NAHAのごく私的な42.195km
昨日、ランニングマガジン・クリール2月号が発売になりました。
中面見開き2pで“NAHAマラソン完走記”をイラストレポとして
ドーンと掲載して頂きました!
編集長H氏も、自身のブログの中で熱い言葉で紹介してくれていて、
トレーニング開始から3ヶ月の積み重ねは、
42.195kmを越え、この誌面でフィニッシュ出来たんだと思います。
NAHAマラソンに関して、ご協力&御協賛下さったみなさん、
ありがとうございました!
しかし!!
残念ながらバカアミイゴ、、
『初マラソン完走記』と描き文字で書いたところ、
“初”の“コロモへん”を“シメスへん”で書いてしまってありました、、
いや、
42.195kmのフィニッシュより厳しかった、
締め切りに追われたクリール中面見開きのイラストルポであったのです!
是非、みなさんクリールを見開いてご覧下さいます。
(で、誤字に苦笑いされてみてください、、)
さて、
イラストルポ掲載号が発売されたところで、
ボクの初めての42.195kmに関して、
並走して下さった編集長H氏の写真と供に記録しておこうと思います。
NAHAマラソンに向けて積み重ねてきたトレーニングの中で、
4時間50分くらいでフィニッシュ出来るイメージでいたのですが、
本番3週間前ほどから感じ始めた右足裏の痛みが、実は足底筋膜炎であり、
10km前後走っただけで右足の痛みでブレーキで、完走のイメージも霧消。
丸々1週間安静にした先に迎えた12月6日でした。
それでも、NAHAマラソンに集う莫大な人の波や、
そこで出会う愛すべきヒトリヒトリから受ける熱で、
ともかくスタートラインに立ちたい気持ちが膨らみました。
まあその辺は、
ボクがお祭り好きのお調子者であることに由来しますね。
で、12月6日
朝9時の那覇奥武山公園に集まった30081名のヒトリとなったのですが、
スタートラインを踏むまでに号砲から21分かかり、
その緊張感の無い人波の中で、
ちょっとだけ「まあなんとかなるか」なんて気持ちもわいてきました。
10月18日に走ったハーフマラソンが2時間8分
これは1kmを6分くらいで走った記録です。
マラソンの記録とは、
ハーフのタイムの1.4倍と言われています。
ならば1kmを7分で走って4時間50分くらいでフィニッシュは
妥当な目標。
この年齢での“初”マラソンとしては、
ちびっと天狗になれるタイムかもです。
しかし足底筋膜炎、、
そこで、クリールの編集長H氏が立ててくれた作戦。
てか『誰でもNAHAマラソン完走 金言集』
・1キロ/8分30秒
しかも、8分走ったら30秒は歩く
・コース前半21kmまではスベテ上り坂のNAHA
その上り坂はスベテ歩く
・頑張るのは30キロ過ぎてから!
・10kmまではウォーミングアップ
汗なんかくようじゃダメ!
てか、20キロまでこれでいいんです!
・熱くならないで!
アドレナリンを出してちゃダメ
むしろドーパミンで行きましょう!
などなど
これで
制限時間6時間15分のNAHAマラソン
初心者でも笑顔でフィニッシュ!
足を故障してたボクは、
「これからマラソンに挑戦しよう!」と萌える人たちの灯台となるべく、
クリール編集長作戦を実践して、
ともかく完走することに目標をチェンジしました。
スタートから国際通り入り口まで、
ホトンドの人が先へ先へと突っ込んでゆくのを脇目に、
ウスラヘラヘラ走りのボク。
それでも1kmのラップは8分を切ってしまうわけで、
遅く走るのも難しいのです。
そんなこんな、作戦は作戦として、
ボクはボクの無理の無いペースを維持し、
歩く事も無く、
大好きな沖縄の風景を楽しみながら気持ち良く走っていました。
そこで「歩きましょう」との編集長からの指示。
しかしなあ、、
走れているし、歩くのは、、
なんて思ってみたものの、
ランナーの人波そのものがガクンとペースダウン、、
そしてマラソンレースはノッキング。
なるほど!
歩くのも走るのもほとんど差の無いスピード、、
ためにし歩いてみると、
走っている人よりズット、
なんていうか、
“市民マラソン”というスポーツの本質に向き合っている感じ。
フルマラソンを3時間8分で走る編集長が
「ほらね!」な顔。
上り坂をちょっと歩くだけで、
走るための筋肉がストレッチされる効果も発見。
足の裏の痛みや張りもリカバリーされて、
またグイグイ走れるイメージ。
ボクの前には20000人くらいの人が走っていて、
しかし後ろにも10000人の人。
なんくるないさ〜と、
市民マラソンの面白さを5キロで掴めた感じ。
それが残り37キロを走らせてくれたかもね。
その後もかなり反則の急な登り坂が続きましたが、
ともかく中間地点までは
途切れる事の無い人波に逆らうことなく
無理せずウスラヘラヘラと。
それでも1km/8分30秒より早い、
7分30~50秒くらいのラップタイムなわけで、
「10kmを走る力のある人なら、フルマラソン完走出来ます」
という編集長の言葉
恐ろしく説得力のあるものに思えました。
オフィシャルのエイドを使わなくても、
水も給食も摂り放題。
ボクは10kmを過ぎた辺りで、
パンツのポケットに入れておいたパワーゼリーを口に放り込み、
サトウキビ畑が続く郊外の景色の中、
たまに吹き抜ける風をカラダに楽しく感じながら走りました。
ただ、
オシッコが膀胱にたまっている感じが気になって、
さて、どのタイミングでどこのトイレに駆け込むのか?
それが当面の問題であるなあ〜。
と言いたいところですが、
ゲートの置かれた平和祈念公園へは一気の下り坂、、
右足の裏は登りより下りの方で痛みが湧いて来て、
このレース中始めて恐さを感じました。
それでもまあ、
多くの人がココでリタイヤするのを脇目にしながら、
予定よりは遅いなりにも中間地点無事通過。
なんとなく
フルマラソンの醍醐味が目の前に迫って来ている感じに、
それまでのウスラヘラヘラとは違う熱いモノが、
心の奥底から沸き立って来るように感じました。
25kmを過ぎる辺りからは、
先にズンズン飛ばしていった人の中で、
ペースを落とす人や救護所に駆け込む(倒れ込む)人も多くなり、
ずっとペースを崩さず走ってきたボクは
多くの人を抜かし始めました。
それでも欲をかかず
ひめゆりの塔のドライブインでトイレとオニギリ
実はそれほどカラダが欲していたわけでは無いけれど、
そこは取材!とオニギリを口に放り込んだ次第。
でもやっぱ心に染みました!
ニギリメシ。
あの時代、
こんな1つのニギリメシさえ食えない人ばかりだった沖縄だもんな。
さて、ここからはきっとノンストップ。
膀胱が楽になったので、
足の動きもスムースになったようです。
しばらく走ると海が目の前に広がりました。
それだけで走っていて良かったな〜と思え、
さすがに感じ始めた疲れも癒されました。
そろそろ30km
トレーニングで走った最長が32kmなので、
未知の感覚をカラダに感じ始めました。
まず面白かったのが両腕の疲れ。
上腕の筋肉痛や、
腕から背中にかけての張り。
張りは走りながらストレッチを行い緩和出来るのですが、
腕の筋肉痛とは、、
それだけ前後に振られる腕の重さを
長時間腕の筋肉が支えてくれてんだね。
それから、
「腹筋にきてるなー、、」という感じ。
足腰より腹筋。
編集長から、
「ハーフの時よりフォームが格段に良くなっている」
「腹筋がついてきた走りだ」なんて褒められていたんだけど、
実際にインナーマッスルを鍛えるトレーニングは重ねていて、
腹筋がカラダを支えている感じをつかんだ上での初マラソン。
そこで腹筋の疲労。
これはヒトツの成果であると、
疲れちゃいるけど喜ばしいことだと、
無駄にポジティブな性格を有り難く思い、
走り続けました。
下半身に関しては、
32kmを過ぎた辺りから、
モモの前側の筋肉が練習の時よりキテル感じ。
普段ほとんど筋肉痛にならない場所なんだけどね、、
これは流石にレースであるなあ。
レースだからこその気張った筋肉の使い方を無意識にしてるんだろね。
そして、
右の足の裏を無意識にかばっていたんだろ、
左足の疲れが右よりも大きい。
で、気が付けば右の足裏部の痛みが不思議と消えていたりで、
人間のカラダはワンダホーだなあ〜。。
なんて感心しているウチに糸満のロータリーも越えて
残りそろそろ10km!!
ウチから吉祥寺までじゃん!!
42.194kmが
イメージの中では手が届いている。
しかし、
流石に疲れも顔を出してきて、
今食べたら元気になれそうなものは〜っと、、
う〜〜ん、、
そうだ!
ミカン!!
それまで、
塩も舐めた
黒糖も齧った
バナナもオニギリも食べた
しかし、
今回のNAHAマラソンで最高に染みた!
どうだ?
完走出来そうか?アミイゴ、、
いや、
このNAHAマラソンというモノが有り難く思えてしかたなく、
完走は最低限の礼儀であるぞ!と、
足裏筋膜炎で失った勇気が、
ヘロヘロのカラダに満ちてくるんだ。
苦しいけど決して辛く無い
楽じゃないけど楽しい
いやホント楽しいんだって!
そんなこんなで
33.4kmの関門も無事に制限時間内で通過。
それまで足し算で数えていた距離も
引き算で考えるようになってくる
楽じゃないけど
この辺りでは人に抜かれることはほとんど無く
ただ人を抜いてゆくばかり
ブームと言われるランニング
その専門誌の編集長
それはそれだけで時代の前衛たる発想を持っているということ。
ボクのわずか1つ年上でしかないH氏との走りながらの会話は、
ランニングやマラソンの枠を越え、
これからの人や社会のあり方さえも語り尽くすような面白さに溢れていました。
そんな人の立てた“NAHA完走作戦”
それは、市民マラソンの裾野をさらに広くさせるだけじゃなくて、
成熟した社会をボクたちが掴むきっかけにさえなるんじゃないか、
そんな妄想さえ感じさせてくれるものでしたよ。
そんな編集長ものこり数キロとなった辺りから
ボクに一切声をかけることなく、
ボクを孤独にしておいてくれたようです。
気が付けば
ケッコウ“いい顔”しちゃって歯をくいしばったり、
喘ぐような声出しちゃったりもしてましたが、
ともかく30キロを過ぎて出会ったマラソンというモノが面白くて、
ただひたすら走る、走る、
「あと代々木公園3周だぁーー」とか
「環七まで行って帰ってきたら終わりだー」とか
そんな考えも最後には消えて、
もの凄くシンプルな思いが、
それは自分以外の人にとってはどうでも良い、
極々私的なコトであって、
そんなんが心の中でループしていて、
だから走るんだってね。
わからねえだろな、、
結局最後まで人波は途切れる事無く
その中のわずかヒトリであり続け
フィニッシュ
両手を上げて笑顔で
なんて思っていたけど、
苦しい顔して右手を上げるのがやっとだったかな。
それでも完走。
ゴール手前で友人に「アミィゴサーン!」と声かけられて
テレてしまって言葉にしたのが「ボチボチだな」
ボチボチな記録は5時間29分
だけど楽しかった!
それに尽きたNAHAの42.195km
「また来年も走りたいか?」だって?
当たりめージャン!!
2009
1206
PEACE!!
写真と日記、なんだか嬉しくなりました。
「アミーゴサーン!」
拍手‥‥‥
>harumi.さん。
ほ〜んと、
マラソンを走ったということは、
極々個人的な出来事でしかなく、
それをこうやって書き散らかして、
harumi.さんのような方に
ウレシいお言葉をもらってしまっりもして、
なんて下品なヤツなんだ、オレは、、
で、
きっと、
ボク個人の完走がスゴいのでなく、
走る事を気持ち良く感じられる人で、
10キロくらいを走る力がある人であれば、
このパレードに参加しても笑顔でフィニッシュ出来るのだ!
そんなことを伝えたくて仕方ないのでしょう、
オレ。
そこにどんな意味があるのか?
それこそパーソナルな問題でしかないですね、、
ならば走れるヤツはともかく走っとけ!
そんな時代であります。
ご声援、ありがとうございました〜!!
NAHAマラソン完走おめでとうございます。
クリールの完走記、拝見いたしました(^^)
そして、クリール編集長さんのブログで小池アミイゴさんのブログがあることを知り、飛んできました。
「27キロで海が見えた。64年前の春…」の言葉を呼んで涙、涙…。
今年一番感動した言葉でした。
これからもお仕事にランに頑張って下さい!
応援しています。
>あこさん。
コメントありがとうございます!
そしてクリール編集長さんのところから飛んでこられたこと、
ウレシく思います。
本来クリール誌面の2ページでスベテを語るべきなのが、
ボクの仕事なのですが、
“初”のマラソン挑戦と、そこに至る日々、フィニッシュから先の事、
スベテがマラソンというスポーツであるように実感、
今のボクの力では、誌面にそのスベテを収めることが出来ませんでした。
なので、こちらでフォローすることにしました。
ホント、マラソンの走る時間は一瞬のキラメキの中でのことであり、
その前後に続く時をいかに大切に生きるべきなのか、
沖縄は沢山のことを教えてくれましたよ!
そんなこんなで、
アコさんともドコかの路上ですれ違えたらステキですね!
小池アミイゴ様
NAHAマラソンから早3週間、完走打ち上げで同席した、なみふくです。
写真見せてもらいました。このTシャツ、見覚えありますよ!
私は、はこさんと一緒に8分ロスのスタートだったので、きっとどこかで、
私を追い抜いて行ったのでしょう!
那覇は5回目にして いまだ完走成らずですが
来年に向けてがんばります。
また何処かの大会で会えたら嬉しいですね。
はこさんと同じはじまらシャツ 15番なみふくを見かけたら声かけて下さい
>なみふくさん。
お久しぶりです!
そして打ち上げでは同席させて頂き、
ありがとうございました。。
ですね、
来年もまた那覇で会いたいです!
でもって、我慢出来ず走り始めています。
今は2/20の赤羽のハーフにエントリーするつもりでいるのですが、
さて、仕事の都合がつくかどうか、、
ともかくどっかの路上ですれ違ったら、
お声掛けくださいね〜〜!!
5日遅れの発売@沖縄。
てことでやっと本日クリールかいましたよー。
「おおおおお〜〜〜っ!」て見開きですね!!
すげえ。
おもろい。
>吞キさん。
今年心に響いたベストなひと言。
それは自分で思わず発した
「ボチボチだな」
でした〜!
なんか人は可笑しいなもんだな〜と、
我が身のヘッポコをさらして始めてその本質に触れたような、、
で、
クリールの絵、オカシイだろ、、
こーゆー仕事を「ボクのイラストレーションです!」と言いづらい
日本のイラストレーションの現場、
次にぶっ壊すのここかもね。