SHOZOセッション2DAYS

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立春の頃、週末金曜土曜と那須のSHOZOへ。

SHOZOは珈琲一杯の美意識を貫き、地方で生きるイメージを創造し、
人を育て、日本全国にフォロワーを獲得してきた場所。

ボクは大切な友人に連れられ初めてこの店を訪れ、
その後もローカルな人とのご縁が重なり、
緩やかだけど確かなお付き合いを繋いで、そろそろ8年。

SHOZOの皆さんがボクのやってることを見続けて下さった先、
今年の5月に「那須に咲く花の絵」の展覧会の企画を頂きました。

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展覧会開催と併せて頂いた提案は、
それを実現するまでに何度かSHOZOに足を運び、街を取材すること。
さらに、
主にスタッフ向けのワークショップを開催すること。

それは、まさに今ボクが考えている表現のあり方と重なり、
『東京のイラストレーターが地方で展覧会を開く』っことに収まらぬ、
『発想の扉を共にこじ開けてゆこう!』とか、
『お互いの未来を創造する現場創り』くらいの気持ちが込められているはずです。

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そんな理念をヒシッと感じつつ、
初日のワークショップはSHOZOスタッフ総員27名向け。

シンプルなストーリーをシンプルな線で構図にして
美しい色で塗りあげるワークショップ。

おとなしいと言われる今の子たちだけど、
段階を踏んで扉を開けて行くと
めちゃくちゃ豊かな感性に出会えちゃう。

たとえば、
『毎晩22時に寝落ちするお母さんの寝息』って作品。
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普段絵を描いていない人だけど、
普段ひとつの確かな美意識のもと、
日常のあらゆる場面に豊かな視線を送ってるんだろうね〜。

わかりやすいテーマだったのでこの絵をピックアップしてみたけど、
ほんとみんながみんな豊かなものを見せてくれた時間。

ワークショップの最後は、
みんなの表情がめちゃくちゃ輝いてくれてたのは、
ボクがこれから生きてゆくための財産。

やっぱ、ボクはなにかを与えにここに足を運んだという以上に、
なにかを得て帰れる場所に導かれたんだと思うな。
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2日目は一般に募集した人向けのワークショップ。
5歳から大先輩までの参加で花を描きました。

前回のSHOZOでのワークショップは震災直後の4月。
その時参加してくれてた5歳くんが、
今回は10歳くんとして参加してくれて、
とてもセンスの良い仕事をしてくれてたのが、
うれしかったなあ〜。

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5年前に撒いた種はスクスク育って、
キレイな花を咲かせてくれてた。

なんてね、

SHOZOでのワークショップはいつも生まれる絵の質が高くって、
それはやはり1つの美意識の元に集う人たちの
普段から見ているものの違いなんだと思う。

色彩の渋い魅力とか、線のセクシーな柔らかさとか、
SHOZOのような場所で、そして那須の自然の中で、
日々出会うものが確かに生きている実感。

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このアドバンテージを、
ではSHOZOという場所から踏み出し街を美しく染めてゆくために、
どうやって活かしていったら良いのか?

これは今回出会った若い人たちにかかっているんだろうと。
次回は黒磯の街をみんなと歩いて、
街の構図や色を採集するようなことやってみるつもり。

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SHOZOという場所は相変わらず素晴らしい場所であったけど、
そ店休日に歩いた黒磯の街は、
今の日本の地方都市が見せる、
なんつーか、やっぱかなり渋いものだったりするのです。

でも、それでもボクはこんな風景に可能性を感じてしまうわけで、
自身の生きるサイズを測り直すことと並行させ、
これからを生きる幸せってものの姿を、
SHOZOという美意識に含まれる働き者の若い人たちと見つけてみたいです。

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そんなことが出来るんじゃないかという確信の裏付けには、
必ず『一杯の珈琲』というもののある凛々しさ。

ワークショップ中は年齢相応の表情を見せてたみんなも、
働いてる時の姿は、ボクにとってはカッコイイ兄さん姉さん!

初夏に向かい、共に成長してゆきたいと、
けっこう歳の離れてるボクがそう思っています。

ところで、
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黒磯の街に着いて、
ワークショップ前にスタッフのみんなとハヤシライス食べて、
(ハヤシライス、ほんと美味しかった!)
お抹茶なんかも頂いて、ちょっと雑談などして、

なんだっけ?
この懐かしい空気感。

初めましての人も多いはずなんだけど、
会話の風通しがとても良く心地よい!

ちょうど映画が流れていて、
「あの女優さん、だれだっけ?」
「名前、ここまで出てるんだけどね、」
「わからないねえ〜」
「まあいいか、」
「うん、そのうち思い出すしね。」

そうか!
ここに集まっている30名からの人たち
誰もスマホを手にしてないんだ!!

「みんなスマホ持ってるの?」
「持ってますよ」だって。

しかし、
今この瞬間手にする必要を感じてないんだね。

なるほどSHOZO
次回3月が楽しみ!!

ちなみに、
女優さんはメリル・ストリープでした。

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