絵本「うーこのてがみ」

来週の水曜日、自作の絵本が刊行されます。

「水曜日郵便局 うーこのてがみ」
ある水曜日のお話です。うーこさんはうーたくんにお手紙を出しました。

文・絵 小池アミイゴ
定価:1,404円(本体1,300円+税)
発売日:2018年12月05日 判型:A4変形判
ページ数:32 ISBN:9784041073469

「わたしはとてもきれいなばしょでくらしていたんだ」
うーこさんはうーたくんからの手紙を読んで思うことがたくさんありました。
手紙を通して、身近にあるうつくしいものや、ことに、気づかせてくれるやさしい絵本。

2011年3月11日以降、東日本の地を歩き、風景や花の絵を描いてきました。

そんな先、2013年の1月に、塩釜港の復興市場の直売所で出会った女性から一通の手紙を頂きました。

そこに綴られた震災のこと、それ以前の大切にしてきた思い出、
空を見上げたらカモメが飛んでいたこと、初出勤の際に見たシロツメクサのこと、
愛するご主人さんのこと、ちょっと未来のこと。

生き生きとした筆致で綴られたごく個人的な物語に出会い、
ボクは「3・11」と呼ばれた悲劇に対して描くべきことの像がキリッと結んだように感じました。

そうして描いた塩釜の海の上を飛ぶカモメの絵は、
ボクをさらに次の場所へと導いていってくれ、そこから多くの作品が生まれました。

その中の仕事のひとつが「赤崎水曜日郵便局

この仕事はボクを熊本県の津奈木町に呼び寄せ、熊本の地震を我が事と思わせ、
天草へ誘い、羽田の空を彩り、

もしくは「とうだい」という絵本に結実し、

今年は宮城県の東松島の宮戸島へ、「鮫ヶ浦水曜日郵便局」に関わることになり、
そもそも「鮫ヶ浦水曜日郵便局」は「とうだい」にインスパイアされた企画でもあるそうで、
この絵本の制作の依頼を受け、宮戸島を歩き、自然の恵み深きこの場所を舞台に構想を練り、
そして、シロツメクサの記憶を頼りに松島湾をグルッと下り、塩釜に帰ってきました。

この制作の途中に、ボクに手紙を届けてくださった方の急逝に逢い、
そのことは未だ自分の中で咀嚼出来ずにいるのですが、
しかし、彼女が届けてくれたことは、この絵本の中に生かしてゆけるはずと、

「絵にできることってなんだろう?」との自問はあれから7年8ヶ月の今も変わらずありますが、
しかし、「絵にできること」はこれからが本番だという実感のもと、
今までだったらカッコつけてしまっていたであろう気持ちを蹴破り、
「かわいい」ってことに照れることなく、作画を進めてゆきました。

この物語が、お母さんとお子さんの日々の穏やかな会話を生んでくれたらいいな。
拙いところは多々あるかと思いますが、心からそう願っております。

気持ちの良い編集を注ぎ続けてくださった角川の加藤さん。
思いがけぬアイデアで物語をスムースに進めてくれた、やはり角川のデザイナー須田さん。
「水曜日」の発案者で、この企画を投げてくれた映画監督の遠山昌司さん。
企画を推進してくれたP3のみなさん。
東松島でお会いしたみなさん。
塩釜の共栄丸水産ご一同さん。
シロツメ草の思い出を届けてくれた水間さわ子さん。

ありがとうございます。

タグ: , , , ,

コメントをどうぞ