ちいさいトラック


福音館から毎月発行されている絵本シリーズ
“こどものとも年少版”(対象2~4才)5月号
「ちいさいトラック」の作画を担当しました。

4月には配布や店頭販売が開始しますので、
ぜひ手に取られページをめくって頂けたらです。

原作はこれが絵本原作の処女作となる ねぎしたかこさん
長年に渡り図書館の児童サービスに携わってこられた方です。

編集担当の福音館O氏もこれが初めての絵本編集の仕事。

ボクは以前にも絵本を出していますが、
その後目指す絵本のあり方を考えている間に20年。
今回は“新人イラストレーター小池アミイゴの処女作”
そんな気持ちで取組んだ仕事になりました。

以下、この仕事のお話を頂いた3年まえから今に至る個人的な話など。

O氏からお話を頂いたのが3年前の2月
青山CAYで始まったばかりの作品展に足を運んでもらってご挨拶。
その後正式に「ちいさなトラック」を原作にした絵本の作画を依頼されました。

12月に息子が生まれたばかりで、父親としてゼロ歳のぼくは、
絵本作家としてもゼロ歳のつもりで、
編集O氏とそれこそ「ゼロからガンバってゆこう!」なんて話をしたはずです。

それでもザクッと描いたラフスケッチの段階で
この絵本の流れはほぼ完成していたはずだけど、
そこからが実に細かい作業の繰り返し。

ねぎしさんから指摘されるディテールの修正や、
o氏と意見の合わぬ部分があれば、とことん考えをぶつけあったり。

o氏とはお互い不条理を感じあう瞬間もあったはずだけど、
ともかく粘り強くコミュニケート。

そうすることでしか、
トラックのフォルムを削り出したり、キャラクターを育てたり、
1枚の絵でしかないトラックがどこまでも走ってゆけるようにしてあげることは
出来ないなあ〜と。

なにより、
910gの小ささで生まれてきた息子と「ちいさいトラック」というタイトルが重なって、
かーちゃんと共に奮闘し始めたばかりの子育てと、ちいさいトラックを絵本にまで育てる作業がリンク、

やはり子育て中のo氏共々尋常ならざる情熱を持ち、
トラックくんに命を吹き込んでいった3年でありました。

そんなわけで出版は大幅に遅れ、
原作のねぎしさん始め多くの方にご迷惑をかけたはずですが、
それでも、トラックくんと一緒に育ってくれた息子が、
送られてきた「ちいさいトラック」の梱包と解いた時に見せてくれた笑顔に、
この3年間の作業は間違いじゃなかったな〜と。

ほんとウレシい仕事になりました!

そして
トラックの成長と共にボクもo氏もきっちり3つ歳をとることが出来た、
そんな仕事でもあったはずです。

ちいさい頃から「こどものとも」育ちのボクだけど、
今回「こどものとも」の仕事をすることで、
あらためてイラストレーターとして成長してゆくためのスタートラインに立たせてもらったように思います。

ちいさいトラックが自分が誇れる仕事に出会うまでの小さなストーリー

この本をがこんなストーリーを必用とする人の手に届きますよう。

トラックくん、
人としてのあらゆる感情を載せて
どこまでも走ってゆきなよ〜!

福音館のoさん。
いい本になったね!
おつかれっす。

アンド

PEACE!!

コメント / トラックバック 2 件

  1. 小池アミイゴ様

    この度は大変なお力添えをいただき、誠に
    ありがとうございましたm(__)m

    ただただ深く感謝申し上げます。

    ブログにまであげていただいて感激しております。

    どうか今後共よろしくお願いいたします。

    スタッフ一同

  2. 小池アミイゴ より:

    >移動保育プロジェクトスタッフさん。
    わざわざのコメントありがとうございます!
    お忙しい日々の中、コメントひとつでも大変な労力であるはずですが、
    こんな場所であっても、誠実な言葉の交換をさせて頂けることで、
    ボクの想像力はさらに鍛えられるはずであります。
    そして、そんなことの積み重ねでしか手に入れられないものもありますね!

    お互いそれぞれの場所で奮闘を重ねつつ、
    いつか福島のコドモたちに会いにゆきますね。

    その時はどうぞ宜しくお願いのほど、
    まずはご自愛の日々を!

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