tricolor「旅にまつわる物語」

tricolor_旅にまつわる物語700
アイリッシュトラッドを基本に、
生活に密着した無垢な音楽を奏でる3人組 tricolor
http://tricolor-web.com

前作に続いてアートワークを担当した彼らの4作目となるアルバム
「旅にまつわる物語」が3月15日に発表されます。

音楽性、演奏、録音、すべての上でグイッと成長した今作。
傑作です。

そんなわけで、
前作同様に丁寧なコミュニケーションを重ねていただいた末、
ボクの今のベストが描けたと自負しています。

アイリッシュって森や湖のイメージが多いかもですが、
ボクが描いたのは福島県いわき市豊間のビーチ。
震災以降何度も描いてきた風景に初めて人物を描きこみました。

それは個人的に大きなチャンレンジなのですが、
アイリッシュのなんたるかを突き破って
tricolorの今に捧げてみたくなりました。

このアルバムに向けたコメントをお願いされたので、
こちらでも掲載しておきます。

***
旅から持ち帰ることの出来る最上のものについて考えてみる。

「なにを見た」「なにに出会った」「誰と知り合った」などなど、
旅の話の語らいはいつの時代でも最高の酒の肴であるのだけれど、
そんな語らいの友がいること、そこに帰ってこれたんだってこと、
それこそが旅から持ち帰ることの出来る最上のものであると気づき、
目の前ので微笑む人の「そのまま」を愛しく思えた時、旅は終わる。

もちろんその瞬間から次の旅は始まるのだけどね。

tricolor は3番目のアルバムの中で旅を語りつつ、
ボクたちの日々の「そのまま」に深い愛を捧げてくれているように思う。

なにげなくも深い深い LOVE ALBUM なんだと
ボクの直感が教えてくれる。

そんなアルバムのジャケットのアートワークの依頼を受けて、
ボクの今のベストだけを捧げようと思ったんだ。

***

現在放送中のNHK連続テレビ小説「マッサン」の劇中曲も担当するtricolor
このアルバムがより多くの人の生活に寄り添うものであればなあと願います。

11045577_911228732254882_1655084512_o

花の絵が並ぶ風景は
青森のコノハト茶葉店の三宅さんから送っていただいた
「2011.03.11. 19:34」とタイプされた写真。

2010年3月7日から富ヶ谷のパン屋ルヴァンのカフェルシャレで
「その辺に咲いていた花」と名付けた展覧会で展示した花の絵は、

その辺に咲いていた

西日本の各地を巡り、
確か13箇所目の展示場所として青森にたどり着き、
2011年3月7日からコノハトさんの店内で展示され始めました。
http://blog.connacht.jp/?eid=52

三宅さんとの出会いは
福岡を中心に開催されていたcafe week というイベントに
青森からコノハトさんが参加されたことに始まります。

宮崎県の日向の花屋の後藤さんが提案された
「かわいい花に旅させた」という『花の種ばら撒き育成企画』を共にし、
広がりすぎたローカルイベントの時空を超え
お互いの花の成長を軸とした親密な会話を重ねてこれた方です。
(この時形成された繋がりは今のPeaceてぬぐいの活動にも生きています)

この展覧会の企画を進める過程で三宅さんから教えていただいたのが
アイリッシュトラッドを奏でる3人組 tricolor

3人の生きてきた時間がピタッと収められたアルバムは
深い親しみを感じた音楽との出会いとなりました。

そしてこの写真

震災の停電の暗闇の中、
ロウソクの灯りで照らし出されたその辺に咲いているはずの花。

CDは当然再生出来ない状態ではあったけれど、
停電の直前まで鳴っていたtricolorの音楽は、
三宅さんの心の中の不安や恐れの隣でループしていたそうです。

あれから4年
3月27日青山HADEN BOOKSで
コノハトさんとtricolorとボクがひとつになれる時間を創ります。

お茶の本を上梓されたばかりの三宅さん

「マッサン」最終回前夜で駆けつけてくれるtricolor

15日発表のtricolor のアルバムのアートワークを手がけたボク

HADEN の店主は青森三沢出身の林下さん。

彼と金子飛鳥さんとボクとで震災以降続けてきたイベント
「本・つながる・未来」の18回目として開催するこの日。

タイトルはtricolorのアルバムにボクたちが出会った理由も込めて

「旅にまつわる物語」~かわいい花に旅させた

2014年3月27日(金) 
本・つながる・未来 vol.18 tricolor ライブ
with コノハト茶葉店(青森)× 小池アミイゴ
Open 19:00 start 19:30
参加費:3,000円
(内500円募金・別途1ドリンクオーダー)
http://www.hadenbooks.com

みなさんぜひご参加くださいませ!

小さな花の種や花の絵を巡り言葉を交わしてきたことは、
濃厚な質感のものではないけれど、
それでも3月11日を乗り越えるしなやかさを持ち、
今も生き続けているんだと感じています。

ボクがあの日から始めたことの多くは、
みなさんと重ねてきた会話を武器にカタチに出来たこと。

震災の悲劇は今も現在進行形で「その辺」にあります。
それでもボクたちが育てるべきものがなんであるのか、
ブレることなく感じてゆけること続けてゆくつもりです。

コメントをどうぞ