あの日からもうじき4年だけど、
あらためて自分がどこで生まれどうやって生きてきたのか、
群馬県生まれのボクも東北で生まれた唄に触れ、
それがレゲエという親和性の高い音楽だからこそ、
心地よく胸を開き、積み重ねられた記憶の束を解いてゆけました。

そしてこのアルバムの一番最後に収録されたタイトル曲「きたぐにのはる」

『レゲエで民謡をうたっている』という前知識だけでCDを買ってきて、
アルバムの最後で「白樺ぁ〜♪」なんて感じで
千昌夫さんの「北国の春」が華々しく歌われるのだと勝手に思っていたら、

始まった唄はホンモノのフォークソングでした。

「被災」の現場で生きる人の唄「きたぐにのはる」

切なくて朗らかで痛快に痛くて
温かくてうすら寒いしなやかに力強い唄

フォークソング=民衆の唄

こう訳したのはアメリカ在住のボクの友人ですが、
ならば「きたぐにのはる」こそ
ウッディ・ガスリーが「砂嵐」を歌った日から綿々と続く
フォークソングの大河の先で生まれたホンモノだと思いました。

そういったものの本質は
本来静かに慎ましいものだったりしますが、

今は右から左から響いてくる大きな声で
僕たちが大切にしなければならない小さな唄や
日常の会話がかき消されてしまっているように感じます。

LIKKLE MAIさんは「民謡レゲエ」という痛快な表現をもって、
世間を覆う騒音をかき分けた先に見える被災の荒野に
ホントに愛しい小さな唄をひとつ置いたんだと思いました。

LIKKLE MAI GOOD JOB!

みなさんもぜひ「きたぐにのはる」御一聴されてみてください。
iTunesでも購入可能です。(CDと一部内容違うけどね)

被災地と呼ばれる場所を歩くと
実は地元の音楽家がLIKKLE MAIさんと似た視点で語られる
唄をうたっているのに出会います。

そういった唄がもっと聴こえてきたら痛快なのにな、
なんて思うのですが、
LIKKLE MAIさんの唄が呼び水となり、
表現がブラッシュアップされた小さな唄が集まり
ひとつの川となり東京にも流れてこないかなあなんて思っています。

なにより、
ボクも「東日本」という名前をつけた絵を描き続けてきましたが、
そろそろ今回彼女が唄ったようなステージに進む時だななんて思っています。

以下「東日本」のリンク
http://www.tis-home.com/amigos-koike/works/115
ちょっと作品を追加してあります。

コメントをどうぞ