LIVE

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4月11日は大阪北堀江のロカリテPoPoyansのライブでした。

日曜日の早くに東京に戻る新幹線から
ロカリテのお2人とPoPoyansのお2人に送ったメール

「東京に帰ったら昨日に負けない仕事をしなければだ!」

溜まりに溜まった仕事を終えて今
ロカリテの店主さんの淹れてくれた一杯の珈琲の記憶が
抱えるのにちょうど良い大きさで心の中に膨らんでいます

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金曜日に着いた大阪は初夏の陽気

染井吉野が咲き誇る隣りでは
御堂筋の銀杏の木が芽吹いておりました

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「ロカリテとして生きること」

ロカリテのお2人がそれを確認するためには
ボクのような破壊者が必要なのでしょう

あらゆるタイミングでお声かけ下さり
時には旅を共にして“他者の仕事の誠実”に触れ
いつも原点に立って自身の仕事を考えられるお2人

そんな旅の1つ
去年末の“ううじんの「原」”と“PoPoyansの「森」”を経て
“ロカリテでのライブ”の意味も真摯に考えて下さり

それはやはり“ロカリテでの音楽のLIVE”ではなく
“ロカリテとして生きることそのもの”という意味において“LIVE”であり

なにかをぶっ壊して
心の更地にホンモノのロカリテを建てる作業

ボクやPoPoyansはそんな心意気に触れ
関わるみんながそれぞれの“ゼロ地点”に立つ4月11日だったと思います

「なにを大げさに」
「たかがカフェライブじゃん」

なんですがね

通常営業を丸々一日潰してなお
通常営業の気持ちにの上に踏ん張って立って創るLIVE

ロカリテとして生きている人のLIVEの対バンとして
ボクとPoPoyansが選ばれたってこと

負けるわけにはいかないのです

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今年に入ってからロカリテさんと組み上げてきた
“無いものとして存在するロカリテらしい響きの音響機材”

日々の長いメールや電話でのやりとり

食や花を真ん中に置いたマインドの受け渡し

「これでもか」てくらい細かい事や
厳しい考えも投げあったりする中で

4月11日をどんな日にすればいいのか
イメージをロカリテとPoPoyansとボクとで目に見える絵にしてゆく作業

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「はじめまして」のお客様にロカリテを知ってもらい
「また来ますね」て気持ちになってもらう

それが出来なければ“カフェで音楽のライブ”をやる意味なんかありません

しかし
それはものすごく難しい仕事です

そのためにロカリテさんが選んだのが珈琲

店主それぞれがサイフォンとペーパードリップで淹れた渾身

その一杯をしてロカリテの“ゼロ”を表現

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4年前のロカリテの開店に合わせて購入したというシャツを
「4年ぶりに揃って着た」というお2人

そんな有り難い逸話は後で知ったのですが

ボクはそのシャツを
「ボクの組んだ音に似ている」と思いました

“無いものとして存在するシャツ”

お2人の考えでは主役はお客様であるはず

その前から消えてみせるロカリテの制服

必要とされれれば“安心感”を与えるシャツ

画家のマティスの言葉が好きです

「座り心地の良い肘掛け椅子のような絵でありたい」

それを造り上げるには
技術も経験も感性もなんもかも駆使しなければならない困難こと

そんな言葉の下において
ボクもロカリテさんも同じ方向を見ているように思いました

そんなボクは
ロカリテとPoPoyansとお客さんとの間に花の絵を置いてみました
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なんでもない菜の花やラディッシュの花

日々のコミュニケーションの中で
何の欲も無くただ夢中になって描いた絵

そんなのがこの日にふさわしいと思いました

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珈琲も音楽も絵も
この世に無くても生きてゆけますね

だからこそ全力で表現しなければ失われてしまいます

その作業は暗闇を手探りで進むような作業であります

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だから
他者と一緒に時を創ろうとしたら
言葉を掛け合いながら進まねばなりません

出会いは“出会い頭”のヨロコビなり驚きなり怒りなどで彩られれば良いでしょう

しかし
お互いを知りちょっとでも愛しさが芽生えたのなら
お互いの居場所を確認しながら光の当たる場所を目指さねばです

そうやって創り上げた時の中で響いたPoPoyans全力の表現
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昼16名
夜20名

1日で36名
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36杯のロカリテの渾身

ロカリテの“ゼロ地点”でPoPoyansの“今”を伝えるための
みんなで導き出した人数です

ボクらが創ろうとしたのは

“ロカリテでのPoPoyansライブ”ではなくて

やはり
“ロカリテとPoPoyansのLIVE”でした
(もしくはそこにボクの名前を加えてもいいのかな?)

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お昼にロカリテに集まって
15時からと19時からそれぞれ2時間ほどの珈琲と唄の時を経て
片付け終わるまで12時間休む間も無くやることばかり

36名と向き合うこと
メチャクチャ大変です

昼の反省を夜に活かして
しかし至らないコトを見つけては歯がゆい思いをしつつ
それでもお客様に喜んで頂けたでしょうかね?

それは「次」の声が聞えた時初めて分かることでしょう

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ともかくみんな出し切ってグッタリ

心と身体に染みるロカリテのまかないメシを頂き
いつもだったらここで1曲を囲むなんてことが当たり前になってましたが
この夜は何も必要なかったです

ただ明日を頑張るためのメシを身体に染み込ませるだけ

こんなボクらでも必要としてくれる人がいて
それは大抵が弱い人だったりします

そんな責任に襟を正し
メシを食いました

ロカリテさん
ごちそうさまでした。

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深夜の大阪の街を宿に向かってヒトリで歩いていると
この日のLIVEの記憶が“ひと塊のモノ”としてよみがえってきました

PoPoyansという個性的なアーティストの1曲1曲のディテールとかではなく

“2009年4月11日のロカリテでのPoPoyans”というモノが
まん丸と心の中に浮かんでる感じ

それは今のボクの心にあるロカリテの珈琲と同じ種類のモノです

創ったのは“ささやかな時”でしかなく
そこに至まではメンドクサイことばかりです

しかし

こんなことをもってLIVEと呼べるような生き方をしてゆこうと思ったのです
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コメント / トラックバック 10 件

  1. Monica より:

    ロカリテ、一度行ってみたいお店です。
    噂を聞けば聞くほど、店主のブログを読むほど、お会いしたいと思いが募るご夫婦です。
    昨年うっかりおあいしそびれてしまったのですよ。
    残念。

  2. >Monicaさん。
    あまり持ち上げると隠れてしまうお2人です。

    いつの日かヒッソリ覗きにゆかれてください、
    大阪北堀江のロカリテ

  3. miyuki より:

    心で感じ取った何かを、誠実に形にしようと
    しておられる皆さんに素敵だなあと思いました。
    ただ何となく、流されて適当に毎日暮らしているような
    自分などから見ると、うらやましいような気もします。
    絵を描くことが無意味に思えてしょうがない時期が
    ずっと続いていたのですが、小池アミイゴさんや
    ロカリテさんや、PoPoyansさんたちの創作への
    熱意が伝わってくるようで、なんだかとてもいい雰囲気だなあ
    と思いました。
    どうぞ、皆様これからも頑張ってくださいね。

  4. >miyukiさん。
    いっしょに頑張りましょう!

    そう言いたくて作った時間です。

    で、

    コケたら言ってください。

    手を貸しますよ!

  5. mizuho より:

    4/11 ありがとうございました!
    ずっと行きたかったお店でしたが
    あの日に はじめまして でよかったなあと思います
    みなさんの真剣な姿、ほんとうにほんとうにかっこよかったです
    わたしもがんばります!

  6. >mizuhoさん。
    わざわざ400キロ東からのお越しありがとうございました。

    そうですね、
    世の中には頑張ろうとしても出来ない弱い立場の方がいたり、
    失いゆくものばかりだったり、

    「楽しい」と言われる事でも、
    真剣な態度でのぞまなければならないな〜とね、
    特に最近思うんです。

    だから、良く来てくれたな〜と、
    こちらも感動しておりますよ。

  7. miyuki より:

    小池アミイゴさんの絵のなんとも言えない良さは、
    あたたかいお人柄から来るものだったのですね。
    今後、一層のご活躍をされて、
    また素敵な絵をたくさん拝見させていただけたらなあと
    思っています。

  8. マーボゥ より:

    先日は、ありがとうございました。
    ロカリテという場所でのLIVEが僕はだんだんと
    好きになってきています。

    大阪に行くのが億劫ですがここにはすんなりと
    行くことができます。
    その答えはロカリテのお二方に会える
    って単純なことだからかもしれません。
    そのうえ、大好きな音がながれるとなると
    ついふらふらと行ってしまうのです。

    とても気持ち良い時間でした、
    ありがとうございました。

    とんでもなく失礼なことを言ってるかもしれませんが、
    アミイゴさんの色使いがとても好きです。

    いつもありがとうございます。

  9. >miyukiさん。
    う〜ん、人柄なんだろかな?

    人柄と経験や環境

    それは決してあたたかなことばかりではなくて、
    どちらかと言えば辛かったり痛かったりのことの方が多くて、
    しかしそれがあるからこそ、
    何でも無い春の日差しの小さなユラメキなどが幸せに思える、
    そんななんじゃないかな。

    ウレシい言葉ありがとね。

    頑張りますよ!

  10. >マーボゥさん。
    今回の色使いは、
    ロカリテさんとPoPoyansあっての色ですね。

    そうやって色でもコミュニケート出来たこと、
    ウレシく感じますよ。

    でもってボクも、
    ロカリテがあるから大阪に行こうと思うし、
    SOLEがあるから京都を目指します。

    他の街でもいくつかそんなところが生まれつつあり、
    日本が好きだな〜と、前より思えるのがウレシいです。

    さて、次はいつだろね?

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